☆日露コンテンツ ソフィア先生の日露戦争その6−2☆


 

 

 

 「ねぇママ。前回では紹介されてなかったけど、第1回総攻撃での両軍の被害はどのくらいだったの?」

 「作者がうっかり紹介するのを忘れてたのに気づいて青ざめた事やな。次の通りや。

 「凄い違いだね……」

 「死傷者が一万六千人というのは一個師団が壊滅したのと同じや。日本軍の損害率は3割やから全滅に等しい損害やな」

 「何で3割なのに全滅なの?」

 「その辺はJSF閣下の日記 週刊オブイェクト 全滅の基準とは? で詳しくやっとる。東北部正面を攻撃した部隊では損害率が5〜9割やから壊滅を通り越して殲滅に近いくらいやな」

 「それでも戦術を変えずに無謀な突撃を繰り返したっていうイメージがあるみたいだけど、そうなの?」

 「それを今から見ていこうか」

 

 

 

8月25日(第1回総攻撃中止の翌日)

 

 

東郷 「貴軍の勇猛な激戦を掩護するために12cm砲を4門提供したい」

乃木 「ありがたくお受けする」

大山 「必要とあらば第2軍に編入予定の旅団を増兵するが」

 「それは必要ないです」

大山 「何故だ?」

 「1個旅団の増加を得ても今すぐ旅順は落せません。今後は1つ1つ敵堡塁を潰す正攻法を採りますが、それには9月上旬に到着する補充兵1万があれば十分です。その旅団は遼陽のほうで使用してください」

 

 

 

 「へー乃木さんに余裕があるみたいだね」

 「そうでもないんやがな」

 「どういうこと?」

 「あくまでも総攻撃を中止しただけで散発的な戦闘は起こっとる。特に日本軍が占領した盤龍山東西堡塁には周囲のロシア堡塁からの射撃が集中してろくに陣地も作れん。やむなく屍体を遮蔽物にして陣地を作ったんや」

 「うわぁ……

 「特に夏やから屍臭がひどくてたまらん。従軍した日野信次三等軍医によるとやな…」

日野 「壕内の天井には鉄道の枕木が並び、その上に屍体が積まれている。1日目は何ともない。2日目は臭い。それだけなら良いが3日目になると蛆虫が涌いてきた。寝ていると顔の上に落ちてくる。線香を焚いて臭いは緩和できたが蛆はどうにもならない。枕木に新聞紙を貼り付けるとゴソゴソする音が聞こえてくる。戦友の屍体が食われている音だと思うとやるせない」

 「吐き気がしてきたんだけど」

 「まだ甘いで」

 「よくママは大丈夫だね」

 「そりゃウチも軍医やからな」

日野 「ふむ、たしかにこれは惨いな・・・では興味のある人は反転して読んでもらおう
26日に屍体の埋葬を行なった。ロシア側の警戒銃撃に見舞われる可能性があるとはいえ、壕内に居るよりはマシだ。屍体に近寄るとハエが一斉に飛び立つ。屍体は夏の日を浴びて膨張、腐敗しておりボタン一つ外すのですら容易ではない。認識票を探したり所持品を調べるのは不可能だ。顔や頭をつかむと蛆の為にヌルヌル滑る。何とか埋葬が終わって読経が始まると急に大雨が降ってきた。壕の新聞紙天井は崩れ、蛆が降ってくる。麓から運ばれる握り飯はボロボロになって崩れ、ただでさえ泥水に近い飲料水はますます汚濁する。壕内に便所は無く、用便は外で済ませていた。兵は顔も手も洗わず埃まみれで糞便と屍体の腐汁を含む汚水が大量に流れてきたため、忽ち陣地で大腸カタルが流行する。罹病した将兵は岩陰で排泄するが病菌は手にも衣服にも付着したままなので伝染範囲は広がるばかりだ。不衛生不潔の極点であり、盤龍山戦両直後の守備くらい私の人生で印象に残っている事は無い」

 「・・・読者の方の大半がグロすぎて途中で読むのを止めたと思うけど」

 「そうやな。ソフィアとジクルトの趣味がアレでもここまではやらんからな」

 「ソフィアおばさんとジクルトさんの趣味って?」

 「おっと、子どもには関係ないことや」

 「えー、教えてよ」

 「知りたければドイツ人と名乗ってスターリングラードのロシア陣地に行ってくるか?」

 「((;゚Д゚)ガクガクブルブル

 「ま、おいおいわかることや。わからんでもいい事やがな」

 「黙って聞いていれば、貴様、実の娘に何を吹き込んでいる!

