☆日露コンテンツ ソフィア先生の閑話休題☆


 「久し振りだな。怠けていた作者がやっと動き出した」

 「何やっていたのよ」

 「今更ながらドラクエ8のやり過ぎ仕事が忙しかったり選挙がらみであちこちのサイトを見るのが楽しかったりと」

 「、更新作業をサボっていた、と」

 「事実その通りだから言い訳のしようがない」

 「ロクデナシそのものだな」

 「仕事が忙しかったのをロクデナシ扱いされては困る」

 「仕事が忙しいなんて、そんなこと誰も信用しないわよ」

 「む……」

 「これも作者の人徳が足りないせいですね」

 「無駄話はそこまでだ」

 

 

 

 

 

 

 「・・・」

 「どったの?」

 「何故我々がユダヤのことを語らねばならんのだ!!

 「無駄話はそこまでと言ったばかりじゃないですか。それにここでの大尉は大日本帝国海軍教官という設定です」

 「思い出したようにその設定が出てくるな」

 「というかさ、どうせ『お金貸してくれてありがとう(´▽`)』を説明するつもりで『法外なる高利ニダ謝罪しる賠償しる<丶`∀´>ニダ』とかいう流れになるんじゃないの」

 「他人の専売特許を侵したニダ謝罪tもごもご・・・

 「(口を押さえて)そのくらいならまだ日本にとって良かったんだけどな……」

 「どういうことだ?」

 「法外なる利子をつけても全然貸してくれないんだ」

 「何で?」

 「というより話が飛び過ぎです。最初から説明して下さい」

 「このコンテンツを最初からご覧になった方ならわかっているだろうが、日本はギリギリまで開戦に躊躇したし、開戦後も戦闘の行方に一喜一憂した。その理由の一つが資金不足だ」

 「それはさんざん聞いて耳にタコができるわよ」

 「ミニにタコ? 田代神ですか?」

 「また微妙なネタを…」

 「3つのM(MAN=人、MACHINE=物。MONEY=金)が戦争遂行上の三大要素と言われるように資金の重要性は大きい」

 「足りない資金を補うために外債を募集したことも覚えているな?」

 「それは覚えているけど、何で外債なの? 日本円でいいじゃない」

 「まさか紙幣をたくさん刷ってそれを払いに充てればいいと思っているんじゃないだろうな」

 「そんなことをすればインフレになることぐらいはわかるわよ。外債を募集するってことは外国の通貨を必要とするってことでしょ? なんで日本円で払っちゃいけないわけ?」

 「日本円を受け取らなければどうする?」

 「どういうことです?」

 「現在の世界は管理通貨制度と呼ばれる制度で通貨流通が成り立っている。これは紙幣価値の保証を発行国がするというものだ。要するにただの紙切れにしか見えない日本円紙幣の価値を保証しているのは日本政府だということだ」

 「そうだな」

 「ところが日露戦争当時の世界は金本位制という制度だ」

 「どんな制度ですか?」

 「要するに紙幣を同価値のきんに換えることを保証した制度だな。この制度のもとで発行された紙幣を兌換紙幣という。現在の紙幣は交換できないので不換紙幣という」

 「それはわかったけれど、日本円を受け取らない理由がわからないわ」

 「国内はともかく、当時の日本政府にはまだその点での対外的信用がないので、日本円で払うといっても海外では紙幣が通用せず正貨、つまり金だな、で払うしかないのだ。ところが当時の日本政府には5千万円分の正貨しか対外支払能力がない」

 「当初予想された対外必要支払い額は1億5千万円だ」

 「一億円も足りないな」

 「そこで日本円と比べてはるかに信用がある外国通貨の出番だ。募集先としては米ドルと英ポンドが候補に上がったが、同盟国ということもあり、イギリスに白羽の矢が立った。アメリカが国内開発を推進中で外国投資に消極的だった事情もある」

 「妥当ですね」

 「そこでロンドンに派遣されたのが日本銀行副総裁の高橋是清だ」

 「どんな人?」

 「一言で表現すれば『超楽天家』だ」

 「へ?」

 「生まれの身分は低かったが、偶然にも殿様の奥方に好かれるなどしてまわりから『なんて運がよい奴なんだ』と言われて自分でも『俺ほど運が強い奴はいない』と思い込むようになった。アメリカで奴隷に売られるほどの辛酸を舐めた人物だが、18年間のアメリカ生活で身につけた英語力を含めて、この困難な任務を全うするに適任とされた人間だ」

