☆ムラサキちゃんのゲーム歴史☆
【番外編】〜将棋戦法の歴史〜
ネタをネタと見抜けぬ方はお帰り下さい。このページの内容に関して謝罪や賠償を要求されてもいっさい応じません。
そんなことをしたらネタにするのでよろしく(笑)


 「今回は将棋の戦法の歴史をお話しします」

 「なんでまた急に」

 「なんとなくです」

 「まあいいけど、将棋なんてそんな詳しくないわよ」

 「将棋を知らない人でも読める内容だと思うので問題ありません」

 「ふむ・・・」

 「将棋のぉぉぉぉぉ起源はぁぁぁぁぁ!!

 「やめい!!

 「お約束ね」

 「む・・・」

 「将棋の起源については諸説あり不明ですが、平安時代にはすでにあったようです。

 鎌倉時代には現在の形に近いものになっていたそうです」

 「平安時代って何年頃?」

 「『泣くよウグイス平安京』だから794年以降ね」

 「そりゃまたずいぶん古い話だわね」

 「将棋は囲碁と並び古くから伝わるボードゲームの一つです。

 世界の国々には将棋に似たようなゲームはありますが、その国によって駒やルールに違いがあります。

 将棋の場合は『取った駒を持ち駒として使える』のが特徴で、これは将棋だけのルールです」

 「チェスは取った駒が使えないのよね」

 「この持ち駒が難解で将棋にはまだ必勝法がないと言われています」

 「そういえばチェスはコンピュータが人間に勝ってたわね」

 「囲碁のソフトはめっちゃ弱いんですけどね」

 「そなの?」

 「将棋ソフトはアマ4段ほどのレベルがありますが、囲碁ソフトはアマ4級レベルしかないそうです」

 「よくわからないわね。ガンダムで例えてちょうだい」

 「ガンダムとジムくらいの差ですね」

 「そっちの方がわからないわよ・・・」

 「もしくはフリーザとヤムチャくらいの差ですね」

 「ドラゴンボールかい」

 「まだわかりません?それならゴジラと自衛隊では・・・」

 「もういいわよ」

 「囲碁の方が難しいのか?」

 「コンピュータが・・・と言うことで言えば間違いなく囲碁の方が難しいですね」

 「どういうこと?」

 「囲碁はコンピュータが苦手な処理なんです」

 「将棋の方がコンピュータには考えやすいわけね」

 「コンピュータ将棋はここ数年で一気に強くなりましたね」

 「パソコンの能力も上がってるしね」

 「それもあるでしょうが、定跡が整備されたこと大きいでしょうね」

 「定跡?」

 「セオリーとか攻略法とか・・・そういうことよね」

 「定跡と言われる『有利になる変化の研究』が将棋は進んでいるんです」

 「人間の研究がコンピュータの強さに繋がっているわけね」

 「定跡の研究は1990年代から急速に発展しました。

 その原因の一つとして羽生善治、森内俊之、佐藤康光などの羽生世代の台頭にあります」

 「羽生さんは聞いたことあるわね」

 「羽生善治氏は将棋を知らない人でも知っているほどの有名人ですね。

 羽生世代とはその羽生さんを中心に1970年前後に生まれの棋士達のことを言います」




 「羽生世代の『盤上の指し手「最善手」をひたすら追究する』研究将棋によって定跡が整備されたことにより戦法が重要視されることになりました」

 「戦法なんて昔からあったんじゃないの?」

 「たしかに古くから多くの戦法が存在しますが、それが重要視されるようになったのは最近のことなのです。

 今回はその戦法の歴史をお話ししたいと思います」

 「でも将棋の戦法なんてたくさんあるんじゃないの?全部やるの?」

 「たしかに将棋にはたくさんの戦法が存在しますが、大きく分けると居飛車と振り飛車の2つに分けられます」

 「居飛車と振り飛車?」

 「居飛車と言うのは序盤において右翼に配置して戦う戦法。

 振り飛車というのは序盤で飛車を左翼に展開し動かす戦法のことをいいます」

 

 

 「どちらも色々なバリエーションがありますが、振り飛車は江戸中期以降は廃れていました。

 そんな振り飛車をプロの戦法として復活させたのが大野源一氏。

 そして大野の弟弟子であった大山康晴、升田幸三の両氏によって振り飛車は再びプロの戦法として認識されるなりました」

 




