☆日露コンテンツ ソフィア先生の日露戦争その6☆


 「ねぇママムッター、なんでボクたちがこんなところにいるの?」

 「そりゃ作者がいい加減やからな。予告編の通り適当に役を振っていったらウチらの出番が無くなって司会進行役と聞き手に回ってきたというだけの話や」

 「でも、本編に出てきてないキャラもいるよ? キャラ設定も確立されてないのに大丈夫なのかなあ?」

 「大丈夫や、本編未登場キャラのほとんどはチョイ役やからな。本編未登場キャラで出番が多いのは長岡外史(ムラサキ)くらいなもんや」

 「なんで私が髭の役なのですか!!」

 「役者が舞台裏に出てきたらあかんで。そのあたりの全ての事は某半島の『細かい事はケンチャナヨ』精神で進めて行くんや」

 「不安だなあ……」

 「さて、始まるで。最初の舞台はだいたい4時間目直後やな」

 

 

明治37年初夏 東京

 

 

山県 「ということで海軍の依頼もあり、第3軍を編成して旅順を攻略する事になりました。ついてはあなたに第3軍の司令官をやってもらいます」

乃木 「自分が、でありますか?」

 「そうです。よろしく頼みます」

 「しかし自分は長く休職中の身であったものでありますし」

 「日清戦争にて旅順を一日で陥落させたのはあなたでしょ。参謀長にはドイツ仕込みで砲兵出身の伊地知君をつけます。」

 「そこまで仰るのでしたらその大任、承ります。プロイセンの騎士道日本の武士道に恥じない戦いを致しますので」

 「期待していますよ」

 

 

戦艦、三笠艦上

 

 

大山 「第3軍は乃木さんか」

児玉 「はっ、希代の武人ではありますが」

 「遼陽での会戦が迫っているのに、三個師団を旅順に向けないといけないとは。児玉さんには苦労をかけます」

東郷 「大山閣下、児玉参謀長、作戦の変更は幾重にもお詫びいたしますが、旅順艦隊とバルチック艦隊が合流したら我が軍は確実に負けます」

 「そうなれば大変だが、まあ大して時間はかかりますまい」

 「だといいのですが」

秋山 「(陸軍は旅順を甘く見すぎている……不安だ)」

 

 

大連市西部、剣山堡塁

 

 

 「またえらくあっさり落ちたもんだな」

伊地知 「前線堡塁の剣山がこの程度なら、要塞本体も大した事が無いのでは?」

 「死傷者一万人程度で落ちるだろう」

大庭 「そんなに出ますかね?」

 「ところで、海軍が重砲の提供を申し出ているそうだが」

 「こちらの野砲で充分だと思い、断ったのですが、どうしてもと言っております」

 「提供を申し出ているものを断る事もあるまい」

 「仕方がありませんな」

 

 

7月下旬 大本営

 

 

 「海軍が『早く旅順を落としてくれ』とやかましいですね・・・」

長岡 「確かに旅順を早く落すにこした事はありません」

 「では、乃木さんに無理押し(強行)させますか。日清戦争のときも一日で落としてますし、旅順は大した事ないでしょう」

 「それはどうでしょうか? セメント20万樽使った金城湯池の要塞という情報も入っています」

 「ではどうしますか?」

 「第3軍の考えている東北部正面攻撃は無謀です。比較的手薄と見られる西北部を攻撃させては如何でしょう」

 「でもそちらからでは旅順は落ちませんよ」

 「要塞そのものを落すのは後回しでも構いません。要するに旅順艦隊を壊滅させればいいのです。海軍の求めている要求はそこにありますから。西北部の203高地を落としてしまえば陸上から旅順艦隊を攻撃できます」

 「では、その策をとらせましょう」

 「現地に伝えます」

 「あー、もしもし、電波割烹着かっぽうぎさん居ます?」

 

 

満州軍総司令部

 

 

 「誰が電波割烹着かっぽうぎですか。陸大同期とはいえ言っていい事と悪い事があります。それにこの時代に無線電話などありません」

 「そんな細かい事を気にしないで下さい。かくかくしかじかで第3軍に行ってきて欲しいんですが」

 「しょうがないですね。行ってきます」

 

 

8月上旬 第3軍司令部

 

 

 「まるまるうまうまで西北部を攻撃するのが大本営の意向です」

 「小細工は嫌いです。正面から攻撃します」

 「嫌いって・・・敵の情勢を見て臨機応変にやるのが作戦でしょう?」

 「戦っているのは我々です。現場の事も知らずに口出しは無用です」

 「何を言ってるんですか!本当に旅順要塞の事がわかっているんですか!?」

 「ぬぅ!!大本営だってわかっていないくせになにをいいますか! 『早く落せ』だの『203高地をやれ』だの、大本営は海軍の代弁者ですか!!」

 「陸海双方の状況を見るのが大本営の役目です」

 「電波割烹着は黙っているニダ! 攻めるのはウリたちニダ! ウリたちに必要なのは下らぬ入れ知恵よりも兵と弾丸ニダ!」

 「とにかく海軍は焦っています。ウラジオ艦隊が日本海を荒らしている事もあり、早く旅順封鎖から解放されたいと」

 「きぃー!!海軍とは現地の連合艦隊と十分に連絡を取っているニダ!海軍はそんなに急いではいないニダ!アイゴー!アイゴー!アイゴー!!!