 「だから役者が舞台裏に来るなっちゅーねん。ほら、とっとと戻った戻った」

 「ママとソフィアおばさんて仲がいいのか悪いのかわからないなあ……」

 「舞台は変わってロシア軍に移るで」

 

 

旅順、ロシア軍司令部

 

 

ステッセル 「敵の損害が1万5千で、こちらの損害はその1割ですか。収支決算としては悪くありませんね」

レイス 「敵の砲弾が尽きかけているのでしょう。東鶏冠山ザリーテルナヤ砲台方面の敵砲火が激減しています」

 「もう2回も攻撃したら乃木の兵力はゼロに近くなるわけですか。よし、このまま専守防衛に徹しましょう

スミルノフ 「占領された盤龍山東堡塁キタイスカーヤ旧式多面堡盤龍山西堡塁ザレドゥートナヤ砲台を奪回して、日本軍の攻撃準備を阻止するための攻勢防御を図るべきよ」

 「その手の攻撃は、今後あらゆる場合において事前に私の承諾を得てからにしなさい

 

場が白ける

 

E・ノイネ(ノーウィ・クライ紙記者でスミルノフ、コンドラチェンコ派)
 「・・・これでは旅順の命運も尽きます。皇帝に接触できるペテルブルクの友人に電報を送りましょう」

 

 「旅順はスミルノフとその補佐官コンドラチェンコの努力によってのみ保持できています。ステッセルの解任が必要だと皇帝に伝えてください」

 

だがこの電報は届かなかった。そして後日。

 

 

 「ノーウィ・クライ紙のニュースは誰が執筆しているのですか?」

ノイネ 「(私が執筆責任者のは周知のはずですが…どういう意味?)時と場合によって異なります」

 「では貴方は何をしているのです?」

ノイネ 「取材と資料集めですが」

 「真実だけを書きますか?」

ノイネ 「当然です」

 「アハハ。記者は皆さん嘘吐きですね。金を多く払ったものだけが『記者』に真実を書いてもらえるのですよ」

ノイネ 「私は戦後、真実のみを書きます。何故か? それは二度と旅順の過ちを繰り返させないためです」

スミルノフ 「ククク。さ、ノイネ、行こう」

 

後日、ノーウィ・クライ紙は1ヶ月間の発行停止処分を受ける。理由は機密事項の再三に渡る報道。

 

ノイネ 「ちっ、理由は建前で恐らくは先の解任電報に対する報復でしょうね」

コンドラチェンコ 「ステッセルはクロパトキンを待っているのです。しかもクロパトキンが乃木と戦って、自分は戦わずにすむと思っているのです。戦わぬ軍隊は敵に勝利を与えるだけだというのに」

 

 

第3軍司令部

 

 

 「あれ?なんであんたがここにいるんだ?」

 「本当はここにいるのは秋山じゃなくて別の参謀なんだけど、分けるのが面倒だから同じ参謀という事で」

秋山 「東郷閣下に伝言があれば承ります」

 「突撃は失敗しました。無理攻めは出来ないから正攻法で行きます。海軍の事で意見を言うのはどうかと思いますが、敵に悟られぬように1、2隻ずつ佐世保に戻して修理を施して、バルチック艦隊に備えられてはどうでしょう」

 「閣下の見込みではいつ頃旅順は陥落しそうですか?」

 「さぁ…とても10日や20日では陥落しそうにありません。正直見通しも立ちません」

 

 

戦艦三笠上

 

 

 「かくかくしかじかのことを乃木閣下は仰ってました」

島村 「どうも、いくさだから仕方がない」

 「かくかくしかじかのことを乃木閣下は仰ってました」

東郷 「どうも、いくさだから仕方がない」

 「(言うことが全く同じだ…)乃木閣下が艦艇修理についてまるまるうまうまと言っておりましたが」

 「ふっ、このままさ」(即答)

 

 

第3軍司令部

 

 

 「力押しは無理だ。坑道を掘って一塁ずつ落す正攻法で行きたいと思う」

大庭 「しかしそれだと時間がかかりすぎますが…」

伊地知 「いつまでもというわけにはいきません。海軍の要望もしつこいですありますから、少なくともロシア艦隊を俯瞰できる要地を確保する必要があります」

津野田 「となると目標は望台か二〇三高地くらいね…」

 「第一師団に二〇三高地付近の諸堡塁及び水師営各堡塁、第九師団は龍眼北堡塁(水師営の南東)及び盤龍山北方堡塁、第十一師団は東鶏冠山堡塁を攻撃させよう。攻撃用の坑道はいつ頃完成する?」

大庭 「9月17、18日くらいでしょう」

 「電報〜

 「何です?」

 「大本営の長岡参謀次長から参謀長宛ての電報よ」

 「何でしょう……」

 

 

大本営

 

 

山県 「一個師団が壊滅……旅順がこんなに堅い要塞だったとは……」

長岡 「やはり東北正面の攻撃は無謀でした」

 「現地は『一塁ずつ落す』という正攻法を採用する様子ですね」

 「前回よりはマシでしょうが、それでは海軍の期待に応えられません」

 「でも現地は第3軍司令部も満州軍総司令部も自信があるみたいですよ」

 「絶対ダメです

 「ではどうしましょうか」

 

 「ふはははははは」

 

 「なんです? あの笑い声は?」

 「あまり想像しないほうがいいかと……」

有坂 「銀の翼に望みを乗せて! 灯せ平和の青信号! 九品仏大志有坂成章 定刻通りにただ今参上!