 「で、ロンドンでの募債はうまくいったのか?」

 「当初、全くうまくいかなかった」

 「何故です?」

 「まず日本が負けるだろうと思われていたことが一点。(高橋是清がロンドンに着いたのは4月1日で鴨緑江渡河戦の前)」

 「イギリスでは『日本は海戦で勝っても陸戦で負ける』アメリカでは『陸戦で勝っても海戦で負ける』と全く逆に見られていたのが不思議だと高橋は言っている」

 「とにかく日本が負けるだろうから貸さないというわけか」

 「それにイギリス国民には『黄禍論』が強かった」

 「白色人種対黄色人種の構図ってわけ?」

 「同じ白人としてロシアの足を引っ張りたくないわけですか。そういえば当時のイギリス国王ジョージ5世とロシア皇帝ニコライ二世は従兄弟同士ですね」

 「また、ロシアになら金を貸しても担保として土地もあれば鉱山もある。日本は担保になるようなものが何もない」

 「このような状況では日本と取引をする風潮が危険視されるのは仕方がない」

 「まぁそうよね」

 「だが開戦以後正貨の流出が激しくなっていた日本は切羽詰まっていた。小村外務大臣は『公債が無理なら有力な理財家と協定してもよい』とまで言ってきた」

 「それは一般人の借金で例えると『銀行で借りれなければ高利貸しで借りてもいい』と言っているようなものか」

 「そうだ。まさしく『法外なる利子をつけても全然貸してくれない』状況だった。だがマカロフの戦死(4月13日)などで日本が極東の制海権を握ったという観測が広まると、人気がなく値下りを続けていた日本公債は値段が上がり出し、ロシア公債は下落し始めた」

 「一安心ですね」

 「いや、とてもその段階まではいかない。イギリスの『パーズ銀行』『香港上海銀行』が募債を承知したがその条件は、

 対して日本政府が高橋に与えた条件が、利子5%、10年据え置き、発行額500万ポンドだ」

 「かなり条件に差がありますね」

 「おまけに関税を抵当にするのならば、当時同様の場合イギリスが清国に行なっていたように『イギリス人総税司を日本に派遣して税関を管理させるべきだ』と両銀行は主張してきた」

 「当時の日本に信用がないことを証明しているな」

 「対して高橋の返答が奮っている」

 「なるほど、だから国連分担金もきっちり払っているのね」

 「国連分担金なんて払う方がおかしいんです。滞納するのが基本なのですよホルホルホルホル」

 「まあ、滞納金トップの国は当然信用されないわよね〜」

 「癇癪おこる!!謝罪と賠償を(ry」

 「あら?わたしはどこの国とは言ってないわよ」

 「言ってるのと同じだろう・・・」

 「だいたいその話はスレ違いだぞ」

 「スレ扱いかい・・・」

 「持ち前の粘り強さを発揮した高橋は条件闘争の末、発行額500万ポンド、期限7年、発行価額93ポンドで4月20日頃合意にこぎつけた」

 「でもまだ500万ポンド足りないわよね」

 「そこで登場したのがユダヤ人金融業者、ヤコブ・シフだ」

 「シフはニューヨークの金融業『クーン・レーブ商会』の社長だ。クーン・レーブ商会は高橋にロンドン側との同一条件で公債を引き受けると言ってきた」

 「渡りに船ね」

 「まて、何か裏があると思わないか」

 「確かにそうですね」

 「その『裏』がロシア国内における『ユダヤ人虐待問題』だ」

 「30〜40年ほど後に貴女達がやったことですか」

 「……」

 「そのことに触れ出すと作者の許容量をオーバーするのでそこはおいてくれ。当時のロシアにおけるユダヤ人問題というのは宗教に関することだ」

 「ユダヤ教とギリシア正教の対立?」

 「そうだ。ロシア人はギリシア正教徒がほとんどだが、ギリシア正教ではユダヤ人を『異端者、信仰の害毒、キリストを殺した犯人』と説く

 「すごいな」

 「カトリックに言われたくないですよ(ボソボソ)」

 「異教徒として指弾するのだから、ユダヤ人が改宗すればよいのだが、そう簡単に改宗するはずもなく、またギリシア正教側もなかなか改宗を受け入れない」

 「敬虔なるギリシア正教徒を自負する代々のロシア皇帝もユダヤ人迫害政策をとる。主な物を挙げると・・・

 さらにアレクサンドル三世(ニコライ二世の父親)の治政下では

が激化した」

 「色々やってるのね」

 「ポグロム防止の命令は出たが、代わりにユダヤ人に対する法的圧迫がますます厳しくなった。ユダヤ人のゲットー(指定居住区)外1マイル以上の移動を禁じ、農村における不動産の所有権と借地権を取り上げ、日曜日と祭日の商業活動を禁止した」

