ルリ先生の補習授業

 「さて、5時間目は第四次中東戦争についてです。

第四次では、精神コマンド「幸運」は「経験値&資金2倍」という今では考えられないような美味しい効果を持っていました。

ZZガンダムも、今では気力が必要な上に低威力+射程が短いという使えない武器ですが、第四次では気力が100で射てる上に「魂+幸運」で、もうウハウハだったのです。

第四次でのアムロ=レイはただでさえ強いのに、その上幸運も持っているという恐ろしいキャラでした。

このアムロをZZガンダムに乗せて経験値と資金を稼ぎ、何回か全滅プレイを繰り返せばすればあっと言う間に大金持ちです。

おそらくアムロが一番使えるのは第四次ではないかと思います。

しかし、それと同様に恐ろしいのがビルバインに乗ったショウ=ザマ。

ほぼ100%の確率で回避してくれる上にハイパーオーラ斬りが反則のような強さで、ラスト近いシナリオにおいてゲスト軍のボスクラスの敵をタイマンで撃退できるのは彼くらいなものです。

ニュータイプは避ける、当てる、クリティカルと3拍子揃った連中が集まり、主力メンバーの半分はニュータイプという状況でした。

なんつーか、ニュータイプ無しで本当にこのゲームはクリアできるのだろうか?とか思ってしまいます」

 「・・・・」

 「エルガイム系は、バスターランチャー装備のエルガイムmkUが手に入るまで2軍なのですが、レッシィさん 資料が無い・・・。 が個人的にツボなキャラなので必死で使ってました。

彼女のように「男勝りでプライド高いけど、実は王子様に憧れている系のお姉さんキャラ」は実にいいと思います。

それにしても、なぜあの人はやたらと裸になりたがるのでしょうか?

まあそれはそれでいいのですが、もう少し使える精神コマンド持ってればありがたいですね。

能力的にはダバくん  と互角なのに、なにぶん精神コマンドが使えないので使いどころが難しいです。

それに存在価値がMAP兵器オンリーではサイバスターと同じになってしまいます。

そう言えばマサキくん  も「α」では全然使えないキャラになってましたね。

第4次及びF完結編であれほど使えたサイフラッシュは一体どこへ行ってしまったのでしょう。

二回行動もできない、サイフラッシュの連発もできない。

まあ今までの強さが異常だったというだけかもしれませんけどね」

 「待て」

 「・・・何ですか?」

 「第四次って・・・あんたの言ってるのは第四次スーパーロボット大戦でしょうが!

第四次中東戦争はどうなったのよ!?」

 「似たようなものじゃないですか」

 「似てねぇよ・・・」

 「その通りだ!

 「あ、コーチ」

 「「あ、コーチ」ではない!

なんださっきからわけのわからん意味不明の会話は!読者が飽れているではないか!

このコンテンツは、『スーパーロボット大戦』のパロディ小説ではない!」

 「お。ようやくまともなキャラが出てきたわね」

 「貴様らにこの小説を任せるわけにはいかん!

いいか! わたしがこれからじっくり、こってり、メルカヴァについて語ってやろう!」

 「・・・をい」

 「そもそもメルカヴァシリーズは、第3次中東戦争(=6日間戦争)で米英がイスラエル支援が難しくなったことによって、イスラエルが兵器を外部から購入できなくなったことが開発の発端だ。

イスラエル版 真珠湾攻撃(パールハーバー)とも言うべき第三次中東戦争は、イスラエルの勝利に終わったが、国際社会から孤立してしまったイスラエルは西側の援助を受けにくくなってしまった。

一方、宿敵であるアラブ諸国はソ連製の新型戦車が次々と配備され、イスラエルは新型の戦車の量産を余儀なくされた。

イスラエル国産戦車開発プランは1967年にスタートし、メルカバmk1プロトタイプが完成したのは1974年のことだ。

1979年には最初の量産車が第7機甲旅団に配備され、実戦に投入されたのは1982年のレバノン侵攻作戦が最初となっている。

ここは去年のセンター試験にも出たからよくチェックしておけ!」

 「ねぇ大学入試に出たってホントなの?」

 「冗談に決まってるじゃないですか」

 「ちょっとでも本気にしたあなた・・・。レッドゾーン

 「誰に話してるの、レイ?」

 「別に・・・」

 「イスラエル戦車の代名詞であるメルカバシリーズ最大の特徴は、人命尊重の概念だ。

兵士一人一人が優秀であるが、絶対数が少ないイスラエルにとって、有能な兵士がバタバタと死んでしまう事態は国家の存亡に関わる問題となる。

『出産数>戦死者数』ならば人口は減らないという考え方のソ連とはここが大きく異なる。

彼(か)のような全体主義国家の戦車は人間工学を無視して、生産効率と安さを追及した戦車となる。

根本的に搭乗員の命など考えていない。

『質でダメなら数で押せ』が全体主義国家の基本思想なのは、WWU(ワールド・ウォ―・ツー)の頃からまったく変わっていないからだ」

 「WWU(第二次世界大戦)のアメリカもそんな感じでしたよね。

冷戦になるとドイツ軍の技術が入ってきたもんだから全く別モノになっちゃったけど」

 「基本的に戦車のエンジンは、車体の後ろにある。

だがメルカヴァは前方へ配置した。

エンジンやトランスミッションさえも防弾パーツとして考えるため、パイロットの生存率が非常に高い。

冷戦時代の戦車は、戦場が限られているため汎用ではなく局地用の性能が求められる。

砂漠戦で100%を発揮できれば、その他の地帯で80%の性能しか発揮できなくても問題ないというコンセプトで作られているのだ。

したがって、メルカヴァはロシアの雪原で戦うことは想定されていない。

あくまでアラブ諸国と戦うために作られた対アラブ戦車というわけだ。

戦車の性能は何を基準にするかによって評価が別れるが、連戦連勝を続けるメルカバシリーズは世界最強と呼んでも過言ではないだろう」

 「・・・」

 「どうした? 疑問があれば手を上げろ。

わからないことは恥ではない。

わからないことを認めないことが恥なのだ

 「じゃあ聞くけどさ。中東戦争の方はどうなっちゃったのよ?

戦車もいいだろうけど、読者が読みたいのはこんなアホな会話じゃないでしょうに・・・」

 「説明しよう。

世界最強は米軍のM1エイブラムスという評価もある。

確かに、M1が湾岸戦争で華々しい戦績を誇った無敵の戦車であることは否定できない事実だ。

しかし、米軍のエイブラムスの場合は戦車そのものの性能よりも、衛星からのデータやその他の高感度センサーがその戦績の重要な要素(ファクター)を占めている。

なにせ砂嵐でイラク軍が何も見えない状態でも、米軍は相手の位置がわかるのだ。

はっきり言ってM1の強さは戦車そのものよりも、米軍自体が持つ情報戦の強さにある。

イラク兵捕虜が「これはフェアな戦争じゃない。エイブラムスはこちらの射程距離外から一方的に撃ってくるんだ!」というコメントを残しているのも無理はない話と言えよう」

 「そうじゃねぇだろ・・・」

 「なぬ? ここまで言ってもわからんと言うのか?

むぅ・・・。

最近の中学生は学力低下が深刻な問題になっているという話を聞いているが、まさかここまで酷いとは・・・。

中学校の教師は一体何をしているのだ?」

ぷるるるるるるる!

 「誰だ!授業中に携帯鳴らしてるヤツは!?」

 「す、すみません! え〜と、え〜と・・・」

 「お前か、タカヤ! どうして電源を切っておかない!

そんなことでは余所へ行って「マナーが悪い」と言われるぞ!」

 「あ、お姉さまからだ。

もしもし。あ、はいノリコです。はい。コーチですか?」

 「なんだと!? い、いかん! 俺は居ないと言え!

 「コーチならいますけど・・・。はい」

 「ば、馬鹿者・・・!」

 「コーチ。なんかお姉さま怒ってるみたいですよ。・・・・どうしたんです?」

 「な、なんでもない・・・。そ、それでなんと言っている・・・?」

 「はい。え?あ、はい。わかりました。

コーチ。「今すぐ帰って来い」って言ってます。今度は一体何やったんですか?」

 「ま、まずい!なんということだ・・・! か、代われタカヤ!」

 「あ、切れた」

 「・・・・・・・・・」

 「コーチ? 顔が真っ青・・・」

 「すまんが急用ができた! 俺は行かねばならん! この埋め合わせは今度する!ではさらばだ!

ぶつぶつ・・・しまった。コインランドリーに迎えに行くの忘れていた・・・。なんとかせねば・・・・」

 「あーあ、行っちゃった」

 「・・・外では強いけど、家の中では奥さんの尻に引かれるタイプの男ね・・・」

 「そんな設定なかったけどなぁ・・・」

 「まぁ、所詮はパロディ小説なんで気にせずにいきましょう。

とりあえず中東の地図を出しておきます。

毎回見てれば少しは覚えるでしょうから」

 「さて、欧米からアラブのヒトラーと呼ばれた演劇部出身のエジプト大統領ナセルは1970年、ヨルダン内戦が終結した翌日に心臓発作で病死してしまいました。

そしてナセルと同様の政党出身のサダトという人が第2代エジプト共和国大統領となったのです。

このサダトさんはナセルの意志を継ぎ、1971年にはエジプト・シリア・リビアが」アラブ共和国連邦を作りました。

といっても各国政府機能はそのままで、ようするに反イスラエル連合軍です」

 「またかい・・・。統合したり分裂したりしてわかりにくいなぁ・・・」

 「再戦のための停戦。

破壊のための建設。

歴史の果てから、連綿と続くこの愚かな行為。

ある者は悩み、ある者は傷つき、ある者は自らに絶望する。

だが、営みは絶えることなく続き、また誰かが呟く。

たまには火薬の臭いを嗅ぐのも悪くない

 「なにそれ?」

 「次回「思惑」。神も、ピリオドを打たない」

 「次回って・・・。元ネタ何よ?」

 「・・・・その答えは「YES」である・・・」

 「わけわかんねぇよ」

 「近代アラブの歴史がとても複雑なのはわかります。

書いてる方もよくわからないのに、それを読者に理解させるのは無理な話です。

そこでちょっとまとめてみることにします」

 

 

1958年 アラブ連合共和国(エジプト・シリア)

↓ 

1961年 崩壊

1963年 アラブ連合共和国連邦(エジプト・シリア・イラク)

1963年 崩壊

1971年 アラブ共和国連邦(エジプト・シリア・リビア)

1977年 崩壊

Go!

