一時間目

世界史を学ぶ意味

 「はい、それでは授業をはじめます。

世界史を学ぶ前に覚えておいて欲しいことは

人間は昔も今も馬鹿バッカ

ということです。これはあらゆる国の歴史を見ても間違いありません。

問題はどの馬鹿が一番マシか?ということなのです。

何せ人間というのは文明が発達して道具は進歩しても、使う人間の頭の方が道具に追いついていないのですから。

さて、人類の歴史は文字が誕生してからと言われています。つまり今から7000年くらい前ですね

しかし、そんな時代を覚えてもあまり意味がないので一気に飛ばします。

時代はローマ時代からです」

 「はい、先生しつも〜ん!」

 「はい、なんでしょう?」

 「いきなりそんなに飛ばしていいんですか?」

 「問題ないです。できればこの辺もすっ飛ばして19世紀後半からスタートしてもいいと思ってます。

結論から言えば、明治維新以前の歴史などあまり研究する意味はないのです」

 「なんで?」

 「まず第一に「日本人にとって」という条件があります。日本の歴史というのは明治までは本家と元祖で争うラーメン屋のようなもので、結局は内戦ばかり。現代の日本が一枚岩なのだからこれはもはやどうでもいいのです。今の時代、「うちは〜県」「俺は〜県」とか言っていがみ合っている人は少ないでしょう。そーいうのが盛んなのはイタリアあたりです」

 「でも学校じゃそれ以前にも力入れてるわよ」

 「それが問題なんです。学校の勉強は近代というもっとも重要な歴史を放っておいて、それ以前の歴史に力をいれてしまってます。それでは意味がないんです。

歴史で本当に大切なのは第二次世界大戦以降です。

極端な話、7世紀頃のインドの王様の名前なんて覚えて何の意味があるんです? 他にも3世紀頃の王様の名前とか12世紀の貴族の名前とか。

そんなものは本を見ればわかるので意味などないのです。

歴史の勉強が嫌われる理由はこの無意味な単語の暗記にあります。暗記さえすればテストの点が取れる。そんなことでは歴史などただの点取りの教科になってしまいます」

 「じゃあ、何のために学ぶの?だって昔のことでしょ?」

 「とある哲学者はこう言いました。全ての歴史は現代史である、と。

この意味は、21世紀現代の国際紛争などの問題は全て数千年前から続く戦いの延長であるという意味です。

ですがここで終わってはいけません。歴史の学ぶ意味は極論から言えば

祖国防衛

の一言に尽きます。どこからも攻められない。

どこにも攻めなくても飢えず、豊かで平和な暮らしが約束されれば歴史など学ぶ必要はないのです。

ですが、現実問題として21世紀現在でも戦争は起きていますし、日本が安全だといってもそれはたまたま紛争地帯と距離が離れているだけであって、今この記事を読んでいる瞬間にも確実に戦死している人間はいるのです」

 「う〜ん、具体的にはどうして歴史を学ぶと祖国防衛に繋がるの?」

 「いい質問です。英語で言うとナイスクエスチョン

 「いや、それはどーでもいいんだけど・・・・」

 「では、わかりやすくまとめますね」

 

・ あいつらは俺たちを殺したくてウズウズしている!

・ 相手の動機は十分、いつか攻めてくる!

・ ならば俺たちの身は俺たちで守るしかない!

 

 「どうです? わかりやすくありませんか?」

 「これはまた露骨な・・・・・」

 「だよなぁ・・・・・」

 「これによって、国際社会における自国の状況把握が可能になります。

歴史を知っていれば相手が何を考えているか完全ではありませんが、大体わかるようになるものです。

例えば「連中は少し前にこんなことやった!だからまたやるかもしれない」といったようなことが予想できますね。

一度ミスした人はまたするだろう的な考えは読者のみなさんも持っているのではないでしょうか?」

 「それは持っているだろうけど・・・・」

 「さらに歴史というのは敵国の悪口を言うことによって国民の一致団結が期待できます。分かりやすく言うと・・・・

・ あいつらこんなことしてやがる!

・ 確かにこっちも悪くことをしたことがあるのは事実だ!

・ だけどあいつらよりはまだマシだ!