 

火病中です・・・少々お待ち下さい・・・

 

 

 

 

 

 

 「(やっぱりこの人ハマり役切腹覚悟でコイツを叩っ斬ってやろうかしら……)」

 「やめんか」

 

とりあえず場は収まる

 

 「西北部攻撃は現場の状況とあわないのでやりませんと伝えてください」

 「……かしこまりました」

 

 

 「包囲が完了したという連絡が入りましたが、如何致しましょうか」

 「まず降伏勧告をしてみよう。伊地知さん、山岡熊治少佐を使者として派遣するよう手配してください」

 

 

8月16日、旅順

 

 

コンドラチェンコ 「日本軍ヤポンスキーの使者が到着したようですが、何かあったのですか? 関東軍参謀長のヴィクトル・レイス大佐」

レイス 「予告編の不備を補う説明臭いセリフをありがとうございます。第七師団長にして陸正面防衛司令官のロマン・コンドラチェンコ少将。到着したのは降伏勧告の使者のようです」

 「まさか受諾するんじゃないでしょうね?」

 「いくらなんでもまだ早いでしょう?」

 「ふっふっふ・・・第四師団長及び総予備隊司令官を務めるアレクサンドル・フォーク少将が知ったら何か言うんじゃないですか?」

 「……(笑えない)」

 「フォークがさっさと南山から逃げ出したから、旅順が取り囲まれるわ大連のインフラを無傷で日本軍に渡すわというろくでもない事になるのです!!!」

 

 

同日、旅順司令部内

 

 

ステッセル 「降伏勧告とは無礼ですね返事は不要でしょう」

スミルノフ 「軍事的儀礼があるから、それは拙いんじゃない? 関東軍司令官のアナトリイ・ステッセル中将さん」

 「露土戦争で活躍し『七人の悪魔』(由来は不明)と称された旅順口要塞司令官のコンスタンティン・スミルノフ中将、私は貴方の上官ですよ? なんですかそのタメ口は! 」

 「仕様だからしょうがないでしょ。大体アンタが私に軍権委譲をしないのがおかしいんじゃない」

 「今は非常時です!!

 「非常時だから私が来たんじゃない!!旅順要塞司令官の上に関東軍司令官が居るなんて全く訳わからないわ。全くなんでこのカレーはここに居るのかしら」

 「キーッ! このあーぱー吸血鬼!!

 「二人とも落ち着いてください。それに『あーぱー吸血鬼』は士月さんのパクリですよ。まず、返事をするかどうか決めましょう」

 「そうですね。では返事は出しましょう。でも返答を与える必要はありません。白紙で充分です。あるいは……」

フォーク 「あるいは?」

 「意図が伝わるのなら絵でもいいのでは?(笑)」

 「絵というと?」

 「このクーキシの絵でも送って差し上げましょう(と、拳の合間から親指を突き出す)」

※クーキシとはロシアその他の欧州諸国で相手を侮辱する意味を表す。

 「閣下、そのサインは、日本を始めとする東洋諸国では、あの…、その…」

 「どうしました?」

 「性器または性交をを意味するものと(ぼそぼそ・・・)

 「声が小さくてよく聞こえませんが(笑)」

 「性器または性交を意味するものと聞いております!! 慮外な誤解をするかもしれません」

 「それなら、何を意味するか書き加えておけばよいでしょう」

一同爆笑

 「(笑いを収めて)回答するからには皇帝陛下の軍人としての名誉にかけて礼儀正しい返書を送った方がいいと思うよ」

 「ではそうしましょう。ところで、非戦闘員の退去も求めていますが、どうしますか? 神の名において受諾しても構わないと思いますが、大した数ではありませんし」

 「とんでもない! 引渡し場所は第一線よ、明らかに兵士の志貴士気が落ちるじゃない!!」

 「そうですね。非戦闘員の退去も拒否するべきかと」

 「では、拒否文を何語で起草しましょうか? 勧告文は英語ですから英語で返事を出しますか?」

 「乃木はドイツ、東郷はイギリスに留学したと聞いていますのでフランス語の勉強をさせてあげましょう」

 