 「意味もわからないくせに本家のセリフを丸々パクらないで下さい」

 「同志山県! 同志長岡! お困りのようだな!!

 「上官に向かって『同志』とは何ですか!!」

 「笑止! 身分上下の差に関わらず"同志"と呼ぶのは、基本ではないか! そんなことも忘れてしまったのか、タワケものっ!」

 「総統閣下、誠に申し訳ありません」

 「で、何しに来たんです?」

 「知れたこと、旅順要塞に苦戦しているようだな。今の状況では絶対に陥落せんぞ」

 「そんな事はわかってます。何かいい作戦でもあるんですか?」

 「作戦じゃない。我輩には作戦の事はわからない」

 「じゃあ何しに来たんですか!」

 「我輩が言っているのは大砲の事だ。今旅順にある大砲じゃ絶対に落ちないぞ」

 「冗談じゃありません。何のために砲兵科出身の伊地知や豊島をつけたと思っているんですか」

 「あー、あやつらはダメだ。砲兵科出身のくせに自軍にあるバンカーバスターの存在すら知らん。それを送ってやろうではないか。要塞をぶち壊すにはバンカーバスター、これは最早常識だ!!

 「……そんな常識いつ出来たんですか」

 「それ以前にこの時代にそんなものありませんよ」

 「東京湾沿岸に備え付けられた28cm榴弾砲なら旅順要塞のベトンも砕く事ができる。28cm榴弾砲、あれこそまさに『20世紀初頭のバンカーバスター』なのだ! 沿岸防衛を受け持つのに徹甲弾ではなくて榴弾を撃ち出すことを考えてもまさしく、  ドイツのぉ科学力はぁ世界一ィィィ!! できんことはァァァ(略)

 「ひょっとして作者はこのセリフを言わせたいが為に彼を有坂役にしたんですか?」

 「可能性は高いと思います」

 「遺族に謝罪と賠償を請求されても知りませんよ」

 「『細かい事はケンチャナヨ』が作者の仕様ですから」

 「それに28cm砲は日本製ですよ」

 「原案はイタリアですけどね」

 「……イタリア……」

 「だ、大丈夫ですよ『イタリア軍』ではありませんから。イタリアが負けたのは兵器の質ではなくて兵そのものの質です。兵の質なら我が大日本帝国は世界最強です」

 「そうですよね、ところで、彼も言ってましたけど、沿岸防衛という事は対艦用と思われるのに何故徹甲弾ではなくて榴弾を撃つ砲なんでしょうね? 上陸した陸軍を吹き飛ばす砲ですか?」

 「まさか。水際撃滅が防衛戦での最上策で、上陸させては敗北も同様です」

 「では何故?」

 「恐らくですが、当時の軍事常識の『徹甲弾は戦艦の防御装甲を貫けない』というのが原因ではないでしょうか。  一例をあげると黄海海戦でのロシア旗艦・ツェザレウィッチは戦艦の主砲である30cm砲弾を15発も受けながら致命傷は負いませんでしたから。  どうせ貫けないなら当たれば破裂する榴弾を使って、甲板上の人的損害を狙ったものではないか・・・と言うのが作者殿の見解です」

 「なるほど、日清戦争の戦訓をみて、当たらずとも遠からずと言えそうですね」

 「ところで我輩の提案は受け入れられるのかな?」

 「あれを外して沿岸防衛は大丈夫でしょうか?」

 「旅順要塞の為に日本そのものが滅びかけている。今更沿岸防衛でもあるまい」

 「いずれにせよ随分奇抜な案ですね。閣下、いかが致しましょう」

 「中の人に不安がありますが、大砲に関して有坂の言う事なら間違いありません。すぐに手配しなさい」

 「中の人などいなーーーーーい!!

 「もうこのパターンは飽きました」

 「私はけっこう好きですよ」

 「とりあえず第3軍に電報を打ちますね」

 

 

 「攻城用として28cm榴弾砲4門を送ります。9月15日頃そちらに着くでしょう。砲弾は一門あたり400発です」

 

 

第3軍司令部

 

 

 「豊島さん、どう思います?」

豊島 「とても次回の攻撃に間に合わないわよ。台座のベトンが乾くだけでも1〜2ヵ月はかかるわ」

 「(そこまでかかりますかね…)じゃあそう返事しておきましょう」

 

 「送るに及ばず」

 

 

大本営

 

 

 「何かこんなそっけない電報が返ってきましたけど?」

 「問題ない。設置には1ヶ月もかからん」

 

 

 「不用になっても送る」

 

 

対しての電報

 

 

 「わかりました。次の攻撃まで待てませんが、今後のために送ってください」

 

 

 

 「港内の艦船を撃つのには役立つかもしれませんね…」

 