 

 

 「と、これが10秒でわかる近代アラブの歴史ですね」

 「・・・・・えーと、なんか身もフタもない歴史ね」

 「いいんじゃないの? わかりやすさ超重視だし」

 「・・・わかりやすさとは、身もフタもないことである・・・」

 「うーん」

 「さて、今までの中東戦争は『アラブVSイスラエル』という構図でしたが、実際に戦っているアラブ人はほとんどがエジプト人でした。

エジプトとイスラエルが戦うたびに相互の対外関係が混乱を呼び、結局エジプトとイスラエルが戦うことで当事者が得る利益などほとんどないのが実状だったのです。

おまけに負け戦の連続でエジプト国内は貧しさが一段と増しており、「このままでは国が崩壊してしまう」というところまで追い詰められていました。

3度の中東戦争で3万の兵士が死に、5万5千の兵士が負傷したエジプトでは「政府はアラブのためではなく、エジプトのために働くべきだ」という声が高まっていたのです。

とうわけで、いい加減エジプトはイスラエルとは講和したかったわけです」

 「エジプトとイスラエルが戦争すれば、喜ぶのは他の連中だもんね」

 「そしてそれ以上の理由として、1960年代にすでにイスラエルが武装している可能性が高いということが上げられます。

世界中から孤立しようが国家存続のためなら平気で国連を無視するハングリー精神の塊のような国家イスラエルは、国が滅亡するくらいならば核兵器を使用する可能性があります。

すなわち、イスラエルを地上から抹殺するのは事実上不可能であるということです」

 「でもちょっと待ってよ。なんでイスラエルが核燃料のプルトニウムなんて持ってるわけ?

そこらのスーパーじゃ売ってないでしょ?」

 「なんかハリウッド映画にありそうなセリフね」

 「きっと、元ネタはバック・トゥ・ザ・フューチャー1ですよ。

ドクがマーティに言ったあのセリフ。

で、そのあとに「今の時代、1.21ギガ・ワットの電流を作れるのは雷くらいしかないんだ」って続くわけです」

 「外野うるさい!」

 「イスラエル核武装説についてはいろいろな説がありまして、テッサ先生の補習授業では「イスラエルのモサドが盗んだ」と言いましたが、あれは「CIAがわざと盗ませた」という説もあるのです。

フランスの核紛失もモサドではなく、実はCIAの工作ではないか?という説があります。

世界屈指の妄想小説家トム・クランシーが原作のハリウッド映画『トータル・フィアーズ(2002年)』によれば、イスラエルが第四次中東戦争で実戦投入しようとした核爆弾は1962年のアメリカ製プルトニウムとか言ってますが、どこまで信頼できるのかわかりません。

ひょっとしたら本当の話かもしれませんし、うそかも知れません。

何せイスラエルは国連の査察を拒否しているので、核兵器の有無は外部の人間にはわからないのです。

どちらにしろ、イスラエルが核武装しているのはまず間違いないと言っていいでしょう」

 「それってよく言われてるけど、イスラエルは公式には核保有を認めてないんでしょ?

核武装で脅せば有利になるのにどうして公表しないわけ?」

 「それはイスラエルがアメリカに経済援助を受けているからです。

アメリカ合衆国の法律では「核保有国への経済援助は禁止」となっています。

もしイスラエルが公式に核武装を宣言すれば、アメリカはイスラエル援助ができなくなるのです。

裏ではともかく、少なくとも公然とした援助ができなくなるため、イスラエルも核保有を宣言できない状態にあります。

実は、核兵器の有無などどうでもいいのです。

イスラエルが核武装していなかったとしても全然問題ないでしょう。

要するに「あの国は核を持っているかもしれない、だから迂闊なことはできない」と相手を脅すだけで十分なのです」

 「核兵器の政治的な価値ってヤツね」

 「その通り。

イスラエルにとっては、アラブ諸国が「イスラエルは核を持っているかもしれない」と思えばそれで十分であり、わざわざ自分から「平和の脅威」となる必要はないのです」

 「平和万歳ってのも、結局は政治のカードに過ぎないってわけか・・・」

 「そういうことですね。

さて講和したいエジプトですが、問題はどのタイミングで講和するか?という点にあります。

1967年の第三次中東戦争では、イスラエルの三正面作戦によりエジプト・シリア・ヨルダンの三カ国軍は各個撃破されて大敗。

エジプトはスエズ運河とシナイ半島を、シリアはゴラン高原を、ヨルダンはヨルダン川西岸地区を奪われてしまいました」

 「このスエズ運河とシナイ半島をどうやって取り戻すか?

これがサダト大統領の悩みどころでした。

エジプトが頭を下げれば占領地が戻ってくるというのならば、これに越したことはありません。

しかし、そんなことはまずあり得ません。

イスラエルは「YES」とは言わないでしょう。

イスラエル側とすれば、返した途端に奇襲攻撃を喰らうかもしれないからです。

日本が長年、ソ連に「北方領土を返せ」と言っても絶対に返してくれないように、領土問題は血を流さなければ解決しないことは歴史が証明しています。

日清戦争の賠償に他の国が干渉した三国干渉は、あくまで異例中の異例。

要求する国(ロシア・フランス・ドイツ)とされる国(日本)の国力差が10倍も20倍も違ったからです。

逆に言うと、それほどの戦力差がなければ平和的解決は不可能ということでもあります。

そこでエジプトは、イスラエルと講和するためにアメリカに仲介に入ってもらおうとしたのです。

サウジアラビアのファイサル国王やアメリカがかねてから要請していた通り、エジプトはソ連の軍事顧問を引き揚げさせました。

これでアメリカも協力してくれるだろう。

そしてアメリカが言えば、イスラエルも和平の話に乗らざるを得ないだろう。

エジプトはそう思いました。

しかし、そんな甘い考えで物事がうまくいくはずありません。

アメリカにしてみれば、それまでアラブの反米中心国であるエジプトがいきなり「親米」とか言っても信用できるわけがないのです。

結局、アメリカが動くことはなく、エジプトは独力で和平への道を探ることになります」

 「疑り深いわねぇ・・・」

 「いえいえ。

これが普通なんですよ。

日本人は頭がイカれてるのでアメリカの行動がおかしく見えるだけです」

 「イカれてるって、をい・・・」

 「アメリカに仲介役を頼む作戦が失敗したものの、やはりサダト大統領はイスラエルとの講和を諦めていませんでした。

スエズ運河とシナイ半島を取り戻した上で、イスラエルと講和

これがサダト大統領の目標となります。

というわけでイスラエルを交渉のテーブルに座らせるために戦争を仕掛けてシナイ半島を取り戻し、そのあとで講和するという作戦を建てることになります」

 「そんな上手くいくかしら? まあ負け戦の連続だから素直に講和しても相手には「降伏」と見られちゃうだろうけどね」

 「そこはそれ。

いろいろ作戦を立てることになります。

そして、その負け戦の連続がイスラエルとの講和との理由の一つでもありました。

なんせソ連製兵器は役に立たないため、「イスラエルに勝つことは無理」ということはエジプト自身がよく知っていたのです」

 「ソ連兵器が役に立たない? でもソ連兵器って優秀って聞いたわよ?」

 「兵器の優劣というよりは、使用国との相性の問題なんです。

ソ連や中国のように人間の命など屁とも思わない共産主義国家の場合、死者の数は大して問題になりません。

だから『損害多くてもOK』な戦術を取ることができれば、ソ連製兵器はかなり使えます。

しかし、そんなテレビゲームのような戦術を現実世界で取る国はソ連や中国くらいなもの。

アラブとアカでは兵器の運用の仕方が違うため、どうしてもアラブ国家はソ連製兵器の性能を100%引き出すことはできないのです」

 「60年代のソ連が宇宙開発でアメリカを一歩リードしていた理由のも、科学者が死んでも大して問題にならないからだったしね。

リツコが聞いたら羨ましがるわ」

 「ソ連に比べればネルフなんて可愛いもの・・・」

 「恐るべしソビエト連邦・・・

まさかネルフよりもマッドな研究をしている連中が現実の世界でいるとは・・・」

 「というわけでエジプト兵は従来の兵器では勝てないことを知っていました。

ソ連製戦闘機ではイスラエル空軍のF14トムキャットや、F15イーグルには敵わず、制空権を取られてしまうため、中東戦争では一方的に負けてしまっていたのです。

そこで新兵器の登場となります。

一度追い出したソ連を再び呼び戻し、ソ連製装備に身を固めたエジプト軍。

そこには配備されたばかりの新型兵器、地対空ミサイルSA6が姿を見せていたのです」

↑ 地対空ミサイルSA6 SA-6 Gainful)

 「ミサイル大好きフルシチョフ  が積極的にミサイルを配備したため、1950〜60年代のソ連はミサイル兵器が充実していました。

キューバ危機の後にクーデターで失脚してしまったスターリングラード攻防戦の英雄ですが、彼が失脚してしまったのはミサイルを重視したため、戦車燃えの人たちから反感を買ったという説すらあります」

 「戦車燃えって、をい・・・」

 「だって連中は価値観の異なる指導者は認めないんでしょ?

だったらありうる話よね」

 「まさかね・・・」

 「まぁそれはないと思いますが、100%否定できないところがソ連の恐ろしさです。

何せ西側の人間には理解不能な行動パターンを繰り返す連中ですから。

唯一の救いは全面核戦争を避けようとしている点でしょうか。

当たり前といえば当たり前ですけどね」

 

 朝日新聞 2002年10月13日
【ロサンゼルス=伊藤千尋】世界が核戦争の寸前に陥った62年10月のキューバ危機から40年。同国の首都ハバナで11日、記念の会議が始まった。米国で は同日、新資料が公開され、危機が回避された後も旧ソ連のフルシチョフ首相はキューバ側の暴走が戦争を誘発すると危惧(きぐ)していた事実が改めて裏付け られた。
 公表された新資料にはフルシチョフ氏が危機の翌11月にキューバのソ連外交顧問団にあてた書簡が含まれていた。同氏「キューバは緊張を高め、我々を米国との戦争に巻き込もうとしている」と書いている。 頭ごしにミサイル撤去を決定されて怒ったカストロ議長が米国を刺激し、戦争に発展するのを恐れていたという。会議に招待された米ジョージ・ワシントン大学の研究機関が公表した。
ハバナでの会議には当事者のカストロ国家評議会議長も背広姿で出席した。

 

 「カストロさんも若かったですね。

キューバ危機の頃のキューバはやる気満々でした」

 「やる気満々って・・・をい」

 「これが若さゆえの過ちというヤツです」

 「うーん…」

 「おそらくカストロさんは、核戦争なんてデッカイ花火大会みたいなものくらいにしか思ってなかったのではないでしょうか?