 「そもそも国というのは何なのでしょうか?

国家の定義にはいろいろありますが、そのうちの一説。

国家とは国民の安全と利益と財産を保証する最大級の安全保障機関である

という説を取ってみたいと思います。

自然界は弱肉強食、そしてこれは人間の世界でも同様です。

厳しい自然環境、他の部族とも縄張り争いから人は集団を作り、それは村から国へと昇華していきます。

つまり、国家とは自分たちの安全を確保するために作られたものなのです。

しかし、人間には様々な価値観を持っている人たちがいます。

会社や学校でも価値観の違うもの同士が一緒に何かをするのは難しいですよね?

お互いが主義主張をすればするほど集団とは内部分裂していくものです。

ではそれをずっと大きな集団で保つために必要なことは何か?

それは共通の目的をもつことです。 一つの目標に向かって全体が一つとなる。

敵国の悪口を言うことは愛国心を煽り、国が一つになることを可能にするのです。

国民が一つにまとまり、一つの目標に向かって突き進むことは軍の強さにも比例していきます。

歴史を学ぶことで国民の士気が上がるというわけですね」

 「そーいうものなのかしら?」

 「ではあなたに質問です。親を馬鹿にされたら気分はいいですか?」

 「いいわけないじゃない。普通は怒るわよ」

 「そう、それですよ。つまりですね。自分たちの祖先はあいつらに酷い目に会わされたってことで、みんなが怒ります。つまりこの時点で共通の価値観を持つわけですね

あいつらは敵だ!

って。韓国中国あたりは国策として物凄く日本の悪口言ってますが、あれはこれが目的なんですよ。もっともそれだけじゃないでしょうけど」

 「うーん、歪んでるわねぇ」

 「どこの国でもやってますよ

イギリスの歴史はフランスの悪口で半分埋まってますし、フランスの歴史はイギリスの悪口で半分埋まってます。

ドイツも同様です。ドイツの歴史はイギリス・フランスの悪口で半分以上は埋まっているのです。

ヨーロッパはどこも似たようなものですね。

北欧の場合、特にフィンランドやバルト三国の歴史は八割以上がロシアの悪口という凄まじいことになってます。

なにせ『フィンランドの歴史はスラブとの闘争の歴史』と言い切っていいほどですから。

東アジアも似たようなものです。

特に儒教の影響が強い地域は日本を理屈抜きで下に見る傾向があります。

まぁ、台湾や香港はそれでもマシですが、韓国と中国はどーしようもないですね」

 「台湾や香港も中国じゃないの?同じじゃないの?」

 「ちょっと違います。たしかに悪口を言ってますが、あそこまで酷くありません。

台湾や香港は基本的に頭の中が欧米だからまだマシなのです。

その辺を説明するときにも歴史を語らねばならなりません。

あと残りは祖国への誇りですね」

 「埃?」

 「字が違いますって。つまり分かりやすく言うと

・ 俺たちの先祖は困難を乗り越えた!

・ 俺たちは優れた人間の子孫なんだ!

・ だから俺達は他の連中に負けるわけにはいかない!

 「歪んでるわねぇ」

 「ホント・・・・・」

 「誇りと傲慢は紙一重ですよ。だから難しいんですけどね。とまぁ、誇り高い民族や国家は負けず嫌いになるわけで、やっぱり戦争に強い国家ができるわけです。戦争に強いということは祖国防衛に繋がるでしょう?」

 「そりゃそうだけど・・・・・」

 「ねぇ・・・・・」

 「そーいうもんなのか?」

 「そーいうものだ。俺が戦っていたアフガンの兵士たちも先祖の歴史を大切にしていた。共産主義が宗教を徹底的に弾圧していたという歴史を知っていたからこそ、優秀なゲリラ戦士が多く出現し、ソ連に勝つことができたのだ」

 「まぁ、中東とアメリカはソ連という共通の敵を無くした後で内部分裂してしまいましたけどね。もともと仲が悪かったもの同士が利害が一致している間だけ手を組んでいたわけですから。とりあえず歴史を学ぶ理由は以上です。

では一時間目はこの辺にしましょう。休み時間です」

 

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