 

8月17日、柳樹房・第3軍司令部

 

 

 「やはり断ってきたか。攻撃開始の準備は整っているか?」

 「それが、天候不良のため、まだだと…」

 「仕方が無い、19日に延ばそう」

 

 

翌日、日本軍最前線

 

 

一戸 「もう延期は無いだろうなあ。このままでは雨で体が腐ってしまうぜ。旅順口に行ったら、屋根の下でひと風呂浴びられるぞ」

 

 

 

 

 「と、まあここまでが旅順攻撃のプロローグやな」

 「・・・いろいろ聞きたい事があるけど、まず何で乃木さんが司令官になったの? 本人も言っているように休職してたんでしょ? そんな人を司令にして大丈夫なのかなあ?」

 「まず、長州閥総帥である山県有朋の意向が働いた事は確かやろうな。第1軍の黒木為驍ニ第4軍の野津道貫が薩摩出身、第2軍の奥保鞏は佐幕藩の小倉出身ながらその能力で選ばれた訳やから、長州の軍司令が居た方が藩閥のバランスが取れたという事や」

 「長州閥の軍人で他に適任者は居なかったの?」

 「当時の長州閥の大将クラスは山県が参謀総長、児玉が満州軍総参謀長、桂太郎が首相、寺内正毅が陸相で、他にもおったけど休職や何やで乃木にお鉢が回ってきたんや。日清戦争で旅順を攻略した事もあり、当時としては妥当な人事やろな」

 「ふ〜ん」

 「あと、当時の軍司令官には作戦を立てる能力はさほど求められてなかったんや」

 「ハァ?

 「第1〜4軍の司令官で参謀無しで作戦ができるとされたのは第2軍の奥だけやったんや。作戦は陸軍大学校でメッケル戦術を学んだ参謀が立てれば良く、軍司令官には統率力が求められていたという事やな」

 「統率力って?」

 「この場合は『この人にならついて行ける』と思わせる人徳やな。大山巌満州軍総司令官や東郷平八郎連合艦隊司令長官はそれを十二分に持っていたわけや。乃木司令にもそれがあると思われたわけや」

 「じゃあ参謀長は? 伊地知って人は『坂の上の雲』の影響かもしれないけどえらく評判が悪いよ。『優れた作戦家であるという評判は全く無かった』なんて書かれてるし」

 「伊地知が参謀長に選ばれたのも藩閥や。長州が軍司令なら薩摩が参謀長というわけやな」

 「でもそれって変じゃない? 他の軍参謀長の藩閥出身者って第4軍の上原勇作少将だけだし。それに上原さんは藩閥というより、野津さんの女婿だから野津を押さえるのに丁度いい、という感じで選ばれたようだし」

 「おー、よう勉強しとるな」

 「ま、ボクもこれくらいはね」

 「この場合の藩閥というのは乃木・長州ラインだけではないんや。第3軍は元々海軍の依頼もあって旅順を攻めとる訳や。山本権兵衛がリストラしたとはいえ、当時の海軍首脳は海相の山本、軍令部長の伊東祐亨、軍令部次長の伊集院五郎、連合艦隊司令長官の東郷と皆薩摩出身や。だから薩摩出身の伊地知なら海軍と円滑に行くと思われたわけやな」

 「でも、確か伊地知さんは陸軍大学校を卒業していないんでしょ? 参謀長が務まるとは思えないけどなあ」

 「伊地知は陸軍大学校こそ出とらんが、代わりにドイツに留学しとったんや。メッケルはドイツ人やから『本場仕込み』と思われたわけやな。それにドイツ滞在時代に乃木との知遇を得たから、この点でも最適やったわけや。また砲兵出身やったから、要塞攻略向きと思われたんやな」

 「あれ? 作者は工兵出身の上原の方が要塞攻略に向いていると思ってたんじゃないの?」

 「そりゃ作者の後知恵や。秋山好古が日本騎兵を育てたのは知っとるな?」

 「うん」

 「秋山の騎兵と同様に工兵を育てる役割を担っていたのが上原な訳やが、秋山と違って藩閥の寵児だった上原は工兵に専念できなかったんや。ましてや工兵は江戸時代では『黒鍬者』と呼ばれて足軽以下の存在やったんや。軽く見られてもしゃーないわ」