恐ろしい話ですね」

 「そこまでイカれてるヤツはいねぇだろ」

 「毛沢東は、地球で核戦争が起きても銀河系から見れば大したことないとか言ってたわよ」

 「マジかよ…」

 「ようするに世界は広いってことですよ。

話を元に戻します。

ソ連製の新型兵器を補充し、反イスラエルのシリアと「イスラエル同時攻撃」の密約を整えたエジプト軍は1973年10月6日に奇襲攻撃を仕掛けました。

第四次中東戦争の勃発です。

さて、いろんな国の名前が出てきますから、地図で確認しておきましょう」

 「見ての通り、イスラエルの西がエジプト、東がヨルダン、北がシリア、南がサウジアラビアです。

第4次中東戦争勃発の10月6日は、ユダヤ教ではヨム・キプールと呼ばれています。

要するにユダヤ教徒が一日中お祈りをする日で、国中がお休みのイスラエルはアラブからの奇襲攻撃を喰らうことになりました。

しかし、世界一の諜報機関であるイスラエルのモサドも全く予想していなかったわけではありません。

エジプトとの最前線に構築された陣地、通称パーレブラインは、突如対岸から砲爆撃を受けますが、そこで時間を稼げば戦況を立て直すことは十分可能なはずだったのです。

スエズ運河のイスラエル側には高さ3メートルの土塁が築かれていました。

この土塁を取り除かねば戦車部隊は移動することができないため、アラブはこれを取り除くために2週間はかかるはずと予想していたのです」

 「3mって言うと1階建ての建物くらいですね」

 「しかし、イスラエルの予想を裏切ってエジプトはあっという間に侵攻します。

エジプトは、あらかじめドイツから消防用の強力な水圧で放水する放水車を購入していたのです。

なんせ戦場は運河ですから水は腐るほどあります。

この放水の水圧による除去作業によって、わずか3時間でエジプト軍はスエズ運河の防衛線を突破することに成功しました。

一方のイスラエル軍は混乱に陥りました。

まさかこんなに早く防衛ラインが突破されるとは思ってもなかったのです。

しかし、まだ手はありました。

連戦連勝イスラエル空軍のお出ましです。

しかし、これが先ほど言った地対空ミサイルSA6の格好の餌食になってしまいます。

まさか地上からミサイルが飛んでくるとは思っていなかったイスラエル空軍は大きなダメージを受け撤退。

続く地上戦でも、ソ連製PRG−7ロケットランチャーを装備したエジプト軍歩兵がイスラエル戦車を撃破。

何もかもが裏をかかれてしまったイスラエル軍は撤退を余儀なくされ、エジプト軍はシナイ半島を東進することになります」

 「凄い勢いね」

 「ところがその頃エジプトと同時に攻撃を仕掛けたシリアは返り撃ちにあっていたのです。

制空権を取られ、首都ダマスカスまであと一歩というところまで追い詰められてしまいます。

シリアがピンチになると、ようやくイラクとサウジが重い腰を上げました。

しかし、シリアとはアラブの主導をめぐってのライバルであるイラク、シリアとは王政と共和制で仲が悪いサウジアラビア。

同じアラブでもお互いが敵同士であるこの二ヶ国は大した兵力も送らず、結果としてシリアはイスラエルに降伏してしまいました」

 「仲が悪くて自爆しちゃったわけね」

 「ま、いつものことだけどね」

 「最初からサウジとイラクが協力していればイスラエルは負けていたかもしれません。

しかし、お互いがバラバラのアラブがそんなことをできるわけもなく、第4次中東戦争開始数日でエジプト以外の国が戦場を去ることになりました。

こうなってくるとエジプトは中東最強のイスラエル軍を一国で相手にしないといけなくなります。

ところが、さすがのイスラエルもシリア・イラク・サウジ連合軍との戦いでダメージは大きかったのです。

このままではエジプトにイスラエルが滅ぼされてしまう。

そこでイスラエルはアメリカに武器の供給を頼みました」

 「でもそんな上手くいくわけ?

このときのイスラエルは国際社会から完全に孤立してたんでしょ?

第三次中東戦争でイスラエルは国際世論から批難されまくってたんだし。

そんなイスラエルを庇ったらアメリカは損しちゃうじゃない。

特に1973年のアメリカはベトナム症候群で自閉症気味だっただろうしね」

 「そう。

イスラエルのピンチとなればアメリカは協力してくれるでしょう。

しかし事は一刻を争います。

アメリカに考える時間を与える余裕など無いのです。

そこでイスラエルは、当時はまだ3発しかなかった核弾頭をカイロなどに照準を合わせた上で、「アメリカ政府を威嚇」しました。

もしイスラエルが滅びるときはただでは死なん。

貴様も一緒に連れて行く

まるでパプティマス=シロッコのようなイスラエルの態度にアメリカはビビリました。

このままエジプトがイスラエルを追い詰めれば、中東で核戦争が起きてしまう。

そんなことになったら石油の値段が上がるどころの騒ぎではない。

石油資源そのものの消滅・・・。

それだけは避けねばならない。

かくしてイスラエルは最新鋭の命中率97%のインコム・・・ごほん、有線式対戦車ミサイル4000発を獲得、その他の機甲師団も補給が完了すると反撃に転じ、エジプト軍の勢いを押し戻すこと成功します。

戦いはイスラエルが制し、10月16日、イスラエルがエジプトの首都カイロに侵攻しようかというところで、モサドの情報網に「ソ連が動くかも知れない」という情報がかかりました。

アメリカがイスラエルに武器を供給すれば、ソ連はアラブを支援する。

ソ連がアラブを支援するから、アメリカはイスラエルを支援する。

これが中東戦争の持つ、米ソの代理戦争としての性格です。

イスラエルとしてはソ連までが出てきてもらっては困ります。

ソ連にしてみれば、中東でイスラエルが力を強くしてしまうことは結果としてアメリカを強くすることなので、見過ごすわけにはいかないのです。

しかし、やはり第二次大戦戦勝国として、イスラエル建国はソ連も承認しているため、ソ連としてもイスラエルの存在を邪険に出来ないのです。

そして戦況が膠着状態に陥った頃合いを見て、国連が停戦を呼びかけました。

1973年10月23日、第4次中東戦争はその幕を閉じたのです。」

 「・・・要するに、どこの国もお互いを利用しあってるだけなのね」

 「どちらかが一方的に悪いという勧善懲悪で物事は測れません。

が、日本はイスラエル寄りの国です。

なぜならば日本はアメリカの同盟国であり、アラブが力をつけてしまうと日本も困ってしまうからです。

どうしてもアラブを応援したければ中東の石油に頼らない経済力、米軍に頼らない軍事力を保有する必要がありますが、どちらも現時点は不可能です。

アラブには悪いですが、日本もアラブを気遣う余裕などないので仕方ありません。

イスラエルがパレスチナ難民を虐殺したり、イスラエルが核武装したり、イスラエルがイラクの核施設を爆撃したのを黙認するのも日本が独立を保つためには仕方がないのです」

 「イラクの核施設を爆撃? そんなことしてたの?」

 「はい。

1979年4月にはフランスから買った原子炉をイスラエルのモサドが爆破。

1980年9月には、イランが各施設を爆撃しましたが、失敗に終わり、その代わりにイスラエル空軍が爆撃したのです」

 「中東戦争は終わったんでしょ? 戦争状態でもないのに爆撃するわけ?」

 「戦争状態ではないと思っているのは日本人だけですよ。

平和とは、次の戦争の準備期間である

自分たちを殺したくてウズウズしている連中が、軍備拡大にやっきになっている。

たとえ国際世論が爆撃はダメだと言っても、実際に脅威になっているイスラエルにとっては死活問題です。

イラクの政治家が、もしもイスラエルの政治家だったとしたら、やはり同じように命じるでしょう。

国際法違反だろうがなんだろうが、自国を守るためには仕方がありません。

国際法を守っても、国際社会はイスラエルを守ってくれない。

これは紛れも無い現実です。

そして国際法はその程度のものでしかない。

ならばイスラエルは自分で自分を守るしかありません。

これはアラブにも言えます。

アラブが自爆テロをするのも、国際社会がイスラエルを止めてくれないからです。

そして日本が何をやっているかというと、せいぜいお金を援助するくらいしかしていない。

イスラエルとアラブ。

この両者を黙らせる軍事力を持った中立国が、ボランティアで国連軍を行う以外に中東和平などあり得ません。

が、現実問題としてそれは不可能です。

結局、日本は中東和平どころか、自国防衛さえ不可能なため、アメリカ寄り。

引いてはイスラエル寄りにならざるを得ないのです」

 「日本は弱小国だからねぇ・・・。

浜コーがテレビタックルで「日本はアメリカの植民地」って言っているのも無理はないわね・・・」

 「たとえ徴兵制を復活させても米・中・ロを同時に相手にするのは不可能・・・。

軍備が整う前に潰されるのがオチ・・・」

 「そうですね。

ですがこの悪の三大帝国の中でも米国はまだマシだといえます。

米国とは戦うよりも手を組んだほうが豊かな生活ができる

・・・のですが、それを認めないアラブは、第4次中東戦争後にOPECを結成して石油の値段を上げました。

イスラエルに援助する国には石油を売らん!

アラブの怒りが爆発し、そのとばっちりで日本ではオイルショックが起きたのです」

 「トイレットペーパーが品切れになるというあれね」

 「当時の日本は火力発電で、その主燃料は石油でした。

つまり石油が無くなるということは電気も作れなくなってしまい、経済どころか生活すら壊れるということになってしまいます。

以後の日本ではできるだけ石油に依存しない技術開発が促進されてしますが、所詮は気休め

国内の石油の備蓄は半年持つそうですが、その間にいくつの会社が潰れてしまうかわかったものではありません。

生きることは可能ですが、生活レベルが保てるかどうかは別問題なのです。

結局、日本人の生活が石油に依存していることには変わらないのが現状なのですね」

 「・・・そこまでわかってて何でアメリカに協力しないわけ?」

 「アメリカが嫌いだから!

 「そんな単純な理由かよ・・・」

 「日本のマスコミは西側の情報は流すんですが、東側の情報はあまり流さないんですよ。

基本的に西側は情報規制が少ないから悪事がガンガン流れますが、東側は情報を規制しているためほとんど流れません。

だから「またアメリカが〜した」「また米軍が〜した」という一部の情報のみがリークされ、そこしか見ないから反米感情が高まりやすいってことですね」

 「いわゆる情報操作ってヤツね」

 「今ではインターネットで東側の情報も入手しやすくなりました。

IT革命のおかげというヤツですね」

 

 参考資料: 2003/7/2/01:04 読売新聞
【香港=関泰晴】中国返還6周年を1日に迎えた香港で、反乱扇動罪や国家分裂罪などの法律を制定・改正して、中国に対する反体制的活動の規制を狙う立法作業に反対する大規模デモが行われた。デモは香港の民主派グループが主催。1989年の天安門事件以降で最大の50万人(主催者発表)の市民が参加して、「自由を守れ」などと叫んで中心街を練り歩いた。 立法作業は、香港の憲法に当たる基本法23条の規定(国家分裂や中央政府転覆などを禁じる法律を香港政府が自ら制定する)に基づく。法案は立法議会で審議中で香港政府は今月中の法律制定を目指している。 最近、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の感染を隠そうとした中国の対応を巡り、市民の間で言論・報道の自由を再認識する動きが広がった。こうした中、香港政府が進める立法作業に関して「香港の自由が損なわれる」と懸念の声が高まり、当初予想の10万人を大幅に超える市民が反対デモに参加した。

 

 「香港返還の前後からジャッキー=チェンなどの香港スターがハリウッド進出をしてましたが、このような状況を見る限り、ハリウッド進出というよりはハリウッドへの脱出としか思えません。

情報や表現の自由を認めない中共の一部になった香港で今までのような活動ができるわけないことは、中共を知っている人間ならば簡単に予想がつくことです」

 「でも日本のマスコミは大々的には公表しないのよね。

中共の悪事は捜せばいくらでも見つかるってのに」

 「そっちの方が視聴者に受けがいいですから。視聴率取れればいいんですよ」

 「バラエティーならともかく、ニュースでそんなことしてていいわけ?」

 「経済は社会の資本、人気は御飯(おまんま)のバロメーターよん♪」

 「・・・昔の人が言ってた・・・。いつまでもあると思うな人気と仕事・・・」

 「明日の保証がないこの時代、仕事があるだけマシってことね」

 「ようするにアメリカ叩きの記事だと売れるってことか・・・まあ、「販売数=魂の価値」って社会じゃ無理もないかもね・・」

 「人間というのは「個人」ならば頭のいい人はかなり多いんです。

ただ、それが「集団」になってしまうと信じられないほどアホな選択をしてしまうだけです。

マスコミの中にも頭のいい人や、現実的に物事を見る人はたくさんいるでしょうが、それが新聞社やテレビ局という「集団」の中に取り込まれてしまうと個人の意見や価値観などは潰されてしまう。

偏ったニュースで喜ぶ人間が多ければ、自然と偏ったニュースが流れる。

したがって偏ったニュースで喜ぶ人間が少なければ、偏らないニュースが流れるでしょう。

日本のマスコミに自浄能力はありません。

これは断言できます。

あいつらは、100年以上前から全然変わってないからです。

特に朝日新聞は最悪です。

「朝日新聞は北朝鮮関連の情報を日本一早く伝えていました」とか最近になって言ってますが、「地上の楽園」とか「人間の解放」とか、そーいうのが情報と言えるでしょうか?