 「特に大山氏は四間飛車が得意で愛用してました」

 「四間飛車?」

 「飛車を四間(左から数えて四升目)に持っていく戦法です。

 攻防がバランスが取れておりプロアマ問わず人気戦法です」

 

 

 「しかし、昭和50年ほどから変化が訪れ、振り飛車はプロではめっきり指されなくなります」

 「なにがあったの?」

 「それは居飛車穴熊の存在でした」

 「穴熊?」

 「クマー

 

 

 「そんな餌に釣られないわよ」

 「端に王を移動させ金銀でがっちり固める囲いです」

 

 

 「振り飛車は居飛車より素早くしかも固く囲えるのが特徴のひとつだったのですが、

 その振り飛車よりさらに固く囲んでしまおうということです」

 「なるほど。防御力で勝負ということか」

 「局面の流れから穴熊に囲う将棋は昔からあったのですが、

 最初から穴熊を目指す将棋はあまりありませんでした」

 「なんで?有力な戦法なんでしょ?」

 「どうも穴熊を指していると強くなれないと言う偏見があったようです。

 しかも居飛車が穴熊にしようとするとずいぶん手数がかかること。

 穴熊にすると攻撃するコマが少なくなるなど弱点も多かったのです。

 それを採用し高勝率を叩き出したのが田中寅彦氏でした」

 

 

 「居飛車穴熊は当時の若手棋士を中心に爆発的に流行しました。

 穴熊は簡単に王手がかからない形だったことも相まって採用率は高まり定跡も多く生まれました。

 これにより振り飛車の勝率が極端に減少することになります。

 トップ棋士だと特に顕著で居飛車側の勝率が7割以上という高勝率を記録するなど猛威を振るいました」

 「不利飛車ですね」

 「そりゃまあ誰も使わなくなるわね」

 「その状況に一石を投じたのが藤井猛氏でした。

 彼の考案した藤井システムによって再び振り飛車が脚光を浴びることとなりました」

 

 

 「藤井システムってなんかかっこいいわね」

 「当初、藤井システムは対左美濃対策として考案されました。

 左美濃は横からの攻めに強く固く囲えるため対振り飛車の有効戦法として穴熊同様猛威を振るっていました。

 この戦法を叩きつぶしたのが藤井システムでした」

 

 

 「左美濃はその特異な形から振り飛車にとって攻略が難しかったのですが、研究のすえ攻略する事に成功します。

 中でも藤井が多くの新手を出したため藤井システムの名前が付いたそうです。

 非常に完成された戦法のため左美濃はプロの間であまり見ることがなくなってしまいました。

 この藤井システムをさらに発展させたのが対穴熊藤井システムでした」

 

 

 「対穴熊藤井システムは穴熊に対して防御を捨てて攻撃に手数を割き、囲いの組む前に叩きつぶすという発想です」

 「攻撃を重視する作戦か」

 「ただそうなると相手も急戦を挑むようになります」

 「急戦?速攻ってこと?」

 「そうです。早いうちから相手を攻める戦法です。

 相手が囲ってこないならこちらから仕掛けようと言う考えですね」

 「当然だな。相手の弱いところを付くというのは戦略の基本だ」

 「急戦に来た場合は、囲ってしまえばいいんですけどね」

 「そりゃそうか」

 「藤井システムは相手が急戦にきても十分に対応できたのです。

 対穴熊の攻撃態勢を整えつつ急戦に来たらすばやく防御に移行できる。

 ○○戦法ではなくシステムと名前が付いているのは、このあたりに由来があります。

 藤井システムは将棋界の振り飛車戦法に革命をもたらすのみならず、将棋の序盤戦略そのものに大きな影響を与えました。

 藤井はこの藤井システムを使い竜王位を奪取。初のタイトルを獲得しました」

 「竜王?」

 「ドラクエではないですよ」

 「そりゃわかるわよ」

 「竜王は将棋のタイトルの一つです。

 将棋は『王将』『王位』『王座』『棋聖』『名人』『竜王』『棋王』の7つの棋戦があります」

 「名人もタイトルの一つなのね」

 「竜王はタイトル戦の中でも一位に位置づけられ名人と同格であるとされています。

 名人位の場合はA級順位戦の優勝者が名人挑戦資格を得るため下位クラスから挑戦することはありません。

 しかし竜王位の場合は女流やアマチュアを含め下位クラスからも挑戦できるため、

 『その年もっとも勢いがある棋士が挑戦者になる』と言われています。

 藤井氏も竜王4組(順位戦はB級2組)から挑戦者になり竜王を奪取することになりました。

 こうした状況に居飛車側の対策もいろいろ考えられました。ミレミアム囲いなどがその代表例です。」

 