 「さらには高等中学及び大学へのユダヤ人就学者の数を首都では全入学者の3%、ゲットーでは全入学者の10%に制限し『非キリスト教徒』には弁護士を開業できない法律を作った」

 「ナチとどちらが凄いのか」

 「それは専門家に聞いてくれ」

 「結果、ユダヤ人を少数の金持ちと多数の貧乏人に分けることとなる。金持ちは官吏に賄賂を贈って取締りを逃れ、貧乏人は圧政への反発から反体制運動に走る」

 「どこかで見てきたような図ですね」

 「ウィッテはこの状況を憂慮し、アレクサンドル三世に『全ユダヤ人を黒海に投げ込む』か、それができなければ差別的法律を撤廃すべきだと具申している」

 「『全ユダヤ人を黒海に投げ込む』ねぇ。『半島を核で焼き尽くす』と言っているのと同レベルなような気がするんだけど」

 「それくらいしないと問題解決にならないということだ」

 「その策は不可能だから代替策をとれということだろ」

 「その代替策は半島に譲歩することではないがな」

 「またスレ違いになってきてますよ」

 「ウィッテの具申に対して皇帝の反応はなく、のちのウィッテに

 というような述懐をさせることになる」

 「このような状況の中、シフはロシアの同胞を救おうと腐心したがはかばかしくなかった。外国政府の手を借りようとしても内政干渉になるため外国政府は消極的だった」

 「ロシア政府の立場から見ればユダヤの所業は反逆行為以外の何物でもない。対日関係が緊迫している時期、外敵に当たるためには内部の団結が不可欠だ。そのためには多数の視線を共通の敵に向かわせるのが手っ取り早い」

 「その槍玉にユダヤ人があげられたってわけ?」

 「そうだ。ロシア国民の『最大公約数的な嫌悪』となっているユダヤ人を『社会の敵』と認識させることで政府の失政に対する不満をユダヤ人に向けさせ、革命思想の心理的根源を取り去ろうとしたのがロシア内相のプレーヴェだ」

 「流石にやりすぎな気がしますね」

 「ウィッテはプレーヴェに『今にユダヤ人に暗殺されるぞ』と政策の転換を求めたが、プレーヴェは応じなかった。ウィッテの予言は1904年7月に現実化することになる」

 「対テロ戦も大事だがテロを起こさせない状況を作ることも大事だな」

 「それが簡単だったら苦労はしない。100年たった現在でも苦労しているのだぞ」

 「ユダヤ虐待はわかったけど、シフはどうしたの?」

 「この状況で日露戦争が始まった時、シフは日本の勝利を希望した」

 「ロシア政府、思い切り嫌われてますね」

 「シフはさらに全ヨーロッパのユダヤ人金融業者に働きかけ、ロシアの募債を妨害させた」

 「容赦ないわね」

 「このときのユダヤ人の相互扶助組織は36年後に日本に対して向けられるのだがな」

 「え?」

 「ナチと結ぶ日本は許せんの理屈だ。クーン・レーブ商会の紹介状を持った神父が来日し、それが日米破局の誘引となる日米交渉の発端となった」

 「ヤンキー、説明ご苦労」

 「ユダヤは敵に回すと怖いわね」

 「だからと言って何やらせてもよいという理屈にはならんぞ」

 「そうだな」

 「ところで、シフが日本を援助する理由はわかりましたが、金融業者たるもの、そこに利益が見えないと動くとは思えません」

 「いいところに目をつけた」

 「シフは日本公債を買ってもアメリカ国内で処理できるとみたわけ?」

 「その通りだ」

 「どういう状況があったのだ?」

 「戦争が始まればロシアも募債すると思われた。しかし始まってみれば思ったほどロシアは募債しなかったのだ。そこに回す予定の金が余り、金利も下がった。年に2〜3%だ」

 「あれ? 日本の公債は年利6%じゃなかったっけ?」

 「そうだ。当然日本の公債が売れぬはずがない。そう見たシフは募債に応じたわけだ」

 「おまけに5月1日、九連城を落とし、一気に日本の対外信用が高くなった」

 「これで公債も飛ぶように売れてめでたしめでたしですか」

 「いや、今度は日本政府が利子の高さを気にし始めた」

 「何か我儘ねぇ」

 「高橋と英国公使の林董が奔走して政府と募債相手をまとめた。仮契約は5月7日に行なわれた。内容は

 でまとまった」

 「英米両国に外債を引きうけてもらえたのは当時の日本にとってまさに『破天荒の慶事』であり政府にとっては『蘇生の想い』であった。高橋と林はこんなに利率が高い借金をして国内から不満が出ることを懸念していたが、杞憂に過ぎなかった」