それは情報ではなく、情報操作、もしくは偽情報と言います」

 「朝日は読むものじゃないわ、飲むものよん♪

 「なんか違う・・・」

 「朝日だけではありません。

他の新聞社も大同小異。

日本の新聞は所詮は商業誌。

権力や販売数に左右される商業主義者に中立の記事は書けません。

たとえ書いたとしても、社内の圧力で発表前に潰されるのがオチです。

だからマスコミに自浄を期待するよりも、まず先に国民が変わらねばならないと思います。

それも一人や二人が勉強しても意味などありません。

国家レベルで勉強しなくては意味がないのです。

そのためには、より面白い記事を、より魅力的な記事を、より多くの人に読んでもらうような記事を作り、政治に無関心な人たちの魂に火をつけることができれば、あと勝手に燃え上がってくれるでしょう。

必要なのは名作です」

 「・・・で、名作目指した結果がこれなワケ?

こんな軍事オタクとアニメオタクしか喜ばないような毒電波の塊が?」

 「だって、こういうのじゃないと誰も読んでくれないじゃないですか。

こっちだって固い文章なんぞ読みたくないし、難しい単語なんて見ただけで読む気が失せます。

それは多くの人がそうでしょう?

作者が読みたくないものを誰が読むというのです?

別に小難しいことを理解させることなんて望んじゃいません。

大切なのは興味を持たせることです。

興味を持てばあとは勝手に成長していきます。

人間とはそういうものです。

そしてしばらくすれば、「学問のすすめ」を読んで笑える人間になってくれるはずです」

 「それって末期患者じゃ・・・」

 「末期とか言わないで下さい。

さて、このオイルショックの直接の原因は「値段が上がる前に石油を確保せねば!」と焦った政府や業者が買占めを行ったことにありますが、やはり石油の値段の変動が根底にあります。

問題は、ちょっとでも石油の値段が上がってしまえば、その情報が憶測を呼び、憶測がパニックを呼ぶという悪循環を辿ってしまうという日本経済の構造が明らかになったことです。

このように、一つの小さな事柄が他の大きな事柄を左右する現象をバタフライ効果と言います。

第4次中東戦争で、イスラエルを倒すことはできなかったエジプトですが、それまでのイスラエル不敗神話を切り崩し、『アラブでもイスラエルを倒すことは可能である』と世界に証明することに成功しました。

当のイスラエルも、エジプトは雑魚ではなく、いつ侵略してくるかわからない強敵であるという認識が強まったのです。

エジプト・サダト大統領の目的の一つ、『イスラエルを交渉のテーブルに座らせること』が部分的にも成功したということです。

アラブといえば石油、石油と言えばお金ですが、エジプトは石油など出ません。

エジプトの主産業はあくまで観光です。

観光を盛りたてるには、旅行客が自由に行き来できる自由主義が適しています。

そこでサダト大統領は、従来の親ソ方針をやめ、親米方針に切り替えました。

自由主義を導入し、経済を立て直すことはエジプトにとって急務だったからです。

アラブ最大の反米国家エジプトが西側につく、というのはアメリカを始めとした西側諸国へ喜ばれました。

ただ良いことばかりではありません。

急激な社会変貌によって貧富の差が拡大し、国民の大半は生活がよくなったものの、一部の人間の生活はさらに悪化してしまったのです。

一部の人間、すなわち伝統の生活を望むイスラム原理主義者や、あくまでアラブ統一を唱えるアラブ主義者は新たな国家体制に適応できず、反政府ゲリラとなって今でも元気にテロ活動中です」

 「どこでも同じね」

 「ゲリラやテロリストの発生源は、彼らが社会に適応できないという点にあります。

社会に適応できないから孤立する。孤立するから社会を恨み、社会を壊そうとする。

一人ならば大したことは無くとも、それが数を束ねると反政府勢力になる。

でも、夢みたいなことばかり言って実現不可能な理想を唱えるからいつも過激なことしかやらない。

たとえそれが成功しても、体制と官僚主義に飲み込まれ、当初の理想とは違う社会ができてしまい、またそれを壊そうとする。

21世紀現在の日本人の中には、将来自給自足の生活をしたいという人がいます。

しかし、それは中東の伝統にこだわる人たちの置かれた状況とはまったく別モノです。

日本人の言う自給自足というのはあくまで趣味の世界。

中東の伝統にこだわる人たちのやろうとしていることは、日本人で言えば士農工商制を復活させたり、幕藩体制を復活させたりするようなものです。

斬り捨て御免などが再び社会でまかり通るようなものなのです。

そんなことをすれば国が滅びる

いくら伝統の生活がよくても、それでは国力が低下してしまいます。

国力低下は国内の混乱を招き、外国に侵略される最大の理由を作ることになります。

だからこそ日本は明治維新を起こしたのだし、トルコでは革命が起きたのです。

アラブの過激派は歴史を学ばないので、同じ事を繰り返しているだけに過ぎません。

日本やトルコの成功した理由は、義務教育によって国民のレベルを上げたことが大きな要素となっています。

もっとも日本の場合は、江戸時代ですでに先進国になる土台ができていたということもありますが、やはり義務教育の存在は無視できません。

また貧富の差が大きいことは、貧しい人たちに働く能力がないことが理由の一つです。

社会がその人間を使ってやろうとしても、能力がないため使ってやることができない。

だから義務教育で「文字の読み書きができる」「足し算、引き算ができる」くらいまではできないと、社会としても働く場所を与えることができないのです。

残酷な話ですが、現在の日本の失業率が高いのもそれが原因の一つであると言えるでしょう。

努力をしなければ、個人も国も繁栄などできないのが現実の世界なのです。

しかし、イスラーム原理主義社会では愚民化政策が取られており、自由に学問などさせてもらえません。

民衆が能力を持つと、上の連中が困ってしまうからです。

歴史を見ている限り、トルコ以外の中東諸国は、日本よりはむしろ韓国に近い性質のため、思うように近代化できないのですね。

とにかく古典イスラームの呪縛が日本人には想像も出来ないほどに強いため、最終的に戦争以外の道はないということになってしまうのです」

 「日本とかトルコみたいな国の方が少数派って感じね」

 「少数というより無いんですよ。

近代化を自力でここまで成功させた国は世界で日本だけです。

日本の近代化のスピードは歴史的に見ても特異、むしろ異常なんです。

明治維新は歴史上もっともスムーズに成功した近代化でしょうね。

ところが、日本人がそれを自覚していないので、さらに世界とのズレを生じさせています。

さて、エジプトは親米路線にはしり、サダト大統領は第4次中東戦争後の国会で、『私は和平のためならたとえクネセト(=イスラエルの国会議事堂)へでも行く用意がある。』と演説しました。

この発言にアラブ諸国は驚き、半信半疑でしたが1977年11月、サダト大統領は本当にイスラエルの首都エルサレムを訪問、クネセトで平和演説をしたのです」

 「でも1977年のエジプトって、反イスラエル連合であるアラブ共和国連邦に属してたんでしょ?

これじゃ他のアラブが怒るんじゃない?」

 「その通り。

このエジプトとイスラエルの和平には他のアラブ諸国が大反対をし、PLO(パレスチナ解放戦線)を含めた18カ国がエジプトと断交。

エジプトとリビアも対立し、アラブ連邦共和国は崩壊。

アラブ世界において、エジプトは完全に孤立してしまったのです」

 「別にいいんじゃないんですか? どうせ敵同士だし」

 「アラブの誇りとか言っても、その狙いはエジプトとイスラエルの潰しあいだしね。イラクとかサウジは本格的には手伝ってくれないし、シリアとはライバルだし」

 「エジプトがピンチでも、他の国は何もしてくれなかった。

結論、手を組んでも意味がない・・・」

 「相変わらず身もフタもない言い方ね・・・」

 「そもそもアラブなんて「母国語がアラビア語の人」というだけの意味しかないし。

『アラブ』とひとくくりしても、その中には白人・黒人・黄色人種が全部含まれていて、人種も文化も考え方も違うんだから、日本やドイツみたいに簡単にまとまれないわよ」

 「アラブ国家内での評価など無意味であることを悟ったかどうか知りませんが、とにかくエジプトは、アラブ内での孤立をものともせず親米路線を突き進みます。

当時の米国大統領は腰抜けのカーターでした。

人権外交だの、平和路線などの甘い言葉で世界を紛争状態にした無能大統領だと思うのですが、まあ人物の評価は人それぞれ。

どうでもいいことですね。

カーター大統領が穏健派だったこともあり、エジプトはイスラエルと和平交渉を開始。

エジプトはイスラエルへの不可侵を、イスラエルはシナイ半島を返還するという条件で合意が成立。

ときに1978月3月26日、イスラエル・エジプト間の30年戦争がようやくその幕を閉じたのでした」

 「30年戦争か・・・。そうよね。なんだかんだ言って30年間も戦争やってたのよね、こいつらは」

 「しかしこの三年後、サダト大統領は和平を嫌うイスラム原理主義者によって暗殺されてしまいました」

 「ダメじゃん・・・」

 「それでも彼の意志はエジプトに残り、現在でもエジプトはアメリカに従う国となっています。

かなり我慢しているのですが、アメリカと戦っても損なだけということを知っているからです」

 「近くの反米国家があれだからねぇ・・・

AK-47の使い方は知ってても、自分の名前も書けないんじゃ働きたくても働けないわよ」

 「一方のイスラエルの宿敵シリアは、相変わらず反イスラエルであり、大シリア主義を掲げてはレバノンを挟んでイスラエルと戦争を続けています」

 「レバノンは地中海沿岸の国で、その首都であるベイルートは地中海のパリと呼ばれるほど国際色豊かな街です。

ハーフやクォーターの才色兼備な売春婦が多く、欧州と中東の文化が交じり合って非常に神秘的な雰囲気を持った街として観光客を喜ばせています。

ベイルートの名前は、スパイ映画でもよく出てきますね。

最近ではブラット=ピット主演の「スパイゲーム(2002年)」で、ベイルートは舞台の一つに取り上げられてました」

 「どうしてスパイの持っている拳銃はワルサーPPKなんでしょうか? ブラビもPPKだったし」

 「PPKだと空砲でも綺麗にスライドするからですよ。

映画撮影のときは基本的に空砲を使用するため、PPKだとカッコよく撮れるのでPPKが使われているのです」

 「相変わらず身もフタもない説明ね。

せめて「安全装置が充実して暴発しにくい」とか「小型」とか「信頼性が高い」とか、それらしい理由をつければ、読者も「ああ、そうか」って思うだろうに、そんな舞台裏の理由を話したらどんな映画もギャグになっちゃうじゃない」

 「そうですね。あとはスポンサーの宣伝料とか」

 「だからそういうこと言うなって・・・」

 「どうして日本の映画やアニメ会社は、宣伝料をもらってないのに、銃器メーカーの宣伝をするのでしょうか?