 「でも工兵は旅順攻略に重要な役割を果たすんでしょ?」

 「それは今後のお楽しみや」

 「結局・・・大本営は旅順を軽く見ていたのかなぁ」

 「それは間違いないやろな」

 「長岡さんは違うみたいだね」

 「それも怪しいで」

 「え!?」

 「作者が読んだ文献それぞれで描写が全く違うからや。公刊戦史も読まずにこんなコンテンツ作ろうとするのが無謀やな」

 「それは言わないお約束でしょ」

 「まぁな。基本的にこのコンテンツのテキストは『坂の上の雲』やが、旅順に関しては児島襄著の『日露戦争』のほうがメインになりそうやな」

 「何で? 乃木無能説を覆すため?」

 「いや、戦闘描写が多いからや。おかげさまで足りない作者の頭の容量がパンクしかけとるで。こっちの本では長岡外史一人が『正面攻撃はいかん。203高地をやれ』と言っとる感じやな」

 「じゃあ児玉さんその他の満州軍司令部はなんて言ってたの?」

 「それも今後のお楽しみや。他に何かあるか?」

 「うーん・・・降伏勧告したけど、何か影響あったのかなぁ?」

 「ロシア軍に『降伏勧告をしてくるのは乃木に攻略する自信が無いからだ』と思われてロシア軍の士気が高揚し、逆効果やったようやな」

 「ダメじゃん」

 「さて、いよいよ総攻撃が始まるで」

 

 

8月19日早朝、第3軍司令部

 

 

 「では伊地知さん、総攻撃を下令して下さい」

 「ウェーハッハッハーかしこまりました!!

 「堰(せき)を切れ!! 戦争の濁流の堰(せき)を切れ!! 諸君!! 目標は旅順全域!!

旅順新市街!! 旧市街!! 東鶏冠山堡塁!! 二龍山堡塁!! 龍眼北方堡塁!! 大狐山!! 小狐山!! 椅子山!! 大案子山!! 小案子山!! 老頭山!! 白銀山!! 水師営!! 望台!! 黄金山!! 一六九高地!! 全て燃やせ

 「参謀長、盤龍山堡塁は?」

 「爆破しろ!! 当然だ 不愉快極まる 欠片も残すな」

 「松樹山堡塁はいかがしますか」

 「燃やせ ロシア軍は皆殺しにしろ 不愉快だ」

津野田 「老虎・溝山堡塁は?」

 「倒せ ロシアの砲兵陣地もだ 冗談の様に」

豊島 「二〇三高地はどうしましょう?」

 「放っておけ、かまうものか。海軍の依頼など聞いていられるか、旅順は陸軍が、我ら第3軍が落すのだ。このベトンを20万樽使用した世界最強の要塞は、今宵、諸君らの晩飯と成り果てるのだ

さあ!!諸君!!

殺したり殺されたり 死んだり死なせたりしよう さあ 乾盃をしよう 宴は遂に 今宵・此の時より開かれたのだ」

 

 

 

乾盃(プロージット)!!

 

 

 

乾盃(プロージット)!!

 

 

 

 「大隊総員 傾注(アハトゥング)!! 諸君 夜が来た 無敵の新兵諸君 最古参の諸将諸君 万願成就の夜が来た 戦争の夜へ ようこそ!!」

 「……今は朝だし。あの人リューシーさん、大丈夫か?」

 「まず砲撃を開始しなさい」

 「どちらの側から攻撃しますか」

 「要塞東北方面です。東鶏冠山堡塁と二龍山堡塁を陥落させてしまえば要塞そのものもすぐ落ちる。間違いない!!

 「了解いたしました(長井秀和はちょっと古くない?)」

 

総計380門の砲が火を噴く。11万発以上の弾が打ち込まれた。

 

 

望台・ロシア軍

 

 

 「日本軍が10発撃つ間にこっちは一発しか撃ってないじゃないですか・・・」

ベールイ 「多くの砲が日本軍に丸見えで沈黙しているから。偽装している砲台は健在よ。残りも夜間に偽装させるわ」

 「わかりました。私は下山します」

 「……ってイリヤスフィール、あなたはトレチャコフの役ではなかったんですか? 何故、砲兵司令官のV・ベールイ少将の役なんです!?」

 「作者がキャラごとにアイコンを割り当てるのが面倒だからだって。トレチャコフの出番は争点が203高地にならないとないから、コンドラチェンコ派の将官の役は全部私がやるみたい」

 「いい加減ですね」

 「それが世界史コンテンツのこの作者の仕様だからしょうがないわ。まぁ出番が多いのはいい事なんだけど。という事で」

ゴルバトフスキー 「閣下。どこにいかれます?」

 「今度は第1旅団長のV・ゴルバトフスキー少将ですか・・・」

 「203高地(ヴイソーカヤ山)です」

ゴルバトフスキー 「何故要塞西北部? 敵の主攻は東北部に指向されていると思うけど?」

 「確かに敵の主目標は東北部です。しかし要塞の弱点は西北部です。特に西北部の最高所である203高地を制圧されたら、我が軍の命運も制圧されます」

 

言いながら馬に乗り、言い終わるやすぐに馬の腹を蹴るコンドラチェンコ

 

 

8月21日 第3軍司令部

 

 

 「フハハハハ、見たまえ、まるで旅順要塞がゴミのようだ」

 「(確かに砲撃の余波で塵は巻き起こってるけどさ……、要塞そのものって潰れたのかしら?)」

 「歩兵攻撃開始だ」

 

 

最前線

 

 

兵士A 「突撃ぃーっ!!