結局2門追加され、6門28cm榴弾砲が旅順に送られた。最終的には18門にいたる。そして9月19日に予定される総攻撃の準備に取り掛かった。

 

 

旅順

 

 

コンドラチェンコ 「日本軍が坑道を掘っていますね…、私の副官にあたるエフゲニイ・ナウメンコ中佐」

ナウメンコ 「地上での出撃が許可されないのであれば、地下の出撃は如何でしょう」

 「ああ!流石私のマスター♪名案です。こっそりやれば敵にもステッセルにも気づかれません♪」

スミルノフ 「(劇中でラブラブできてうらやましいかぎりだわ)少数兵の偵察は認められてるから、たまたま同一方向に出発した偵察隊が合流したようにすればよいわよ」

 

こうした小競り合いが続き、総攻撃を明日に控えた9月18日、遼陽から来た児玉総参謀長が第3軍司令部に現れる。

 

 

第3軍司令部

 

 

児玉 「次の作戦は?」

 「ロシア軍艦を砲撃するために二〇三高地を主目標にします

 「別に問題はなさそうだ」

 

 

9月19日

 

 

 

 

 

 「第一師団は二〇三高地付近の諸堡塁及び水師営各堡塁、第九師団は龍眼北方堡塁を攻撃せよ。第十一師団は前面の敵を牽制すべし」

津野田 「あれ? 8月31日の予定と微妙に異なってない?」

 「それは坑道の掘進事情と補充兵の一部が未到着のことによるものだ」

 

激戦の末、水師営各堡塁、龍眼北堡塁は20日に陥落する。

 

 「間もなく二〇三高地も陥落するでしょう。これで海軍に対して面目が保てます」

 

 

二〇三高地

 

 

松村務本第一師団長
松村 「歩兵隊は突撃、砲兵隊は掩護砲撃せよ!

日本軍前線部隊 「俺のこの手が真っ赤に燃えるぅ(略

ロシア軍 「ふはははは、甘い、甘いぞドモン!」

 

 

……只今激闘中です。しばらくお待ちください。

 

 

 

 

21日

 

 

前線部隊 「突撃隊の3分の2を失った、援軍を頼む」

 「すぐに派遣しろ!

前線部隊 「ダメです。日没まで動けません」

 「この馬鹿弟子がぁぁぁ!!

前線部隊 「無茶言わんでくれよ……」

 

 

ロシア軍司令部

 

 

スミルノフ 「第一地区司令官のM・ナディン少将、二〇三高地に援軍を派遣して」

ナディン 「わかりました」

 

 

二〇三高地

 

 

コンドラチェンコ 「スミルノフ中将が援軍派遣を決めました。如何なることがあっても二〇三高地を死守しなさい!

トレチャコフ 「了解。ところで援軍はいつ来るの?」

 「今夜中には…」

トレチャコフ 「来る前に攻撃を受けたらおしまいね。既に日本軍は足場を確保しているわ。事態は絶望的よ」

 

 

22日午前1時

 

 

日本軍前線部隊 「夜襲の準備が整った。突撃だ」

トレチャコフ 「うわ、来たわよ・・・ダメね。閣下、守備は困難よ」

 「最後までたたか……あ! 来ました!」

トレチャコフ 「何?」

 「援軍です」

ナディン 「間に合いました。日本軍を砲撃しなさい!」

 

 

午前5時

 

 

日本軍前線部隊 「くそ、退却だ」

トレチャコフ 「敵の進路は単一だから昼間の攻撃はありえない。当面の危機は去ったみたい」

 

 

昼間

 

 

松村 「二〇三高地の攻略は不可能なのか? もう一押しさせる」

日本軍前線部隊 「攻撃了解」

スミルノフ 「二〇三高地に向かってくる日本軍を砲撃せよ」

日本軍前線部隊 「こりゃダメだ」

松村 「退却しろ。軍司令官(乃木)に電報を打て」

 

 

9月23日午前4時、第一師団退却完了

 

 

 「と、これが9月の旅順攻撃の様子やな」

 「第2回総攻撃じゃないの?」

 「総攻撃の数え方は諸説あって、まず8月の攻撃が第1回、これは確定や。続いてな、

  9月の攻撃を第2回、10月の攻撃を第3回、11月の攻撃を第4回とする説。

9月の攻撃を第2回、10月は総攻撃に数えず、11月のを第3回に数える説、

9月の攻撃を総攻撃に数えず、10月が第2回、11月のを第3回に数える説、

 とあり、このコンテンツでは3番目の説を取るわ」

 「理由は?」

 「9月の攻撃の後に28cm砲が登場するから」

 「そんなんでいいの?」

 「ええんや。他に何かあるか?」

 「うーん・・・なんで二〇三高地だけ落せなかったのかな?」

 「一つ目に22日の夜襲の準備が遅れたこと、二つ目に一方向から少数の兵でワンパターンな攻撃をしたこと。三つ目にスミルノフが砲撃を命じた事やな」

 「ふうん。ところでこの9月の攻撃の結果を日露両軍はどうみたのかな?」

 「ロシア軍は2つの堡塁を落とされたとはいえ、勝利したと思ったようや」

 「何で?」

 「落とされた堡塁の二つがな、突出した陣地だったんでかえって防御線がまとまったと判断したんやな。ロシア軍の被害は二〇三高地で死者274名、負傷者947名と記録されとるが、他は不明や。ステッセルは第2回攻撃の後、日本軍を撃退した布告を発表し、次のように結んだ訳や」