ガンダムSEEDも、一応未来のお話なのにドイツ軍の爆撃機が出てきたりしてますし。

どいつもこいつも趣味100%で仕事して・・・。

羨ましい限りです」

 「まったくね」

 「納得するなよ」

 「スパイ映画もたまには『S&W(スミス・アンド・ウエスタン)M29 44マグナム』とか使って欲しいですね。

Go ahead. make my day(俺にも楽しませてくれ)、ってノリのスパイ映画とか見たいです」

 「なぜダーティ・ハリー?」

 「30年後は「スペース カウボウイ」ですし」

 「わけわかんねえよ」

 「だいたい、100m先のアフリカ象の脳ミソも吹き飛ばせるハンドガンでどうやってスパイになれと?」

 「そこはそれ! 映画だからOKです!」

 「なるほど」

 「なるほど、じゃねえだろ」

 「・・・じゃあ、M134ミニガン・・・」

 「これならプレデターもSWATもイ・チ・コ・ロ♪・・・」

 「こんなもん使うスパイがいるか!」

 「・・・・がっかり・・・」

 「がっかり、じゃねぇよ・・・」

 「映画ネタはこの辺にして。

ごほん、国際都市ベイルートを保有するも、当のレバノンは一枚岩ではなく、いくつかの勢力がその周辺地域と手を組んで覇権を競い合っているため、争いが絶えません。

レバノンは一応はアラブ国家なのですが、キリスト教あり、イスラームあり、民族問題から経済問題までも持ち合わせていてまさに爆薬庫と言った感じです。

アラブのおとぎ話に出てくるような天国のような性格と、いつ爆弾テロが起きるかわからない地獄のような性格の二面を持つ街なのです。

例によって、テロの犯人を地域社会が隠してしまっているため、イスラエルは索敵殲滅(サーチ アンド デストロイ)戦法を取ります。

1982年6月6日、イスラエル軍はこのイタチごっこに終止符を打つため、レバノン侵攻作戦を実行しました。

レバノン内戦、イスラエル・シリア中東戦争、さらには平和維持軍として派遣された米軍、イタリア軍、フランス軍が入り混じり、「中東に手を出すな」というイランが自爆テロで米軍に反撃したり・・・。

まさに泥沼の東部戦線です。

基本的に内戦なので、どこの国が去っても戦争は終わらず、平和維持軍を派遣しても、その平和維持軍がそもそも中立ではないためやっぱり戦争は終わりません。

「アメリカが傲慢に利益を求めるから悪い」と言うのは簡単ですが、そこで「じゃあ、お前らがアメリカの代わりに戦争にいけよ。もちろんボランティアでな」とか言われたら日本は何も言えません。

あーだ、こーだと議論しても、結局は米軍しか解決できる勢力はいないのです」

 「やっぱり結論はそこなんですね」

 「日本が嫌われる理由は金は出すけど、兵は出さないという点にあります。

個人も国家も、お互いが苦労を共にし、実際に体を動かさねば信頼関係など生まれないのです。

国際社会において、金などに信用を勝ち取る効果はそんなにありません。

たとえかかる費用が10分の1でも、人間を派遣した方が信用を勝ち取れることは歴史が証明しています。

そして、日本の政治家や学者の中にも「金ではなく、人間を派遣せねば国際社会で日本は信頼を勝ち取れない」ということを唱えている人たちもいます。

それを「アメリカが圧力を掛けているから」とか「自衛隊派遣は違憲だ」とか言うアホが足を引張るから日本はいつまで経っても海外から舐められるんです。

日本の国際的な地位を下げているのはアメリカではありません。

平和主義とは名ばかりの妄想中毒の末期患者どもです」

 「連中は1995年の阪神大震災でも「自衛隊出動は違憲だ」とか言って救助活動を妨害したわよね。

もしあそこで自衛隊がスムーズに出動できたら、もっと多くの人間を救えただろうに・・・」

 「救助活動が違憲? なんでよ」

 「・・・宗教に理屈は通じないわ。自衛隊が動くこと自体が許せない、彼らはそういう連中よ・・・」

 「連中は憲法と一緒に死ぬつもりです。

ある意味その姿勢は立派ですが、憲法は国益を尊重するもの。

国益を害してまで憲法を守る意味などあるのか?

と思うのですが、まあ伝統ですし」

 「つまりアレなわけ?

あんたらの言い分は

国益 > 憲法

だけど、連中の言い分は

国益 < 憲法

ってことなの?」

 「そうですよ。

ただ状況が見えてないから、とことん憲法を守ることが国益に繋がると思ってるんです。

欧米とは考え方がまるで違いますね。

アメリカやイギリスは、憲法が国益の邪魔になるなら、憲法を改正すればいい、という考え方を持っています。

実際、ドイツなんかは10回以上も憲法を改正してますし。

日本にはその柔軟さがない。

憲法の呪縛に魂を引かれてしまっている。

これでは欧米に舐められるのも無理のない話です。

そのドイツも湾岸戦争では「ドイツ憲法では、地中海(=同盟国の領土内)までしか軍隊は出せない」と言いましたが、国際社会にそんな言い訳が通用するわけもなく、「それなら憲法を改正しやがれ、キャベツ野郎」とイギリスに叩かれました。

ことあるごとにナチスネタでドイツを虐めながら、平和憲法ネタで虐める英国はやはり欧州NO,1の悪党の座に相応しいでしょう」

 「悪党って、をい…」

 「ようするに、国際社会において「憲法違反だから」などという甘ったれたガキの言い訳はまったく通用しないということです。

なんでもかんでも欧米のせいにするのは簡単ですが、それでは半島や大陸のクソどもと同レベルです。

何かあるたびに「日本が悪い、日本のせいだ、謝れ」と言ってくるような国。

あれが欧米から見た日本の姿です」

 「あれと同レベルじゃ、日本も舐められるわよね、たしかに・・・」

 「なんとかしてあれと同レベルだけは避けたいのですが・・・。

難しいものです。

さて、エジプト・イスラエル講和が成り立った頃、アメリカの教育界では変化が起こりました。

ナチスドイツが行ったとされる「ユダヤ人絶滅計画」がアメリカの高校や大学の教科書に載り始めたのです」

 「ホロコーストね」

 「1978年、へたれのジェームズ・R・カーター米国大統領と彼の側近は国内・国外で「ホロコースト」ロビイスト、あるいはアメリカ国内の有力なイスラエル団体に包囲されてその要求に屈しました。

今もそうですが、当時のイスラエルはテロ国家そのものでして、国際社会の批難が厳しく、中東戦争の影響もあって亡国の危機にあったのです。

そこでなんとしても国際社会をユダヤの味方につけたかったことは簡単に想像できます。

もう一つの理由としてはWWUより30年が経ち、次世代の学者たちによってホロコーストの事実拳証がなされ始めたことでした。

ドイツ敗戦当時はタブーとされて来たことも、30年も経てば歴史の一ページ。

客観的な調査・研究によって、それまで絶滅刑務所と呼ばれてきた施設がことごとく偽者と判明しました。

例えばドイツのダハウ刑務所ですが、それまで何十万人も殺されたガス室が一度も使われたことがないことが1960年代に暴露され、1975年にはホロコースト肯定派のユダヤ人”ナチハンター”サイモン・ヴィーゼンタールですら、「ドイツ国内に絶滅収容所はなかった」と書いてます。

もし、このまま調査を許せばホロコーストが嘘だとばれてしまう。

それを恐れたのでしょう。

ホロコーストがアメリカ国内で大々的にアピールされた時期は、西側諸国の絶滅刑務所が嘘とばれた時期(1960〜70年代)に重なるのです」

 

 

 

 参考資料:ホロコーストの名による搾取を止めよ! 
2000年6月11日:『タイムズ』紙・ニュース解説(ブライアン・アップルヤード) 
 「私は時々思う」――アメリカの大学教師ノーマン・フィンケルシュタイン博士はこう綴る――「ナチスのホロコーストに対してこれまでに生じた最悪の反応はアメリカのユダヤ人から出てきたものだった、と」。これは来月出版されるフィンケルシュタインの爆発的衝撃力と苦々しい怒りの結晶である『ホロコースト産業』という本か引用したものだ。同書は、イスラエルで残虐行為を続けながら、一方で露骨な貪欲とウソを 好き放題に重ねてホロコーストを搾取的に利用するしてきた人々を非難している。スイスの銀行に賠償金を請求していること やその他の行為は、この本で「完全な"強請[ゆす]り恐喝[たかり]"ヤクザ商法」として非難されている。ホロコーストの冷酷無情な"産業化"は、ヨー ロッパとアメリカで反ユダヤ主義の再生を促進した。また、私との会話のなかで、彼は世界各地に乱立しているホロコーストの記念碑や博物館――その最新版は 英国女王の立ち会いのもとでロンドン戦争博物館に永久展示品として出現した――を「一種のサーカス」であると喝破した。

(略)