 

ドカーン!!

 

兵士A 「うわっ!? どうした?」

兵士B 「地雷原であります小隊長殿」

兵士A 「銃を猛射して吹き飛ばせ!!」

 

地雷原突破

 

兵士A 「むう、今度は鉄条網か」

兵士B 「あんなもん簡単にぶち壊せるであります」

兵士A 「高圧電流が流れとるかもしれん」

兵士B 「如何致しましょう」

兵士A 「牛を突撃させぃ!!」

兵士B 「牛が怖がって動かんであります!!」

兵士A 「やむをえん。尻尾に火を点けぃ!」

 

牛、鉄条網に突入。感電死

 

兵士A 「やはり高圧電流が流れていたか。どうする」

兵士B 「鉄条網を壊す鋏を絶縁体にするためビール瓶をはめては如何でしょうか」

兵士A 「それでは鋏が使えんではないか」

兵士B 「ではプラスチック爆弾で・・・」

兵士A 「バカモン!時代を間違えておる!」

兵士B 「では・・・」

 

以下迷案珍案が噴出中・・・しばらくお待ち下さい・・・

 

 

 

 

 

 

兵士A 「太い竹に火薬を詰めたものを鉄条網に押し込んで吹き飛ばせ!」

 

鉄条網突破

 

兵士A 「よし!敵は退却したとの情報が入っとる。突撃だーっ!

 

突如堡塁上にロシア兵出現。機関銃猛射

 

兵士A 兵士B 「何?うわ〜っ!!

 

バタバタと倒れる日本兵

 

 

 

第3軍司令部

 

 

 「大変です!前線から次々と攻撃失敗の伝令が!」

 「なんですって!?」

 「ムッキーーーー!!あんな役嫌ニダ、謝罪と賠償を(略 あれほど砲撃を加えたというのに。旅順要塞は化け物ですか!?」

 「むう、どうする?」

 「ここで攻撃の手を緩めるのは愚策です。こちらも苦しければ敵も苦しいはず。後一押しを」

 「そうだな。まず盤龍山に攻撃を集中させろ」

 

確かにロシア軍も苦境に陥っていた。

 

ゴルバトフスキー 「戦勢は急を告げているわ! 特に盤龍山が危機よ! 援軍をお願い!!」

 「これはまずいわね。すぐにフォークに予備隊を派遣するよう指示しなさい」

 「命令は承りました。しかし我が予備軍は終日敵の砲撃を受けています。日本軍の夜襲があるかもしれないので予備隊を残した方がいいと思います」

 「あの三流魔術師め。手持ちの兵がなくなって仕事がなくなるのを恐れているんだわ。まあいい、一度『命令を承りました』といった以上はやるはずだしね。後の部分はあくまでも意見ということで、上官の私が採用しないから却下」

 

引き続き盤龍山で激戦、しかしフォークは部隊を派遣しない

 

 「何ですって! フォークあのバカはまだ部隊を派遣してないの!? さっさと派遣させなさい!!」

 「仕方ない。出すか(市街を守るのに予備隊は必要なはずなんだけどね…)」

 

そしてステッセルが全軍に布告を出した。

 

 「捕虜によれば、日本軍の最後の予備隊1万が到着したそうです。我々は既に5倍の敵に対して頑強に抵抗しています。もっと頑張って予備隊も撃滅させましょう!!」

 

しかしステッセルの布告は評判が悪かった。敵に増援軍があることを告げただけで味方には何もないといっているだけなのだから当然だろう。もっとも日本軍増援は誤報である。

 

そのころ第3軍司令部では夜襲を計画していた

 

 「何とかして今日の夜襲で要塞東北部を突破せねば・・・」

 「兵の損害と砲弾の不足が翌日以降の攻撃を不可能としています」

 「全滅を賭して、独力で攻撃すべし」

 

 

8月22日 

 

 

 「夜襲失敗の伝令が!」

 「えぇい!!