 「・・・シエルさんだからこういう風にしたんじゃないの?」

 「やや変えとるが、作者の資料によると大体このようや」

 「前線司令官の言うことじゃないと思うけどなあ。せめて『君たちの奮戦のおかげで勝てた』とでも言えばよかったのに」

 「何をいうのです! 我らが神は偉大なのですよ!

 「だから役者は来るなっちゅうに。あ、ちなみにこのコンテンツの作者は典型的な日本人やで」

 「それって無神論者の癖に初詣に行ったり縁起を担いだりするって事?」

 「そうや」

 「おのれ、異教徒には神の罰が下りましょう」

 「無神論だから異教徒でもないと思う。それとも神道なのか? えーと、死出作者羽衣権限

 「そんな懐かしネタで飛ばされるなんて〜

 「しばらくしたらまた戻って来れるから。ということで、ティルの姐さん、よろしく」

 「邪魔をなくしてくれてありがとな。えーとどこまで話したか?」

 「ステッセルが布告したまで」

 「そうやった。ステッセルとスミルノフがシエルとアルクエイドのように犬猿の仲なのは覚えとるな?」

 「こんなベタな配役で忘れる訳ないでしょ」

 「ええ子や。勝因の一つにスミルノフが砲撃を命じた事があるのに、ステッセルは全く評価をせんかった

 「わかりやすすぎ」

 「また、スミルノフが、

 と主張したのに対して、

 と、スミルノフの提案を一蹴したんや」

 「いくらなんでもベタ過ぎない?」

 「まぁ直後の状況だけ見ればステッセルの主張もあながち間違いではなかったんやがな」

 「どうして?」

 「それには第3軍が9月攻撃の結果をどう見たかを知らねばならんわ。まず第3軍は結果にある程度満足したんや。二〇三高地は落せなかったが、他の二つの目標は落としたしな」

 「日本軍の死傷者は?」

 「死者924名、負傷者3925名や。二〇三高地攻撃での損害が半分を占めるで」

 「第1回と比べると少ないね」

 「正攻法を取ったこともあるが、第1回で被害が大きすぎたから被害になる兵がいなかったという穿った見方もできるな」

 「作者の人格がわかるね。ところで二〇三高地を落とせなかったんだから目標を達したとは言えないんじゃないの?」

 「二〇三高地は落とせなかったが、水師営と二〇三高地の間にある一八二高地を落としたで。港内の艦隊砲撃ならここからでも充分や、と第3軍は考えた訳やな。第3軍の任務は旅順攻略やから龍眼北方堡塁と水師営堡塁を攻略した方が意義があったと思ったんやな。乃木司令官は二〇三高地攻略失敗を知ると、

 として、第1回と同じ様に東北部攻撃に重点をおき、望台突破から旅順になだれ込む作戦に復帰したんやな」

 「あ、だからステッセルが『二〇三高地の防御強化は急務ではない』というのも9月攻撃の直後の話だとあまり間違ってないんだ」

 「そうや」

 「ところで第3軍司令部にいた児玉源太郎はこの東北部重視作戦に異議を唱えなかったの?」

 「唱えなかった。山県有朋にも、

 と電報を打っとるで。日露両方の首脳がともに二〇三高地の重要性をこの時点では見落としていた……と後知恵では言えるわけやな」

 「後知恵でいえる慧眼の士はいなかったの?」

 「おったで。長岡外史や。長岡は、

 と繰り返していたそうや」

 「で、どうなるのかな?」

 「この後、児玉が遼陽に戻って、第3軍は東北部に狙いを定めて坑道を掘り始めたんや」

 「ロシア側は?」

 「大規模な反撃は起こさず、陣地を固めたり、小規模な反撃をしたりしとったな」

 「篭城してるんでしょ?食料が無くなったり、士気が落ちたりしなかったの?」

 「食料は不足してきたで。牛肉の代わりに馬肉が配給されたり、野菜不足も目立ってきた。それでも日本艦隊の目を盗んでの密輸船も出入りしとったし、市民は篭城生活に慣れたから、あまり士気の低下は無かったようやな。クロパトキンが助けに来ると信じとったんや」

 「でもクロパトキンは奉天に退却しちゃったじゃん」

 「そうや。そこに気づいた人間もおる。続きはその辺から見ていこうか」

 

 

9月30日 旅順

 

 

コンドラチェンコ 「2日前に来た外国特派員の情報によると、クロパトキンは遼陽で負けて、バルチック艦隊は本国へ引き返したそうですね。いよいよ旅順の命運はつきましたか」
(注、バルチック艦隊はこの時点で出航すらしていない)

ナウメンコ 「閣下……」

 

突如轟音

 

 ドーーーーーーーーーン!!!