 「破天荒の慶事ですか。メタルキングがオリハルコンをドロップしたようなものですね」

 「オリハルコンは余るから金塊かスライムの冠をゲットした時のほうが嬉しいわよ」

 「他には思いつかんのか」

 「不思議なタンバリンを使って全員が同時にスーパーハイテンションになったとか」

 「それが役立つのって巨竜戦くらいじゃない?」

 「ラプソーンが弱すぎますからね」

 「……」

 「……今回だけでなく引き続いて外債を募集することになるのだが、条件もだんだん緩和されている」

 「まずはめでたしめでたしね」

 「反動で何かありそうですけどね…」

 「仮契約調印の1週間後、5月15日、日本を絶望のどん底に突き落とす事件が発生した」

 「スーパーハイテンションになった直後に凍てつく波動で、と」

 「ドラクエネタはもういい」

 「3時間目で触れたあの事件か」

 「そうだ。だがそれとは別に不思議なことがある」

 「何?」

 「シフは『戦勝者及び戦禍を受けた日本国民に対する匿名の義捐として受け取っていただきたい』と5月13日に内田定槌ニューヨーク総領事に一万ドルの小切手を送ってきた」

 「それだけなら特に不思議なことでもないだろう」

 「慌てるな。シフは全く同じ趣旨の文面と額面の小切手を駐米ロシア公使のA・カシニーにも送っている」

 「へ?」

 「何故です?」

 「不明だ。その理由をシフは誰にも述べていない」

 「ユダヤ情勢は複雑怪奇か」

 「あの総理大臣もその一言でえらく評価下げてるわよね」

 「元々評価が高いとも思えませんけど。あと、兄の曾孫は今回の選挙で評価を下げたのでしょうか?」

 「例の法則の犠牲者か。兄の曾孫が養子というのもある意味凄いな」

 「なぜこんな脱線を……」

 

 

 

 「バルチック艦隊」

 

 

 

 「旅順艦隊を撃滅したのはすでに触れたが、ロシアにはまだバルト海を本国とするバルチック艦隊が残っている」

 「世界最強の艦隊といわれていた艦隊ね」

 「それ、だぞ」

 「へ?」

 「作者がガキのころ読んだ漫画日本の歴史はそう描写されていたそうがな」

 「大人向けの歴史小説にもそう描写されているような・・・」

 「小説とはいえノンフィクション仕立てにするならその辺りの設定はきっちりやって欲しい物だ」

 「その言葉をそっくりそのまま、歴史小説からパクリまくっている作者に返します」

 「ところで、どのへんが嘘なの?」

 「『世界最強の艦隊』という表現そのもの」

 「また身も蓋もない」

 「当時のbP海軍国家はイギリスだぞ。そんなもん多少この時代の歴史をかじっていれば誰にでもわかる」

 「第2位はドイツだ。ロシアは3番手だな」

 「でもさ、イギリスがあちこちを守るために各方面に艦隊を分散させていたと考えれば、そういう方面艦隊でなら世界最強だったんじゃないの?」

 「それも違う。ロシア艦隊で最強なのは旅順艦隊だ」

 「何故です?」

 「ロシア海軍は新鋭の軍艦と優秀な水兵を旅順に優先的に配置していたからだ」

 「ちょっと待ってよ、じゃあバルチック艦隊は残り物の寄せ集めってこと?」

 「その辺りを寸劇で見ていこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆バルチック艦隊の苦難の道程☆

 

その他大勢
 「クマウラー!