 「(赤○彗星のパクリが多いのは気のせいかしら?)」

 「どうする?」

 「砲弾が足りない以上、前日までの陣地に退却させて他の策を練りましょう」

 

大庭、津野田ら他の幕僚も無言で賛成の意を示す

 

 「しばらく攻撃を中止して旧陣地へ退却しろ」

 

しかし夜間以上に日中の退却は危険である、それにここで攻撃を止めたら死んでいった兵が無駄死にだという考え方が前線では強かった。

 

 

旅順要塞内 ステッセルとスミルノフが朝食中

 

 

 「盤龍山は危機です。他の堡塁の損害も大きいです。しかも日本軍は無限に兵力を投入してくるかのようです。スミルノフ中将、何か対策はありますか?」

 

不意にフォークが乱入

 

 「ステッセル閣下、ゴルバトフスキーは反逆者であります!!

 「ハァ?」

 「ゴルバトフスキーは予備兵力を無意味に前線に配置し、全滅させようとしています。予備がなくなれば我々は日本軍に降伏せざるを得ません。故にゴルバトフスキーは反逆者です」

 「(静かに)ゴルバトフスキーは反逆者ではないわ。この3昼夜の勇戦がそれを証明しているもの。彼なら必ず反撃の機会をつかみ、その時に与えられた予備兵力を有効に活用する事間違いなしよ」

 「(フォークに向き直り、人差し指を突きつけて)貴官に言うっ! 貴官は私の命令に従う意志がないのではないか!! 貴官は私の(予備兵力派遣)命令を受けながら反対意見を書いて時間を浪費した。二度と私の命令を聞く必要は無いっ!!」

 

事実上の総予備隊司令官解任命令であり、以降フォークは職責を与えられず、ステッセルの顧問役となる。怒声を受けて退席したフォークの変わりにゴルバトフスキーよりの伝令が到着。

 

伝令 「伝令〜日本軍を撃退した。日本軍の攻撃は緩慢である。ゆえにこの機会に守備隊を休息させたい」

 「見なさい、ゴルバトフスキーこそ勇者じゃないの。見事日本軍を撃退しているわ」

 

と、フォークが出て行った扉をいまいましげに睨み付ける

 

 「それでは日本軍は当分攻撃してきませんね」

 「いや、今晩乃至明日に最後の攻撃を仕掛けてくるに決まっているわ。ゴルバトフスキーに命令『守兵の休養は許可する』と。盤龍山周辺の予備隊にも休養を与えなさい。日本軍がどこに来ても撃退してみせる。」

 「旅順要塞を攻撃した責任、取ってもらうんだから」

 「(いきなりこのネタ王道を出すあたりに作者の限界が見えてきますね…)」

 

スミルノフの予想通り日本軍は攻撃をあきらめていなかった。前線に屍は累積し、食料は無い。飲料水も無い。足元の水溜りは泥と血が混じっている。それでも8月の戦場は暑く、その水を飲む兵もいた。

 

一戸兵衛の部下の将校 「くそ!このままあきらめられるか!何かできることは無いか?」

工兵将校 「敵の機銃座と掩蔽部、塹壕の一部を吹き飛ばす事はできる。その様子で突っ込むかどうか決めたらどうだ?」

一戸兵衛の部下の将校 「よし!それだ!食らえ!ゲキガンシューーーート!!!

特別出演 「バカばっか・・・」

 

見事、盤龍山東堡塁の急所を吹き飛ばす事に成功。
午前11時に盤龍山東堡塁に日章旗が翻った。

 

 

 「おおっ、軍旗も見えるぞ。すぐ行け、戦友を見殺しにするな」

 

一戸自身も幕僚とともに盤龍山東堡塁に出発。

 

 

第3軍司令部

 

 

第9師団参謀長 「いささか敵を甘く見すぎました」

第11師団参謀長 「砲兵弾薬の蓄積と重砲の活用に注意を払うべきです」

 「東北方面の正面攻撃はできるのですか? どうですか!?」

 「伝令〜っ

 「今度は何ですか?」

 「一戸旅団長より、盤龍山東堡塁に突入したとの報が入りました!!」

 「おお、やりましたか!」

 「日章旗だけでなく軍旗も翻ったそうです」

 「一戸旅団長が敵の反撃に備えるため、援軍を要請しています」

 「勝敗の決定は一瞬にあるというが、まさに至言だ。敵に油断があるかどうかはわからない。しかしこの喜ばしい事は我が軍の不屈の継戦の賜物である」

 「ここが総攻撃の急所だ。可能な限りの戦力を盤龍山に叩き込め!!