 「何です? あの轟音は。野戦砲にしては音が大きすぎます」

 「弾着はあちらのようです」

 

 

東鶏冠山堡塁

 

 

 「信じられません。これが陸上の砲ですか?」

 「死傷者は100名前後です」

 「一撃でですか?」

 「ええ、一撃です」

 「一撃で、一撃で壊滅ですか。乃木の砲は戦艦並みの威力を持っているのですか?」

 「伏せて! 又来ました」

 

さらに弾着

 

 「太陽がかすんで見えますね……砂埃ですか。ぺっぺっ、口の中がじゃりじゃりします。私でもこんなものは食べません」

 「もう一発来ました!」

 

再度命中

 

 「外れ弾がありません。物凄い命中精度ですな」

ベールイ 「砲口径は11インチ(28cm)ね。戦艦の主砲が12インチ(30.5cm)だけど野戦砲は6インチ(15.2cm)が常識だから、陸上の砲としては常識外れだわ。計算すると砲弾重量が330kgで落下速度は音速か……」

 「どんな陣地ならばこの砲を防げますか?」

ベールイ 「ベトン1.4mの壕の上に土石を2.1m敷き詰めたものであれば……」

 「我が陣地にその防御を施しているところがありますか?」

ベールイ 「そのような陣地は・・・全く無いわ」

ナウメンコ 「港の艦隊にも弾着が生じています!」

 「仕方がありません。しかし、大砲の性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを・・・教えてあげます!!まずは軍司令官に報告して善後策を練りましょう」

 

 

旅順

 

 

 「話はわかりました」

 「しかし外国特派員の話はどちらもデマです。28cm砲も恐れるに足りません。大口径の砲ほど寿命が短いですから、そのうち使い物にならなくなりますよ」

 「しかし、敵の砲にこちらの陣地が耐えられない事は判明しているのですから」

 「旅順が陥落するとでも言うのですか?」

 「可能性は大いにあります。私ならあの巨砲全てを二〇三高地に叩き込んで一週間砲撃を続けます。それでおしまいです」

 「貴方ならそうするでしょう。でも乃木は異教徒黄色いサルなのですよ。心配ありません」

 「(ヴォルフさんはゲルマン人だし、設定上ロシア軍は当然ロシア正教ですからそういう意味では我々も異教徒なのですが…)乃木が無理なら、他の誰かがやるでしょう」

 「では一体どうしろというのです!?」

 「降伏するのです」

 「ハァ?

 「まだ戦力のあるうちに条件付の降伏でうまく戦力を保持するのです。条件としては、

 この3つです。どうか皇帝陛下に上奏を」

 「虫が良すぎます! 敵と味方を混同しています。それに正式な救援不可能の通告が無いのに不可能だと決め付けるのはクロパトキン閣下を一方的に非難する事になります。とても皇帝陛下に上奏など出来ません!!」

 「わかりました」

 

退出後

 

 「国家の威信と軍人の名誉を汚す敗北を迎えるよりは潔く戦死を遂げましょう」

ナディン 「同感です」

 

 

10月8日

 

 

コンドラチェンコが全軍に訓令する。

 「日本人は降伏を卑怯として死ぬ事を潔しとする信念を持ちます。裏を返せば勝利した暁には老若男女を皆殺しにするに違いありません。よって捕虜になることは考えず、最後の血が尽きるまで頑強に防御するのです」

ナディン 「盤龍山に突撃をかけますか」

 「そのつもりです」

 

だが、突撃する前に日本軍が攻撃を加えてきたのでこの突撃は未遂に終わる

 

 「若造のコンドラチェンコ(47歳)はともかく、65歳のナディンまで血気にはやるなんて……、ナディンとゴルバトフスキーを交代させなさい!」
(注 ステッセルは56歳)  

スミルノフも…

 

 「あんたらが冷静さを失ってどうするの! ステッセルは頼りにならないんだから、貴方達が死んだら旅順は終わりなんだから!!

 「すいません…」

ゴルバトフスキー 「それに、28cm砲の砲撃はあまり効果ないみたいよ?」

 「どういうことです?」

ゴルバトフスキー 「一八二高地が観測点なら見えない位置に艦隊は移動できるわ。それに6門しかない28cm砲が堡塁と艦隊のどちらも砲撃している以上、命中しても修理の余裕を得る事はできるわ」

 「そうですね……これなら一息つけそうです」

 

 

 

 「ロシア軍も一杯一杯なんだ」

 「対して日本軍は…」

 

 

第3軍

 

 

 「とにかく兵が足りません」

 「本土にいる第七師団か第八師団の増援を大本営に要請しよう」

 

 

満州軍

 

 

児玉 「兵が足りませんな」

大山 「大本営に増援を要請しよう」

 

 