 

 「ミレニアムってなんかおめでたそうな名前ね」

 「2000年頃よりプロの間で意識的に指され始めたことにより『ミレニアム』という名前が付きました。

 ほかにも「かまくら」「カマボコ」「トーチカ」などという名前で呼ばれることもあります。

 ただミレミアムは振り飛車の有効手段とはなりませんでした」

 「そなんだ」

 「ミレミアムは手数がかかる割には穴熊ほど固くはないのです。

 そこで振り飛車側が穴熊に囲うという戦法を取るようになったことが大きいようです」

 「防御力勝負で上を行くわけだな」

 「しかし、2006年度頃から再びプロにおける四間飛車の採用率は下がりだします。

 2008年には藤井自身も藤井システムを封印することになりました」

 「なんでまた」

 「藤井システムの研究が進むにつれて、居飛車側が穴熊に組めるようになったんです。

 それを阻止しようと無理をすると急戦にされる・・・。

 居飛車側がひとつでも藤井システムを破る方法を見つければいいのですが、

 藤井システム側は全ての工夫に対処しなければならず対処しきれなくなったというのが原因です」

 「今まで通りできなくなったのね」

 「こうした左美濃や藤井システムのように定跡の研究の進歩により封印されてしまった戦法は数多くあります。

 有名なところでは塚田スペシャルがそうですね」

 

 

 「しかし、消えた戦法がある一方で復活した戦法もあります。

 現在、振り飛車の対穴熊対策として有名なゴキゲン中飛車がそうです」

 「ゴキゲン中飛車ねぇ・・・」

 「なんともご機嫌な名前ね」

 「ゴキゲン中飛車は、いつもにこやかで「ゴキゲン流」と呼ばれた近藤正和氏が考案したことからこの名前が付きました。

 中飛車戦法は守りの戦法と言われ、穴熊を苦手にしていたのですが、それを攻撃的な戦法として採用しました」

 

 

 「近藤はこのゴキゲン中飛車を使い2004年度は8割を越える勝率を記録し勝率第一位賞と連勝賞を受賞しました。

 藤井システムが穴熊をたたき壊す戦法とするなら、ゴキゲン中飛車は穴熊に組ませない戦法でした」

 「どういうこと?」

 「簡単に言うと穴熊にしようとするとその前に闘いが始まってしまうということでしょうか。

 作戦負けになるのでプロでは穴熊になる将棋にはならないようです。

 これもそのうち対策が出るかもしれませんが・・・

 「栄古盛衰ね」

 「江戸時代のころ定跡は名人家の秘蔵であり一般に流布することはありませんでした」

 「虎の巻みたいなもんだからね」

 「しかし現在は定跡の本なども多く出版されています。

 そうした研究しやすい環境になっていることも戦法の発展に繋がっているようです」

 

 

 「今はパソコンがあるから調べるのも楽そうよね」

 「昔はひとりで研究していたのですが、今はグループで研究するようになりました。

 新手を出してもすぐに研究されメールなどで一気に広まってしまうそうです」

 「ネット社会だわね」

 「定跡はほんの1年前の結論が変わってしまうなど日進月歩を続けています。

 藤井システムも新手一発で復活するときがくるかもしれませんね」

 「ふっ・・・やはりみなさん朧飛車を知らないようですね」

 「朧飛車・・・ですか?」

 「なにそれ」

 「将棋の必勝戦法です。

 江戸時代から存在し、あまりの強さに名人でさえも裸で逃げ出すほどの威力であると言われているのですよ」

 「そんな戦法があったらみんな使うでしょ」

 「この戦法を知ったものは・・・


 「など悲惨な末路をだどることになるのです」

 「全体的におかしいから」

 「今回は特別にこの戦法を・・・おっと、こんな時間にお客さんが」

 「なにその死亡フラグは」

 「では今回はこの辺でまた機会があればお会いいたしましょう」

 「む、朧飛車はどうなったんだ?」

 「そんな餌に釣られるなって・・・」

 


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