 

つまりは一度中止した強襲作戦の継続命令である。
ところが両軍ともすぐ盤龍山東堡塁に援軍を送れる余裕が無い。

 

 

盤龍山東堡塁

 

 

 「ご苦労だが、戦友に弾丸を送るものはいないか」

 

すぐに幾人かの負傷兵が集まり、戦死者の弾薬盒を探って運び始めた

 

 「有難い。有難い」

 

以下激闘が続くもついに22日午後4時、盤龍山東堡塁が陥落した。

 

(顔を感涙で濡らしつつ)「バンザイ」

 

続いては盤龍山西堡塁の攻略戦である。こちらも激戦の末午後7時に陥落した。

 

 

第3軍司令部

 

 

 「勝機は正に至った」

 「これで勝ちました。つきましては盤龍山の確保のために望台の占領が必要です。望台が占領できれば周囲のロシア陣地を全て見下ろせますが、逆に望台を確保されるとこちらが見下ろされてしまいます」

 

だが、連日の激闘によって戦力が限界に達してきていた。少なくとも望台攻撃は夜半――すなわち23日を迎えてからのことになる。

 

 

盤龍山東堡塁

 

 

 「この兵力ではとても攻撃できない。とりあえず防御工事を進めるしかないな」

 

 

望台南方、ロシア軍東北方面司令部

 

 

 「日本軍も中々やりますね〜」

 「望台を占領されては旅順は終わりです。望台を守れれば旅順も守れます。この際はむしろ逆襲して、盤龍山の日本軍を駆逐すべきです」

ゴルバトフスキー 「逆襲ね…。私の部下の将兵は疲労して士気が低下しているのだけど。無理じゃないかな」

 「敵はもっと疲れています。その証拠に、日本軍陣地から聞こえるのは守勢を意味する土木工事の音だけです。援軍を用意するので反撃の準備をしなさい」

 

 

8月23日未明・旅順要塞司令部

 

 

 「閣下、今夜を逃せば盤龍山の回復は不可能なものになってしまいます。是非とも夜襲の許可を」

 「成算はあるの?」

 「勿論」

 「ハラショー。やりなさい」

 

だが、伝令が夜のため道に迷ってしまい伝達が遅れ、また、ゴルバトフスキーも連日の疲労が溜まり睡眠状態で意識朦朧。連絡がうまくいかずこの夜襲は失敗に終わった。

 

――そして、第一次旅順総攻撃の最高潮ともいうべき、望台攻撃へと向かうのだが――。

 

8月24日未明の望台に対する夜襲、これを受けてのロシア側の感想
「日本軍の歩兵は突撃を企てしも、或いは弾丸を受け、或いは白刃に斃れ、一も成功せず」

 

 「・・・つまりどういうこと?」

 「日本軍が突撃して薙ぎ倒されたという話や」

 「ダメじゃん」

 

 

8月24日午前8時 第3軍司令部

 

 

第9師団師団長大島久直中将よりの連絡
伝令 「我々を射撃する堡塁、砲台を制圧し、且つ新たな増兵を得れば随時敵堡塁を占領する事も可能」

 「これをどう見る?」

 「これは明らかに無いものねだりです。攻撃中止の意思表示では?」

 「いや、今一息だからこそ強襲続行の意志を主張したものでしょう。ここで攻撃を中止するのは無意味です。何としても望台を奪って戦勢を支配すべきです」

 「よし、攻撃続行だ」

 

大島中将には攻撃中止の意志などなかった。――少なくともこの時点では

 

 

最前線

 

 

兵士A 「なんじゃこりゃ、機関銃の猛射が凄いじゃないか」

兵士B 「頭も上げられないね」

兵士A 「こんな状況じゃ盤龍山にだって戻れない。何も出来ないぜ」

 

 

午後一時 日本軍砲兵陣地

 

 

 「弾が無いわ。10分以上の砲撃は無理よ」

 

 

最前線より師団司令部への伝令
伝令 「4昼夜の激戦で兵も疲労の限界に達している。最後の突撃も出来ないのが遺憾だ」

 

各師団より第3軍司令部への伝令
伝令 「事ここに至る。最早、攻撃を強制するに能わず」

 

 

午後3時半 第3軍司令部

 

 

 「……というような連絡が各師団から入りましたが、如何致しますか」

 「翌日に撃つ弾が一発もありません。ここは攻撃を中止して再挙を図るべきです」

 「ここまでですか」

 

 

午後4時

 

 

 「むう、強襲を中止する。各師団は目下占領している陣地を堅固に守備し、後命を待て」

 

――第1回旅順総攻撃の挫折である。ところが――

 

 

盤龍山東堡塁

 

 

 「中止だって、冗談じゃない。機は熟しているんだ!!」

 

 

一戸、第9師団司令部を訪ねる

 

 

 「今一度の突撃にて事は成ります」

大島 「そうだな、取れるべきなら取るべきだ」

 

大島、第11師団と第3軍司令部に相談・・・しかし・・・

 

山中信義少将第11師団長代理(土屋光春師団長は高熱を発しダウン状態)
山中 「第一線は戦意を失っています」

 

さらに第3軍司令部より伝令

伝令 「中止命令を実行せよ」

 

 「余裕がなければ仕方がない。あと2連隊あれば落とせるというのに・・・」

 

 

 

 

 「これで第一次旅順総攻撃は幕を閉じたわけやな」

 「質問〜」

 「何や?」

 「乃木さんは何で西北部攻撃を拒否したの?