大本営

 

 

山県 「第3軍からも満州軍からも増援要請が来ていますね。とにかく一個師団を送らなければなりませんが……」

長岡 「満州に送るべきです! 第3軍の連中は作戦を変えもせず、ただ兵を旅順に埋め草に使っているだけです。日本にとって虎の子ともいえる師団を現状で旅順に送るなんて『至愚である』としかいいようがありません!」

 「でも旅順を早く落さなければなりませんよ。どうします? とにかくすぐ出発できるように第八師団を大阪に待機させましょう」

 「…と児玉閣下より電報が。どうします?」

 「どうしましょうどうしましょうどうしましょう」

 「仕方がありません。臣下にあるまじき事ですが…」

 「満州あちらを立てれば旅順こちらが立たず、陛下の決断を頂き、詔勅ということで納得してもらいますか」

 「それ以外方法がないと思います」

 「かくかくしかじかで陛下のご決断を願いたいのですが」

明治帝 「北進させよ」

 「満州に送れということですか?」

明治帝 「その通りだ」

 「これで第八師団は無駄死にせずにすみます」

 

 

 

 「これ本当?」

 「さあ?」

 「さあ? って・・・」

 「このやり取りは作者が坂の上の雲を参考にして作ったんや」

 「作者は旅順の描写は日露戦争を元にして書くって言ってなかったっけ?」

 「そうや。ネタ参考資料として作っただけや。日露戦争を参考にして作ると次のようになるで」

 「…というやりとりで第八師団は満州に送られたんやな。要するに満州軍総司令部は第八師団を『旅順に送れ』と要請したのに大本営が拒否して満州に送ったということや。この時期の山県が何をやりたかったのかさっぱりわからん」

 「全く逆だね。どっちが正しいのかな?」

 「さあ?」

 「さあ? って・・・」

 「昔の事はわからん」

 「そんな身も蓋も無い事を……」

 「とりあえずここでは日露戦争および伊藤正徳御大の「軍閥興亡史」に

 とあるので、同様に第3軍が第八師団を要求したとは考えにくい説を取るで」

 「よくわからないね・・・」

 「作者もわかってへん。ただ、この第八師団をどこに送るかというやり取りは決定が9月27日、つまり今から説明する10月の第2回総攻撃の前、ということは覚えといてや」

 「それはわかったよ」

 「さて、10月の攻撃開始や」

 

 

第3軍

 

 

 「10月24、25日が次回の総攻撃の開始日になるだろう。第九師団には二龍山堡塁、第十一師団には東鶏冠山北堡塁、第一師団には松樹山堡塁を攻撃させろ。満州軍にもこの旨を伝えるんだ」

 「了解しました」

 

児玉 「バカな…旅順は一点突破でないと落とせん。第3軍に『二龍山へ攻撃を集中すべし』と伝えろ」

松川 「かしこまりました」

 

 「一点突破は無謀です。他の堡塁から反撃されます。そんなことより砲弾が足りません。新たに追加されて計18門となった28cm榴弾砲はともかく、他の弾が足りません。とりあえず、28cm砲は各師団に公平に割り振るとして、大本営と満州軍に弾の補給を求めましょう」

 

 「そっちの弾が足りない事は知っている。しかしこちらはもっと足りない。沙河会戦は一段落ついたとはいえ、いつ大規模な戦闘が起こるかわからん。やむを得なければ攻撃実施を延期するのも構わん」

 

 「随分冷たい返答ですね」

 

 「しょうがないから28cm砲の弾を追加して送ります。バルチック艦隊の東航が始まっている以上、こちらでも色々議論があった事は覚えておいてください」

 「そんなことよりもまた東北部を攻撃するんですか? 二〇三高地をやりなさい」

 

 「とりあえずこちらの意見を纏めよう」

大庭 「二〇三高地攻撃は無意味です。海軍の要望にこたえたとしてもそれで旅順が陥落する訳ではありません。また、二〇三高地を押さえても周辺からの反撃が厳しいです。旅順そのものを落せば海軍の要望にもこたえられます」

 「二龍山集中攻撃はどうだ?」

津野田 「周りの堡塁からの反撃を無視している以上、現実味がないと思うわ」

 「では、第九師団は二龍山堡塁とP堡塁、第十一師団は東鶏冠山北堡塁と東鶏冠山堡塁、第一師団は松樹山堡塁を攻撃すべし。ただし総攻撃開始はまず10月26日、28cm砲による総砲撃をもってすべし、突撃は状況により判断する」

 

 

 

 

 

児玉 「(唖然)9月の攻撃で生じた損害の補充もつかず、砲弾も足りないといっているのにまた同じ広正面攻撃をやるとは何事であるか! また被害が大きくなるだけに決まっている。考え直せ!」

 

 「児玉からこんな電報が来た。確かに攻撃範囲が広すぎるように思うが」

 「大丈夫です。我が軍は望台から旅順になだれ込むのを基本戦略としています。よって松樹山から東鶏冠山までを制圧しなければ安全を確保できません。28cm砲も来ましたし、大丈夫です。児玉閣下には次の電報を送っておきます」

 

 「集中攻撃は他の堡塁から反撃されるので不可。一塁ずつ落すのは弾が足りない。よって広正面攻撃を実施する。この計画は成功の公算大なり」

 

児玉 「自信がある…と言われたらもう口出しは出来んか」

 「まず、坑道を掘り進めろ」

前線将校 「隠密かつ迅速に作業せよ。こちらが先にやっつけるか、露助に先に爆破されるか、食うか食われるか、だ」

 

 

10月26日

 

 

 「砲撃開始」

 「フォイヤーフラアアアアアアアイ!!