ウィッテ 「あの鬼畜淫乱外道女長官で大丈夫かしら?」

 

 

 

 

 

 

ロジェストウェンスキー 「ね〜ぇ先輩、じゃなかった、陛下、あの悪逆非道な日本を懲らしめるためにバルト海の艦隊を極東に送ったほうがいいと思うの」

ニコライ二世 「そうだね、いい考えだ」

ロジェストウェンスキー 「(成功すれば発案者として私の株が上がるわ。失敗したら艦隊長官の責任だし。少将の私が長官になるはずないし、我ながらいい考えだこと)」

ニコライ二世 「ロジェストウェンスキー、君が長官になって極東へ行ってよ。中将に昇進させるから」

ロジェストウェンスキー 「わ、私がですか!?」

ニコライ二世 「君に期待しているんだ」

 「(き、期待だなんて何を考えているんです。先輩ったらもう)」

ウィッテ 「(開戦直後『ロシアの各港へ入ってくる外国商船をどしどし臨検すべきだ。日本のスパイが紛れている』なんて言った馬鹿・・・でなけれは臆病な人間に任せて大丈夫なのかしらね)」

 

艦隊編成に取り掛かって

 

ロジェストウェンスキー 「な、何よ。これ。優秀なのが旅順に行っているのはわかっているけど、残ってるのがここまで酷い連中とは」

 

 

 

 

 

 

ニコライ二世 「バルチック艦隊をいつ出発させるか討議したいんだけど」

陸軍側
 「できるだけ早く出発して旅順を助けて欲しいクマ」

海軍側
 「旅順につくまで半年以上かかるクマ。旅順が陥落している可能性もあるクマ。訓練不足でもあるし、戦艦のスワロフ、ボロジノ、アリョールは竣工したばかりだクマ」

ロジェストウェンスキー 「(未熟な艦隊を派遣して撃破され、海軍の責任にされるよりは陸軍の動きを見てからのほうがいい、というわけですか。でも)」

ロジェストウェンスキー 「来年の春まで待つと既に契約している航海用の石炭およびそれを運航してくれるドイツ船はどうします? 待たせておくと費用がかさむし、契約破棄すると再契約が難しいです」

ニコライ二世 「何か名案があるのかい?」

ロジェストウェンスキー 「とりあえず出発してマダガスカルまで行き、後は状況で判断するというのはどうでしょう」

ニコライ二世 「それで行こう。目的地は旅順は陥落してるかもしれないからウラジオストックで」

一同
 「異議なしクマ

 

 

ロジェストウェンスキー 「ああ不安です不安です不安です。日本の水雷艇が襲撃してくるかもしれません。24時間態勢で警戒を怠らないように」

ポリトゥスキー 「日本の水雷艇がこんなところまで繰るはずないでしょうに。このチキンが」

ロジェストウェンスキー 「何か言いましたか?」

ポリトゥスキー 「いえ、何も」

 

 

 

 

 

 

午後9時

 

工作船カムチャッカ
 「我、敵の水雷艇に尾行されつつあり」

ロジェストウェンスキー 「何隻でどちらから?」

カムチャッカ 「8隻で四方より」

ロジェストウェンスキー 「総員戦闘配置につきなさい!

 

艦隊パニック

水兵A
 「敵艦発見!

ロジェストウェンスキー 「射撃開始!

 

敵艦は打ち返してこない

 

水兵B
 「日本海軍も大したことないな」

水兵A
 「敵巡洋艦発見

 

砲撃集中

 

アウローラ 「我、砲撃さる」

 

味方艦を誤射していた

 

ロジェストウェンスキー 「何か変ね。砲撃中止」

 

パニック状態のため中々中止せず、士官が砲手をぶん殴ってやっと止まった。

 

 

 

 

 

 

コロング 「何か変ですね、どうも漁船を砲撃したみたいですよ」

ロジェストウェンスキー 「多分オランダの漁船でしょう。多少の賠償で片付きますから放っておきなさい」

 

だが実際はイギリスの漁船であった。

 

ポリトゥスキー 「なんというはずかしさであろう。我々は世界中に恥を晒した(妻に対する手紙より)」

 

イギリス 「ロシア人は狂犬のように我々を噛み散らして去っていったのです・・・」

イギリス 「この問題が解決するまでバルチック艦隊を止めなさい!!もしそれが実現しないときは1週間後に対露戦が始まることを覚悟しなさい

 

ロシア外務省 「しどろもどろ」

フランス 「まぁまぁ、我が国が調停の労を取ります。賠償として6万5千ポンドを支払うことと、被害を受けた船に新造船を提供するという条件でいかがでしょう」

イギリス 「わかりました。その条件を受けましょう」

ロシア外務省 「助かった」

 

バルチック艦隊はイギリスを怒らせたことを知らずに航海を続けている。

 

 

 

 

 

 

ロジェストウェンスキー 「ここで石炭を補給しましょう」

スペイン 「ダメ」

ロジェストウェンスキー 「何故です!?」

スペイン 「我が国は中立国ですから・・・残念!!