「誇張なしに言いますが、もしもニューヨークの街角でユダヤ人に片っ端から尋ねて歩いたら、3人に1人は“自分はホロコーストの生き残りだ”と答えるでしょうね。 しかも1993年以来、この“産業”は、ホロコースト生存者が毎年1万人ずつ死亡していると宣伝しているのです。だけどそんなことは絶対にありえない事 だ。なぜなら第二次大戦以前の欧州のドイツ占領地にいたユダヤ人は700万人しかいなかったのに、1945年の時点でホロコーストの生存者は800万人い たという計算になってしまうからです。」
フィンケルシュタインによれば“ホロコースト産業”が発生したのは1967年6月の「六日間戦争」の最中だったと いう。この時期はまだ、米国の一般社会では「ホロコースト」も「イスラエル」もほとんど話題には上がっていなかった。“ホロコースト産業”が生まれたの は、多くの人たちが指摘してきたような「イスラエルを滅ぼしてはならないという恐怖心」からだったわけではない。むしろ正確に言えば、アメリカの戦略上の 都合から生み出されたのである。つまり、イスラエルは中東でアメリカの代理国家となったし、「ホロコースト」は米国とイスラエルの軍事同盟化を正当化する うえで好都合の道徳感情を誘発する刺激として利用できたわけだった。イスラエルは米国の価観を守る“盾”として利用できた。それにこの時期にはヴェトナム 戦争で米国は敗北に向かい始めていた。だから米国自身が出ていくよりも、米国の価値観を主張するうえでイスラエルを利用するほうが効果的だったのである。 在米ユダヤ人のエリートは、イスラエルの大義を溺愛し、「ホロコーストの悲劇」という現代的イメージを捏造した。フィンケルシュタインは、在米ユダヤ人エ リートたちがいかに権力を持っているかを強調する。たとえばユダヤ人の収入は非ユダヤ人のほぼ2倍であるし、アメリカで最も富裕な40人のうち16人はユダヤ人だ。自然科学分野と経済学分野のノーベル賞受賞者の40パーセント、主要な大学の教授の20パーセント、さらにニューヨークとワシントンの法律事務所の経営者の40パーセントは、いずれもユダヤ人なのだ。

※ 1967年の六日戦争までは、イスラエルはフランス製の武器を使用してた。アラブ諸国が圧力を加えフランスは対イスラエルの武器禁輸に踏みきりそれまで中東紛争に中立の立場だったアメリカの介入を招いた。
アメリカの中立主義を崩すのにホロコーストは一役買ったのである。
上記経緯によってフランス製ミラージュ戦闘機にアメリカ製のエンジンを搭載したクフィールが生まれた。

 参考資料:第二次大戦中のドイツの強制収容所における殺人ガス処刑についての目撃証言
著ユルゲン・グラーフ
Jurgen Graf, Eye Witness Testimony of Homocidal Gassings in German Concentration Camps During World War II, Edited by Russ Granata
(アドレス:ttp://www002.upp.so-net.ne.jp/revisionist/graf_02.htm)
 ユダヤ人の指導者は自分たちの貪欲な政策を「ガス室」と「600万人」で正当化しているが、知的なユダヤ人は、この政策によって反ユダヤ主義が台頭し、 かつてないほどの規模でポグロムが起こってしまうことを自覚している。このために、両親が戦時中にドイツの強制収容所に収容されていた経験を持つユダヤ人大学教授ノーマン・フィンケルシュタインは、ホロコースト産業に対する怜悧な攻撃を始めた。彼は次のように書いている(37)。
「私は、自分の両親の苦難について一つでも質問した友人(あるいは友人の親)がいたことを覚えていない。それは礼儀から出た沈黙ではない。無関心である。 ホロコースト産業はすでに根を下ろしていたが、このことを考えると、その後の苦痛の噴出には懐疑的にならざるをえない。…父の終生の友人の一人は、アウ シュヴィッツで父の同僚であり、原則的に戦後のドイツの補償を拒否した買収されない左翼の理想主義者であった。その後、彼はイスラエルのホロコースト博物 館ヤド・ヴァシェムの館長となった。父はためらいながらも、本当に失望して、この男でさえも、権力と利益のために信念を譲り渡し、ホロコースト産業に毒さ れてしまったことを認めた。ホロコースト宣伝はますます馬鹿げたかたちをとるようになったので、私の母は、(皮肉をこめながら)、『歴史とは駄法螺である』というヘンリー・フォードの文章を引用するのを好んでいた。『ホ ロコーストの生存者』、強制収容所の囚人、抵抗運動の英雄たちの話は、私の家庭では、皮肉や嘲笑の対象であった。私の両親は、私がナチスの虐殺事件の偽造 や利用に憤慨するようになっていったことをしばしば不思議に思っていた。これに対する明確な回答は、このことがイスラエルの犯罪的な政策とこの政策へのア メリカの支持を正当化するために利用されてきたというものである。さらに、個人的な動機もある。私の家族の迫害の記憶を大事にしているのである。ホロコースト産業の今日のキャンペーンは、『貧しいホロコーストの犠牲者』の名において、ヨーロッパから金を引き出すことであるが、それは、殉教者の道徳的立場をモンテ・カルロのカジノの立場におとしめてきた。」
 おそらく、フィンケルシュタイン教授は、このような非難の言葉を書いているときに、自分がホロコースト正史の根本を危うくしているとは気づいていなかっ たであろう。彼の両親は強制収容所の状況を直接知っていたが、その彼らにとって、いわゆる生存者の話は、フィンケルシュタインの言葉を借りれば、「皮肉や 嘲笑の対象」、「ますます馬鹿げたかたちをとるようになった」ホロコーストの繰り返しであった。
 ガス室でのユダヤ人の絶滅に関する法医学的証拠、文書的証拠はまったく存在しない。残されているのは、目撃証言だけであり、それがホロコーストという屋 根を支えている柱となっている。そして、フィンケルシュタインは、目撃証言を嘲笑することによって、この柱を打ち砕いているのである。神秘的なことに、こ の屋根は支柱なしで、空中に漂っている。なんという奇跡であろうか。第二次世界大戦中のユダヤ人の状況に関する正史の物語を受け入れれば、この奇跡を信じ ることができる。しかし、その奇跡を信じているあいだは、ホロコースト正史の物語が真実であるとすれば、化学的・物理的基準はそこでは作用しないのであ る。

37. The Guardian, 12 June 2000.

 

 「アメリカのユダヤ系政治学者フィンケルシュタインが執筆し、2000年に発売された『ホロコースト産業』という本は、「アメリカのユダヤ人団体が、ナチスによるユダヤ人大量虐殺を利用し、ドイツから多大な利益を得ている」という過激な内容の本で、ドイツでは1週間で初版の5万部が完売するほどの売れ行きだというほどです。

ただし、この本はホロコーストを否定しているわけではなく、ホロコーストを産業にしてボロ儲けしている連中を叩いている本です。

フィンケルシュタイン教授はホロコースト神話を支えている自称被害者の証言を否定してしまってます。

自分が何をしているのかわかってないようですね。

彼は自称被害者の証言というホロコースト神話の根底の部分を崩してしまっているのです。

お約束通り、フィンケルシュタイン教授はサイモン・ヴィーゼンタール・センターに目をつけられて訴えられてしまいました。

フィンケルシュタイン教授はアメリカ人なのに、フランスの法律で訴えられてしまったようです」

 

参考資料:Die Judische - Aktuelles
(アドレスhttp://www.juedische.at/TCgi/TCgi.cgi?target=home&Param_Kat=15&Param_RB=&Param_Red=1956)
Simon Wiesenthal Centre Testifies in Paris Libel Suit Against Norman Finkelstein
Wiesenthal Center Los Angeles
Paris, 26 March 2004
Norman Finkelstein, the American author of "The Holocaust Industry", and his publisher, are being sued under French law against libel. The French edition (based on the English-language original) is considered actionableand replete with Holocaust revisionism and incitement to antisemitism.The Simon Wiesenthal Centre's Director for International Liaison, Dr. Shimon Samuels, who three years ago publicly debated Finkelstein when the book was first published in London, presented the following testimony for today's Paris hearing: "'The Holocaust Industry' presents a great danger. Mr. Finkelstein's thesis is an extremist attack on Jews in general, and American Jews in particular, accusing them of exploiting the suffering of the Shoah as 'a pretext fortheir crimes in the context of the Middle-East conflict.'
This thesis, so close to that of Roger Garaudy [a condemned French Holocaust denier and anti-Jewish hate-monger] today constitutes the principal credo of modern antisemitism.
With particularly acute intellectual perversity, Finkelstein exploits his own Jewish antecedents in order to attack, as 'racist,' specific Jewish leaders, their organizations and the Jewish people.I am convinced that, as in the aforementioned Garaudy trial, only a judicial penalty will contain the damage wreaked by this particularly offensive libel."
"die judische" 25.03.2004 20:17

 

 「うーん、ホロコーストねぇ…

600万人が殺されたのが本当でも、ソ連や中国が殺した数はその数倍以上でしょう?

ユダヤ人だけが特別ってのは他の連中がいい感情を持つわけないと思うけどね」

 「それが新しい反ユダヤ主義ってヤツね。

ようするに、ユダヤがむかつくってだけの話なんだけど」

 「大規模なホロコーストプロパガンダ工作の結果、大統領令により「大統領ホロコースト委員会」が発足しました。

198710月7日、アメリカ議会は全会一致でアメリカ・ホロコースト記念館・建設のための法律を通過させました。

この法律によってホロコースト犠牲者を永久に記憶しておくための記念館を建設し、その運営を管理する基礎ができあがったのです。

そして「記憶の日」を設け、この日にはアメリカ人がホロコーストについて考える機会にすることも定められました。

アメリカはユダヤ人の国ではないのにです。

2003年現在アメリカの学校では、信仰の自由の名の下に子供たちは祈ることもできず、市民会館や連邦ビルでも宗教的象徴は禁じられてします。

しかし、ホロコースト物語は別のようです。

アメリカにしても、ベトナムの敗戦でショックだったため、このホロコーストには救われたのでしょう。

自分たちはホロコーストからユダヤ人を救った、それがアメリカがWWUで成し遂げた唯一の正義だ。

なんてことを本気で言う連中が後を絶ちません。

それが自分たちの首を締める結果になるということを知ってか知らずかはわかりませんが、アメリカがユダヤ人に支配されているというのは、単なる妄想ではないと思います」

 「ホロコーストがユダヤのプロパガンダってことを立証する決定的な証拠がないのが辛いところよ」

 「戦勝国の犯罪を証明するのは至難の業よ。

重要書類は全部彼らの手の中だもの…」

 「さて、ユダヤのホロコーストプロパガンダが世界を洗脳しはじめた頃、イランではイラン革命が起きました。

1979年のことです。

その前に少しイランの歴史を振り返ります。

第一次世界大戦後にオスマントルコから独立したイランは、第二次世界大戦では枢軸国側として参戦しました」

 「仲間だったんですね」

 「というよりはイギリスが嫌いなだけなんですけどね。

イランは国王制の国家でしたが、近代化をすすめ、一応は議会が存在する立憲君主国だったのです。

もっともこの時点では王の力が大きく、議会の力はあまりありませんでした。

しかし、WWUの敗北から、王の権限は弱まり、代わりに議会が政権を掌握しました。

この議会はイランの石油を国有化しようとする社会主義政権で、石油の値段をイランの思い通りにされると米英は困ってしまいます。

そこでイギリスは経済制裁を仕掛け、アメリカはCIAの裏工作を仕掛け、国王派がクーデターに成功。

1953年、再びイランは国王制に戻ってしまいます」

 「CIAって映画の中だけと思ってたけど、本当にあんなことやってんのね」

 「欧米が中東に望むこと。

それは石油を安い値段、安定した価格で欧米に売ることです。

欧米にしても、資源ナショナリズムなんて認めることはできません。

それでは欧米の生活が破壊されてしまうからです。

だから中東で戦争が起きないためには、サウジアラビアのように石油の値段を安定してもらうことが一番なのですが・・・。

やはり白が嫌いなのでどうしても逆らいたいようです。

さて、このイランはアメリカの経済援助を受け、急激な速さで近代化を進めていきます。

農地改革、森林・牧場の国有化、労働者への利益配分、国有企業の株式会社へ転換、婦人の参政権実施、教育普及部隊(文盲退治)・・・エトセトラ、エトセトラ。

当初、この近代化は国民にも評価されていました。

日本やトルコなどのように、近代化によって欧米と対等の生活ができる国が実際に存在していたからです。

しかし、これは失敗に終わりました」

 「やっぱり伝統?