 「やっぱ不安だ」

 

第3軍が目標とする5つの堡塁のうち、P堡塁以外は厚さ2mのベトン壁を持つ、永久堡塁だった。また、松樹山及び二龍山堡塁に対しては攻撃用の坑道が未完成だった。

 

 「多少の損害を覚悟すれば突撃は可能です。坑道完成を待って30日に予定されていた攻撃を延期するのでは26日以来の砲撃が無駄になります」

 「11月3日の天長節も祝いたいしな…、30日に総攻撃だ」

 

 

対してロシア軍

 

 

ステッセル 「日本軍の攻撃が迫っています。どうしますか?」

スミルノフ 「将兵に死守を命じてその勇戦を信頼し、北方の援軍(クロパトキン)を待つだけよ。他に何ができるのよ」

フォーク 「東鶏冠山北堡塁は日本軍に奪取される可能性があります。よって地下に地雷を埋設し、日本軍占領後に爆破するのです。他の堡塁にも同様の措置を取っては?」

 「何言ってんのよ。死守を覚悟させながら退却を予定するのは兵の士気を低下させるだけだわ。しかも堡塁を爆破するのは反撃拠点を無くすだけじゃない」

 「いや、いい考えです」

 「ふん(各堡塁に個人命令を出して中止させるだけだわ)」

 「日本軍は夜も砲撃しています。こちらも対抗しましょう」

コンドラチェンコ ベールイ 「日本軍に併せて砲撃するのは無意味な砲弾の浪費に過ぎません」

 「黄色いサルが行なう事を偉大なる神の子ロシア軍が行なえないのは名折れです」

 「…(眉をひそめる)」

 

 

10月30日

 

 

 「総攻撃開始だ」

 

だが、永久堡塁である4つの堡塁に対しては28cm砲の効果が薄く、攻撃隊は軒並み撃退された。

そしてP堡塁

 

前線将校 「爆発の火炎が物凄く、堡塁の木材を投げ飛ばす白兵戦、死傷者相次ぎ、苦戦に陥る」

 

一戸 「ようし、俺が行って敵を駆逐してやる!」

 

将軍突撃す――の報は兵の士気を高め、ついにP堡塁の占領に成功する。

 

一戸 「へっ盤龍山のときの苦しみと比べりゃ10分の1くらいなもんだ」

 

しかし……

 

 

10月31日

 

 

 「攻撃中止だ」

 「奪取できたのがP堡塁だけで、期待の28cm報も思ったほどの効果は得られません」

 「各師団は現在の位置を確実に守備すると同時に、松樹山、二龍山、東鶏冠山北堡塁に対する攻撃隊は速やかに占領すべし。総攻撃時期は予め司令部に伝えよ」

 

 

 

 「と、まあこれが第2回総攻撃結果やな。10月26日以降の第3軍の損害は戦死者1092名、負傷者2738名。ロシア軍は戦死者616名、負傷者3837名、行方不明79名や」

 「今度は何で失敗したのかな」

 「やっぱり準備不足やったんやろ。坑道が完璧でない状況での突撃を日露戦争では、

 と、しとる」

 「結局戦果はP堡塁を奪取した事だけ?」

 「そうやな。ちなみに天長節の11月3日に、『P堡塁を一戸堡塁とする』と公表されたんや。一戸旅団が強かったのは一戸少将が将官の身でありながら最前線に身を置いたことはあるやろな」

 「最後を見ると、また東北部の永久堡塁攻略に拘っているみたいだけど、大丈夫?」

 「長岡外史はこの状況を

 と、憤慨しとったようや」

 「海軍は焦るだろうね」

 「次回はそのあたりからみていこうか」

 「次が最後の総攻撃になりそうだね」

 「そうやな。

 第3軍と関東軍の最後の攻防が始まった。それぞれが出会わなければ決して失われなかった命が二〇三高地へ次々と吸い込まれていった。戦いは血で飾らなければならない宿命を持つ…。

 というところやな」

 「久しぶりのパクリ次回予告だね」

 「たまたまピッタリのがあったから採用しただけや」

 「ということで、次回の講義、

 沙河会戦はこちらから→

 第3回総攻撃はこちらから→

 「今度はしばらく空きそうだけど、楽しみに待っててね」

 おまけ


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