 「攻略を急がされた現状で西北部をやるのは無理やったんや。攻撃前には砲撃用の陣地を作らなあかんが、それは東北部攻撃の為の陣地になっとったんや。これを西北部に変えるのは時間がかかって無理やな」

 「だから東北部を攻撃したんだ」

 「そうや」

 「それで歩兵突撃前に2日間も砲撃をしていたんでしょ?」

 「そうや。12万発近く撃ったで。奉天会戦のときで13万発やから、たいしたもんや」

 「その割にはあまり効果が無かったみたいだね・・・」

 「それはやな、まず砲弾の半分以上が榴散弾と呼ばれる砲で要塞には効果が無かったんや」

 「榴散弾って何?」

 「弾の中に大量のちっこい弾丸を入れ、爆発の時にそれが飛び散るようにしたものや。対人攻撃には有効やな」

 「流行の言葉でいうとクラスター爆弾?」

 「流行かどうかは措いて、例えとしてはそうやな。勿論要塞内にこもった兵を傷つける事も出来んで。あとな、半分以上の砲が口径75mmの小砲だったり旧式だったりで役立たずやったんや」

 「何でそんな砲で戦ったの?」

 「情けない話やが、実戦まで『この砲では近代要塞には通用しない』ということがわからなかったんや」

 「ダメじゃん」

 「そうや、だからこの原因は参謀本部や陸軍省が負うものであって、第3軍司令部の責任ではないという事やな」

 「確かに上を読んでいる限りでは第1次総攻撃で特に乃木さんや伊地知さんに落ち度があったようには思えないね」

 「そうやな。ただし、開戦前に参謀本部作戦部長や野戦砲兵監の職にあった伊地知には責任があったと言えるで」

 「何もないと思ったらこんなところで貶されるなんて謝罪と賠償を要求するニダ!

 「何? 今の」

 「ほっとき。あーゆーのはソフィアちゃんに任しとけばいいんや」

 「無視するなニダーッ!

 「あーあ、泣いて帰っちゃったよ」

 「五月蝿うのうてちょうどええで。結局のところ、第1次旅順総攻撃の失敗は大本営そのものが旅順を甘く見て準備不足だったということやな」

 「ふ〜ん」

 「もっとも、後知恵でいえば開戦直後に陸軍が旅順を攻めていればもっと早く落ちたかもしれんがな」

 「どういうこと?」

 「開戦から総攻撃までの半年間で旅順の防備が段違いに固められたんや。これを指揮したのが工兵出身のコンドラチェンコや」

 「でも、開戦直後に陸軍が旅順を攻める事なんてできるの?」

 「まず無理やろな。制海権云々で」

 「あまり意味の無い後知恵だね」

 「ま、コンドラチェンコの功績を紹介する一つの話や」

 「ところで海軍は焦ってたようだけど、バルチック艦隊がいつ来ると思ってたのかな」

 「わからん」

 「ハァ?」

 「情報が錯綜していて滅茶苦茶やったんや。一番早い説で10月に日本海来航。これだとすぐに旅順が落ちても連合艦隊が準備を整えるまでギリギリやな。実際はバルチック艦隊が本国を出港したのが10月15日やがな」

 「じゃあ、海軍の焦りが第3軍に強攻をさせたってわけ?」

 「まあ平たく言えばそうなるな。海軍というよりその意向を受けた大本営(海陸合同)やな」

 「じゃあ乃木さんは結構優秀な指揮官だったんだ」

 「それはどうやろな?」

 「え?」

 「その件に関しては第2回総攻撃以降を見ていただくという事になるわな」

 「あれ?もう終わり?」

 「十分長かったと思うで。作者に纏める力が無いから」

 「まあそうだね」

 「作者のアカンところは、旅順を放って遼陽をやろうとしているところや」

 「時系列としては間違ってないんじゃないの?」

 「アカン!! このままでは年内に旅順が落ちへん」
       ※現在04’12/19(^^;;;

 「そんなの元々無理に決まってるじゃん。作者には児玉源太郎の智謀もなければ28cm榴弾砲の威力も無いんだよ」

 「だったらこんなコンテンツ作らなければええんや」

 「さりげなく僕たちの存在を否定すること言ってない?」

 「大丈夫や。本家があるからな」

 「まあそうだね。という事で次回は?」

 「第2次総攻撃か遼陽会戦であることは間違いないな」

 「いつになるかわからないけど、楽しみに待っててね」

次回へ続く


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