ロジェストウェンスキー 「そんな馬鹿な話がありますか」

スペイン 「ダメなものはダメby土井たか子」

コロング 「これは背後に社会党イギリスがいますね」

ロジェストウェンスキー 「外務省になんとかしてもらわないと」

ロシア外務省 「普段権力のない我々が火急の時だけ働かされてもどこまで動けるやら」

ニコライ二世 「君たち艦隊の事は忘れてないよ。後少しで解決するから。ロシアの希望は君たちが一身に背負っているのだから」

ロジェストウェンスキー 「陛下からこのような電報が。ありがたいことです」

ポリトゥスキー 「(何言ってるんですか、これが栄光あるロシア海軍の姿ですか)」

 

秋山真之 「この足止めは我々にとってラッキーですね。こちらはまだ旅順が落ちてませんから。事件そのものに関しては『闇夜だから無理ないかもしれない』でしょうが、ドッガー・バンク事件を調べる事で敵艦隊の砲術能力を調べられそうです。」

 

1隻につき400トンまでの石炭を積み、11月1日、ヴィゴを出航

 

イギリス 「巡洋艦隊にバルチック艦隊をストーカーさせます。これは国際法違反ではありませんよ」

ロジェストウェンスキー 「急接近すると思ったら離れたり、明らかな嫌がらせです。でも」

ロジェストウェンスキー 「あの素晴らしい運動性。あれが海軍というものです」

ロジェストウェンスキー 「我が海軍と比べて雲泥の差ですね」

ポリトゥスキー 「この海上の悪漢。海上の優越者。ロシア帝国にとっての不倶戴天の仇敵、彼らがわが航海に加えた妨害の事実は数え切れないが皆恨みを呑んでこれを忍耐した(11月2日付の妻への手紙より)」

 

この嫌がらせで水兵の疲労は甚だしい

 

 

 

 

 

 

ロジェストウェンスキー 「フェリケルザムは別働隊を率いてスエズ運河からマダガスカルを目指しなさい。私は喜望峰を回ります」

ロジェストウェンスキー 「石炭を目一杯積みなさい。次の寄港予定地のダカールまで持ちません」

 

 

 

 

 

 

ロジェストウェンスキー 「ここは友邦の植民地だから石炭をたっぷり積めるはずです」

水兵B
 「タンジールであれだけ積んだのにまだ積むのかよ」

 

フランス 「ここの港での石炭積み込みは許可できません」

ロジェストウェンスキー 「パリからの命令ですか?」

フランス 「只今照会中です」

ロジェストウェンスキー 「なら返事が来るまで積み込みます」

 

艦内は炭塵で真っ黒、それを防いで窓を閉めれば蒸し暑さで殺人的な温度になる状況

 

ロジェストウェンスキー 「一番速く積み込んだものには賞金を出します」

 

この石炭積みが航行中のバルチック艦隊の乗組員の主要な仕事となった。髪の毛は針金のようになり、顔も真っ黒。

 

プリボイ 「まるで拷問ですね」

ロジェストウェンスキー 「しかしフランスは冷たい」

フランス 「出てゆけと言うのは同盟国に厳しいですが、許可すればイギリスの機嫌が悪くなります。放っておくのが一番ですね」

プリボイ 「我が艦隊に対するフランスのあしらいはまるで『破産した親類に対するような態度』ですね」

プリボイ 「しかしフランスの冷たい態度は事前に手を打っておかなかったロジェストウェンスキーが悪いのです」

ロジェストウェンスキー 「それは言いがかりよ。私は外務省の人間じゃないんだから」

プリボイ 「でも貴女は『外交上の工作は不要である』と宣言したじゃないですか」

ロジェストウェンスキー 「それはロシアの力を信じてるからよ」

セオドア・ルーズベルト
 「ロシアの専制国家の悪い点が出ているわね。ロジェストウェンスキーがそう建言して、皇帝がGOサインを出すと外務省には介入の余地がなくなるのよ」

ロシア外務省 「そうなんだ」

ルーズベルト 「でもロジェストウェンスキーを弁護すると、ロシアは外交ではなく軍事力で他国と交渉してきた国だから。ただ彼及びロシアにとって不幸なのは満州においてロシア軍の威力が過去の物になりつつあることね」