 「それもあります。

しかし、直接な原因は貧富の差が拡大してしまったことにあるのです。

このイランの急激な近代化は『白色革命』と呼ばれ、石油資本とアメリカのバックアップのもと、政府をはじめとした一部の人間には莫大な利益が渡りました。

しかし、都市から離れた田舎や、末端の労働者はロクな教育も受けていないのに、イラン国内はどんどん近代化してしまっている。

結果として、それまで伝統の暮らしをしていた人々は生活ができなくなったため、各地で暴動が続発。

それを政府が弾圧していたため、ますますイランの反政府運動は高まる一方でした」

 「人間の方が近代化についていけなかった、ってわけか」

 「そういうことです。

さらに、イスラームの伝統というのは、宗教を軸にした生活パターンというだけではありません。

イランには、荘園制度というものがあったのです。

ここで荘園の持ち主である宗教家たちも、単なる伝統問題ではなく、自分たちの生活が壊されてしまうという経済問題に突入してしまいます。

ただ単に「伝統の生活が好きだから」という理由だけで戦争は起きません。

その裏には、このままでは生活ができないという側面が存在することが多いのです。

こうした近代化への失望は政府の独裁によって決定的になりました。

トルコとは異なり、イランの独裁はまさに権力を離さないための独裁であり、国内が混乱しないようにするための独裁とは違っていたのです。

民主化と言っても、その実、中身は政府や一部の人間のみが利益を牛耳る不平等な社会。

貧しい人間は、明日食べるご飯さえも無いほど貧富の差が激しい社会。

政府に絶望した人々は、いつしか伝統の暮らしを懐かしみ、権力の回復を望むイスラム原理主義者たちを指示し始めました。

そして1979年、イラン革命が勃発。

イラン王朝は廃止され、宗教上の最高指導者が立法・行政・司法を超える監督権を持つイラン・イスラーム共和国が誕生したのです」

 「じゃあ何? 

白人を中東から抹殺しなければアラブに平和がこない』なんてことを考えてる宗教家がミサイルとか毒ガスとか使える権限持っているわけ?」

 「ぶっちゃけた話、そういうことです。

さらに彼らには人権思想なんてものはありません。

宗教の戒律を破ったものには死刑』というのが当たり前という連中ですから」

 「おいおい・・・」

 「伊達に悪の枢軸呼ばわりされてないわよね」

 「・・・大丈夫、アカに比べれば可愛いもの・・・」

 「アレと比べるのもどうかと思いますけどね」

 「比べるものが悪すぎるわよ」

 「しっかし、よくもまあ20世紀後半に宗教革命なんて成功したわね」

 「お約束通り、この革命は失敗に終わりました。

豊かなで平和な社会を目指したイスラム革命ですが、そんなものはやってこなかったのです」

 「ダメじゃん・・・」

 「イスラームの宗派について少し説明しておきましょう。

イスラームは大きくわけてスンナ派とシーア派が存在します。

ちなみにイランはイスラーム・シーア派。

イスラームの二大勢力であるスンナ派とシーア派の違いは、マホメットの後継者が誰か?という違いです。

しかし、そんなことは名前の違いだけのようなもので、着目すべき点は、シーア派は異端であるというところにあります。

実際に異端かどうかは議論の分かれるところですが、少なくとも世界15億人のイスラム教徒の中で、スンナ派とシーア派の比率は9:1のため、多くのイスラム教徒から異端扱いされているのは事実です。

あくまで伝統の教えを守るスンナ派に対し、シーア派は時代に合わせてその解釈を変えていきます。

だから「イスラムの原点に帰ろう」という原理主義が台頭するたびに、伝統にこだわるスンナ派がシーア派を攻撃するということでイスラム教徒同士の戦争になってしまうのです」

 「ならおかしいじゃないですか。時代に合わせるシーア派が広まるのがどうしていけないんです?」

 「時代に合わせる、というのがどーいう解釈かによって違ってきます。

もし、近代化に合せて適応できる平和的な解釈ならば問題ないのですが、『今は白人を皆殺しにすることが正しい時代だ』なんてイデオロギーで解釈するため、戦争だろうが自爆テロだろうが、全部神様の教えであると解釈してしまうのです」

 「・・・それって、かなりヤバイんじゃないの?」

 「かなりヘビィです」

 「好きねぇバック・トゥ・ザ・フィーチャー」

 「伝統にこだわるスンナ派もヤバイのですが、なんでもかんでも「神様の教え」と解釈してしまうシーア派もヤバイのです。

もっとも、両者ともにイカれているのは極一部ですけどね。

先ほどのイスラエルのレバノン侵攻作戦において、米軍は平和維持軍として派遣されましたと言いましたよね?

そのときの米軍の基地にイランが自爆テロを仕掛け、数百人の米兵が死亡するという事件が起きてます。

イランのテロリスト部隊がねらうのは基本的には米軍なのですが、平気で民間人も巻き込むため、非常に危険な存在になっています」

 「おいおい・・・」

 「そしてイランの恐ろしさは、このような自暴自棄になっているイスラームを正当なものと信じ、それを広めようとするところにあります。

実際に、イラン革命の余波を受けてアルジェリアなどがイスラーム政権になってしまいました。

このままでは中東全体がイランのようになってしまう。

そんなことになったらお終いだ。

というわけで、欧米諸国だけでなく、アラブ諸国も対イラン包囲網を張るようになりました。

そこで、ついにサダム・フセイン大統領  が歴史の表舞台に登場してきます」

 「ようやく出たわね」

 「当時のイラクはバース党、すなわちアラブ全体を一つでまとめようという考えを持った政権でした。

このバース党は、イスラームの呪縛を排除した近代国家を目指しています。

すなわち、イスラム原理主義とは敵同士なのです」

 「ってことは、イランとは敵同士ってことね」

 「・・・イラクは共和制だから王政のサウジやクウェートとも敵同士・・・」

 「あとアラブ主義だから、欧米とも敵同士だし、エジプト・シリアとはライバル。

イスラエルとは中東戦争の頃からの宿敵よね」

 「ややこしいなあ。要するに周りの国は全部敵ってことでしょ?」

 「そういうことですね。

しかし、外交の基本である敵の敵は味方ということからして、欧米・イスラエルの宿敵であるイラクには味方が存在します。

イラクと同じく、宗教・欧米・イスラエルが敵の強国はどこでしょう?」

 「決まってますよ。悪の帝国、中国とソ連です」

 「中国? なんで中国がイスラームと敵なわけ? 中国にイスラームなんて関係ないでしょ?」

 「いますよ。

周辺の少数民族にイスラームを信奉している連中がいるんです。

そいつらが中国にとってはテロを起こす天敵なため、中国にとってもイスラム原理主義は敵以外の何者でもないのです。

もともと宗教自体が天敵みたいなものですからね。

ただどっちかというと、ただ単に武器を売りたいだけという傾向が強いですね。

中国にとって中東は大切な商売相手だったりします」

 「あと北キムチ・・・」

 「あいつらもかい・・・」

 「中国の秘密裏の武器輸出は1980年代から急増し、イランとイラクへのシルクワーム・ミサイル、パキスタン、シリアなどへのM9、M11弾道ミサイル、アルジェリア、イラン、パキスタンへの核兵器関連技術、北朝鮮への弾道ミサイル開発技術などの売り込みはとくに激しい国際的非難をあびてきました。

中国が言うこと聞くわけないですけどね」

 「裏でいろいろやってたってわけか」

 「日本じゃまず報道されないけどね」

 「イラン革命なんてものが広まったら中東全域が大混乱に陥ってしまうだけなのは自明の理。

そこでイラクは周辺諸国や欧米にまで声をかけました。

イラクが戦争を仕掛けてイラン革命を潰す。だから力を貸せ。

利害の一致した米・ソ・イラクは手を組み、イラクは米ソの兵器が混雑する異様な軍隊になっていきました。

無論、フランスやドイツの兵器産業も次々と武器を輸出し、利害の一致した国際社会はイラクの武装化を黙認しました。

こうしてイラクは欧米・ソ連の援助を受け、大量破壊兵器を持つ軍事大国になったのです」

 「じゃあ何? 1980年代のイラクとアメリカは手を組んでたの?」

 「その通りです。

アメリカだけではありません。

フランス製、ソ連製の兵器がイラクに大量流入。

西ドイツ企業は化学兵器製造に転用できるプラントを建設。

クウェートやサウジなどの湾岸産油国は巨額の資金を貸与もしくは供与。

アラブ国家はシリアを除いてほとんどがイラク側につきました。

一方のイランは、イラン革命によってアメリカ人を国外追放してしまったため、残った兵器が使用できなくなってしまいました。

米軍製の高度で複雑な兵器を使いこなせるだけの技術がイランにはなかったのです。

修理の部品も不足し、イランは戦力不足に陥りました。

そこで声を掛けたのがアラブの宿敵イスラエルです」

 「狙いはイラクとイランの潰しあいね」

 「こうしてイラクの侵攻作戦が開始され、イラン・イラク戦争が始まりました。

近代化を進めるイラク軍相手に、近代化に逆らったイラン軍は為す術も無く撃破されてしまいます。

そこでイランは人海戦術を打ち出しました」

 「戦術って言えば聞こえはいいけど、人間の体で相手の弾を減らすっていうヤツでしょ?