ウィッテ 「ロシア帝国の維新は軍事的強大さによってのみ成立している。それ以外にロシアはなく、軍事的強大さがなくなれば即ちロシアそのものがなくなるのよ」

 「ところで、何で貴女がアメリカ役?」

 「セイバーがイギリスでシエルがフランスだとスペック的にアメリカしか残ってないから」

 「何か納得いかないわね」

 「まぁまぁ。この後どこのフランス領の港へ行っても同様な扱いを受けたロジェストウェンスキーはドイツ領の港を目指すことにしたの」

 

 

 

 

 

 

ドイツ 「私は公文書で艦隊の入港を知らされたわけじゃないから、これに関して処置する義務はないはず。だいたい私の目からだと死角になってロシア艦隊は見えないの」

ロジェストウェンスキー 「空気を読んでくれてますね」

ロジェストウェンスキー 「石炭補給をお願い」

ドイツ 「はい」

ロジェストウェンスキー 「ちょっと待ってよ。なにこの石炭・・・粗悪品じゃない!!こんな石炭じゃエネルギーが出ないわ。契約違反よ!」

ドイツ 「仕方ないじゃない。イギリスが良い石炭を売ってくれないんだから」

イギリス 「良い石炭は既に日本に売りました。開戦前から石炭の買い付けに走った山本権兵衛は流石ですね。おかげで石炭の値段が上がって日本の開戦の決意を知ることになりましたけど」

 

 

 

 

 

 

ロシア外務省 「我が艦隊がマダガスカルに到着する時はジェゴスアレス港(マダガスカル最大の港)に寄港させてほしい」

フランス 「ダメです」

ロシア外務省 「なんとか」

フランス 「ノシベなら寄港してもいいですよ」

ロシア外務省 「ノシベってどこだ?」

イギリス 「フランスに『ロシアに良港を貸すな』と脅して伝えたのが生きましたね」

ロジェストウェンスキー 「こんな小さい港じゃ補給もろくにできないし、無論ドックもない。どうしろというの」

コロング 「先に着いたフェリケルザム支隊と無事合流できたのがせめてもの救いです」

ロジェストウェンスキー 「旅順では艦隊が壊滅し、要塞まで開城したというじゃないの。我々はどうするべき?」

コロング 「本国からは何の指令もありません」

ロジェストウェンスキー 「何ですって!?」

 

2ヶ月もの間放置プレイ

 

ニコライ二世 「旅順艦隊の代わりとして、本国に残っている艦船をネボガトフに率いさせて増援としよう」

ロジェストウェンスキー 「何ですって!? 折角置き捨ててきたボロ船がきても足手まといになるだけだからいらないのに」

アレクサンドラ皇后 「大砲が増えれば威力が増すではありませんか」

ロジェストウェンスキー 「なんで先輩の奥さん役があれなのもう嫌になりました。病気を理由に私を解任してください」

ニコライ二世 「ダメ」

 

 

 

 

 

 

 「……というのがバルチック艦隊の航海概要だ」

 「前編って、後編はいつやるのですか?」

 「タイミング的には奉天会戦前後だな」

 「また微妙な時期だな」

 「質問」

 「何だ?」

 「いろいろあるけど」

 

 

 

 

 

 

 「ロシア本国に残っているのは新旧入りまじって統一が取れない艦船と訓練不足の新兵や予備役兵がメインだ。酷いのになると海を見たこともない水兵やアル中の水兵がいる。また、水兵の中には『危険思想の持ち主』として半ば追放処分で乗組員にされている人間も多かったのだ」

 「それで使える船と人だけ連れて行ったわけ?」

 「そうだ。その余りが最後にちょっと出てきたネボガトフ艦隊だ」

 「とても期待できない艦隊だな」

 「ネボガトフに関しては後編でやる」

 

 

 

 

 

 

 「チキン扱いされてましたけど?」

 「この点に関しては坂の上の雲で『統帥者ではなく統帥の積極的破壊者』とボロクソに評価されている」

 「どういうこと?」

 「心配事があってもそれをおくびにも出さないのがリーダーの役目だ。ドッガー・バンク事件の対応を含めて航海での行動を見るとそれと正反対のことをしている。初瀬と八島が沈んでも動揺をおくびにも出さなかった東郷とはえらい違いだ」

 「確かに、ヨーロッパの海域で日本の水雷艇に備えろというのはビビリすぎだな」

 「ドッガー・バンク事件の元となった水雷艇8隻というのは好奇心で追跡したドイツ駆逐艦3隻なのだが、同盟国の足を引っ張る形になった」

 「同盟国の足を引っ張るとは、イタ公か」

 「さすがドイツ、俺たちの出来ないことを平然とやってのける、そこにしびれるぅあこがれるぅぅぅぅ!

 「……当時のロシア軍に『日本なら何でもやる』という意識があったのも確かだが」

 「ただし、無事に艦隊を極東まで連れて行ったことは大いに評価に値することだ。実質世界半周だ」

 

 

 

 

 

 

 「ロシアをさんざん邪魔してたわよね」

 「ロシアの南下を清国だけでなく、インド方面でも懸念しているからな。日本軍の活躍を見て、日英同盟が極東以外でも適用されるよう改訂されたのはのちの話だが」

 「メインはこの二つになるが、この二つが大きい」

 「後編で扱う話になるが、大西洋と違ってインド洋には実質イギリスの港しかない。よってバルチック艦隊は以前にもまして充分な補給が不可能になってくるのだ」

 「何で2ヶ月もいたのよ」

 「本国で今後の方針が決まらなかったことと、石炭給炭の問題だ」

 「なぜ石炭の問題が?」

 「イギリスが良炭をドイツに売らなくなったのは前述した通りだ。これを解決すべくロシア本国が動いた期間だ」

 「冗談みたいな話だが、ロシアでは帳簿にイギリス炭の値段をつけ、実際は日本産の粗悪な炭を買って艦隊に補給していたともいう」

 「まさに、ロシアンジョークね」

 「結局石炭問題は解決しなかった。石炭問題の他に、ネボガトフ艦隊を追いつかせるまでの期間というのもある」

 「ロジェストウェンスキーにとっては踏んだり蹴ったりだな」

 「そうだ。この2ヶ月の浪費は日本軍にとって最大の幸運であった」

 「2ヶ月も同じ場所にいると退屈しません?」

 「そうだ。こういう場合はやることは1つしかない」

 「アレか?」

 「そうだ」

 「アレって何よ」

 「やることが1つしかないは大袈裟だが、未開の漁村(ノシベ)に使い道のない金を持った大量の男がいるのだぞ」

 「あーなるほど(ニヤニヤ)」

 「……想像がついてきたわ」

 「利に聡い人間が集まり、ノシベは一大歓楽地と化した。白人は高いので士官の相手をし、現地人は下士官や兵を客に取ったという」

 「またベタな話だな」

 「売春婦ならまだいい。現地の男が家に客を引き込んで妻や娘に相手をさせたという話まである」

 「あまり想像したくない構図ね」

 「所詮そんなもんだ」

 「結果、艦隊の規律が乱れきった」

 「ますますロジェストウェンスキーにとって頭の痛くなる話だな」

 「最後に、ノシベに停泊中のバルチック艦隊を評した秋山真之の言葉を置いておこう」

以下続く……筈

 

 

 

 「あれ? 明石工作はどうなったんです」

 「ぶっちゃけ作者が困ってる」

 「いつものことだけど」

 「明石工作というのはスパイ活動だから、文献その他が残っていないのだ」

 「公刊戦史を読んでいない作者がその言い訳をするのは無理があるぞ」

 「参考資料としては坂の上の雲の『大諜報』と豊田穣氏の『情報将軍明石元二郎』があるが作者の能力では講義化しづらい」

 「これらをもとに演劇形式になるんじゃないかと考えているそうだ」

 「脚本家の能力もないんだから演劇形式もやめたほうがいいのに」

 「この場合は原作があるから脚本能力じゃなくて演出能力だろうが」

 「作者が資料として信頼している日露戦争と軍閥興亡史であまり触れられてないのが痛い」

 「言い訳はいいですから」

 「とりあえずここではこの時期に日本の諜報分野で活躍したであろう人物の名前を挙げておく」

 「絶対他にもいるけどな」

 「なんで最後に秋山好古の名前があるのよ」

 「秋山好古といえば日本騎兵隊の父だ。騎兵といえば」

 「機動力を生かしての偵察か」

 「そうだ。だが次回で触れるのはそこではない」

 「何をやるのよ」

 「黒溝台会戦だ」

 「ありていに言えば日本陸軍最大の危機だ」

 「常に綱渡りの日本陸軍が陥った危機とは何なんだ?」

 「それは次回のお楽しみだ」

 

 

 

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 「本当に疾駆すればいいんですけどね……」


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※一部アイコンをむーちゃさまのロシアという国からお借りしました
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