相変わらず人権の無い国ってのは、やることが恐ろしいわね。

『人は石垣、人は城』ってのを文字通り実践するんだもの」

 「イラン軍の人海戦術はいくつかありますが、そのうちの一例として地雷源を子供たちに歩かせ、そのあとに戦車が続くということをしているというものがありました。

数十人、数百人の子供が手を繋いで一列に歩き、子供の命と引き換えにイラク軍の地雷を撤去させるという荒業です」

 「はーい、質ー問。

対戦車地雷って子供の体重で作動するの?」

 「うーん。

地雷には約5〜50キロの荷重に反応して爆発する対人地雷と、約100〜300キロの荷重で爆発する対戦車地雷があって、人が対戦車地雷を踏んでも爆発しないわよね。

ただ戦車ってのは普通は歩兵の護衛が付くから、対人地雷のある場所には対戦車地雷もありそうだけど…

ちょっと苦しい説明かな」

 「………」

 「で、どうなのよ?」

 「手元のソースにはこの戦術が使われたと書かれてますが…」

 

 参考資料:田中宇の国際ニュース解説 1999年4月23日
「原理主義」に疲れたイランの人々 
 欧米仕込みの近代兵器を持っていたイラクに比べ、イランの武器は貧弱だった。そのためイラクが敷設した地雷原を突破するのに、若い少年志願兵に手をつながせ、一直線に並んで歩かせて、その後ろをゆっくりと戦車が進む、という戦略もとった。運悪く地雷を踏んだ兵士は吹き飛ばされてしまうが、人命より戦車の方が大切なのであった。 そして、こうした戦略の後ろに、政府が多産を奨励し、どんどん「兵士」を作り出すという「人海戦術」があった。そして、戦死した兵士が英雄として埋葬される広大な墓地のひとつに、バスを乗り間違えた筆者が迷い込んだ、ということらしかった。

 

 

 「技術と証言が矛盾している場合、技術が優先されるのが普通よね。

体重が100キロを超える子供なんてそうそういないでしょ。

これはイランを貶めたい欧米かイラクのプロパガンダじゃないの?

もしくはイラン国内の反イスラム原理主義勢力とか。

それ以前にこの田中宇って、2ちゃ○ねるでは当てにならないことで有名な反米ジャーナリストでしょ?

こんなインチキ臭いプロパガンダを真に受けて・・・あんた本当に考えて書くいてるわけ?」

 「2ちゃん○る?

なんですか?それは?」

 「とぼけないでよ。知ってるでしょ。あの巨大掲示板」

 「いいえ、2○ゃんねるなんて知りませんよ。

そんなところ行ったこともありませんし」

 「……」

 「事実はさして問題ではありません。

公式発表では行ったことがないということになっているのです」

 「で、結局この記事は捏造だと認めるわけね?」

 「ふっ 何を言っているんですか?

イラン軍はこの戦術を行ったのです。

われわれはこのような戦術が技術的にどのように可能であったのか問うてはなりません。

これは起こったから、技術的に可能だったのです。

このことが、このテーマに関するあらゆる歴史的研究の出発点となるべきであるのですよ」

 「それのどこが歴史的研究なのよ!」

 「これだから素人は…

フランスでは一般的な研究方法ですよ」

 

 参考資料:『フリツォフ・メイヤーの新説批判――「ブンカー」主犯説とガス処刑犠牲者356000名説をめぐって――』
著:カルロ・マットーニョ 訳:歴史的修正主義研究会

「1979年2月21日の『ル・モンド』紙に掲載された論文の中で、34名のフランス人歴史家たちは彼らの声明を、次のような定式で終えている。
『われわれは、このような大量殺人が技術的にどのように可能であったのか問うてはならない。それは起こったから、技術的に可能であったのである。このことが、このテーマに関するあらゆる歴史的研究の出発点となるべきである。

 

 「♪ 薔薇は薔薇は気高く咲い〜て 薔薇は薔薇は美しく散るぅ〜 ♪」

 「だからさぁ… ホロコースト関係は例外と考えなさいよ。

これが絡むと歴史学なんて成り立たないんだからさぁ…」

 「そうですか。

ではイラン軍は人道的な軍で兵士を大切にしたということにしましょう」

 「それはそれで問題があるわね。

イランが人海戦術で死人を出しまくったことは国連の人口統計からも明らかでしょう。

地雷原への突撃はともかく、人海戦術自体は本当なんじゃない?

朝鮮戦争で中国軍もやったし」

 「前例はあるわけか… なら有り得ない話じゃないのよね」

 「さらに情報操作で、「悪いのは全部イラクとアメリカだよ」ということになっているため、イラン国内をまとめることになって一石二鳥。

聖地に軍事基地を作ってわざと攻撃させるというのと同じですね。

まあ、ソ連や中国のパクリなのですが・・・」

 「・・・酷いわねぇ・・・戦争にもやり方があるでしょうに・・・。

せめて戦場で戦うのは兵士だけとか・・・」

 「旧日本軍みたいな台詞ね」

 「・・・兵士だけが戦う時代は半世紀前に終わった・・・」

 「正規軍だけの戦争なんてロボットアニメの中だけです」

 「うーん、やっぱりアニメと現実は違うってことか・・・」

 「戦争に卑怯もクソもないと言ってしまえばそれまでですけどね。

しかし、このような戦法を取っていたら、イランの人口はどんどん減っていくのは自明の理。

そこでイランの最高指導者であるホメイニは、「2000万人の軍隊」を目指し「イスラムのための戦士」の戦列を支えるために出産を奨励しました。

一つの家庭で7〜8人の子供を産むことも珍しくなく、国策によってベビーブームが来襲したのです。

この強い出生奨励の方針のために、年次の人口増加率は3%を越えるほどになりました。

国連のデータによると、イランの人口は1968年の2700万人から1988年の5500万人へと倍増したそうです。

1996年のデータによると、イランの人口の約40%は15歳未満だそうで、日本とはまったく逆の現象が起きています。

戦争が8年間も続いたイランですが、『出産数>戦死者』のため、人口は増える一方。

もともとイスラム社会では、金融業が発達しにくいという面もあります。

利子という概念がタブーだからです。

それはユダヤ人がやることでイスラム教徒がやるべきことではない、というのは昔から伝統として残っています。

というわけで、イランでまともな産業は石油くらいなものしかありませんから、戦争が長期化しても人間が死ぬだけで、国家そのものがダメージを受けることは少ないのです」

 「この戦争の煽りで、第二次オイルショックがあったわよね、日本で」

 「・・・情勢が不安定な国と取引なんてするから・・・」

 「というわけで今の取引相手は親米のサウジアラビアなんですよね。

サウジなら安定しているから。

まあ、イラクが隣りにあるんでいつ侵略されるかわかりませんけど」

 「じゃあ、もしイラクがサウジを攻撃したら日本経済はお終いじゃない。

日本の石油の8割以上はサウジからなんでしょう?」

 「そうですよ?

だから「イラク攻撃を手伝え」ってアメリカが言ってるじゃないですか。

フセイン政権を倒して、イラクを穏健派の政権にしないとアメリカ以上に日本が困るんです」

 「タカヤ!それは違うぞ!」

 「あれコーチ?まだいたんですか?」

 「そ、それは…ごほん!

そんなことはどうでもいい!

それより問題はさきほどの発言だ。

日本の石油の輸入先の8割以上がサウジだと?

それは間違っている!」

 「あれ? 違いましたっけ?」

 「うむ。これを見よ」

日本の石油の地域別輸入比率(2000年度) 石油資料月報より

 「ああ、8割ってのは中東全部を合わせた割合なわけね」

 「その通り。

ささいな違いは大きな違いだ。

以後、気をつけるように」

 「はーい。ところでコーチ。

お姉さまのところに戻らなくていいんですか?」

 「う、うむ。ま、まあそのなんだ。今帰っても…まあいろいろあってだな」

 「…ほとぼりが冷めるまで逃げるつもりね…」

 「…」

 「図星?」

 「…さて、私は忙しい。こんなところでアホなコントをしているわけにはいかん。ではさらばだ」

 「…逃げた?」

 「惜しい! 倒せば経験値がっぽりだったのに!」

 「なんの話をしておるか?」

 「…さて、話を元に戻しましょう。

ごほん、もともとイラクには8年間も戦争を続ける気はなく、電撃戦でさっさと決着をつけてしまうつもりでした。

大方の予想も短期間でのイラク軍の圧勝でしたが、イラン軍は予想以上の善戦を見せ、ホッラム・シャフル(フーニン・シャフル)では予想外の被害の大きさに驚いたためか、イラク軍はアバダンへの突入をあきらめるほどでした。

イラク軍の電撃作戦は失敗し、戦争は長期化の様相を見せます。

まあ善戦といえば聞こえはいいですけど、ようするにソ連式の人海戦術ですね。

不思議なことに『戦術』と名付けてしまえば、どんな非人道的な攻撃もただの軍事作戦に聞こえてしまうものです」

 「そうかなぁ?」

 「イラクは電撃戦の失敗からか、和平を提示しました。

やめておけばいいのに、イラクの和平提示をイランは拒否し、ここぞとばかりにイランの攻勢が開始しました。

1982年にはイランが、イラク側が占領していたフーニン・シャフルをわずか24時間で奪回。

これによってイラク兵2万が投降。

イランの目的は、バグダッドとバスラの分断でした。

イラン攻勢によって、国内のシーア派が煽りを受けて反イラクの旗を掲げると、イラクは見せしめのために毒ガスを使用しました。

当然イランにも化学兵器を使用して反撃。

化学兵器使用の効果は絶大で、イラクは危険な国であることが周辺諸国に認知されたのです。

イラクを追い詰めると化学兵器が使用されるかもしれない

これは欧米をも脅かし、イラクはさらに世界から孤立していくのですが、その逆に軍事力は拡大していき、気が付いたら世界第5位の軍事力を保有する軍事大国になってしまいました」

 「はーい、質問でーす。

ホントにイラクはイラク国内の住人を目標として毒ガスを使ったんですか?」

 

 参考資料: 毎日新聞 2003年4月30日
 フセイン・イラク政権の化学兵器使用を示す事件に、「ハラブジャの悲劇」がある。イラン・イラク戦争末期の88年3月、イラク北部にある少数民族クルド 人の町ハラブジャで、イラク軍が化学兵器を使って、住民約5000人を殺害したとされる事件だ。パウエル米国務長官は2月の国連での報告で「クルド人に対 するマスタードガスと神経ガスの使用は、20世紀の最も恐ろしい虐殺の一つだ。5000人が死亡した」と非難した。米政府広報誌にも同様の記述がある。日 米メディアはこの事件を明白な事実として報道しているが、疑わしい点がある。ハラブジャはイラク、イラン両軍の激しい戦闘の舞台になっていた。米中央情報 局(CIA)分析官の経歴を持つペレティエ米陸軍大教授(当時)らは90年の報告書で「両軍が化学兵器を使った。現実にクルド人を殺したのはイラン軍の爆 撃である可能性が高い」と指摘した。ペレティエ氏によると、死者はシアン(青酸)ガス中毒の兆候を示していたが、シアンガスを使っていたのは、イラン軍だったという。死者数も疑問だ。化学兵器を搭載した爆弾を投下して、数千人を殺害することは難しい。神経ガスは拡散してしまうし、マスタードガスは皮膚をただれさせることが主作用で、致死性は低い。昨年10月のCIA報告書はハラブジャの事例を「死傷者が数百人」と記している。イラク政府は当時、イラン軍への化学兵器使用を認めており、住民にも被害が出たことは疑いえない。しかし、「死者5000人」はイラクの非を誇張する目的の、虚偽の数値である可能性が高いと思う。

 「イラクが大量破壊兵器を保有し、それをイランに対して使ったことは事実。

だけどクルド人虐殺はプロパガンダではないでしょうか?」

 「……」

 「またこのパターンか・・・

フセインが危険人物かどうかはともかく、事実ははっきりさせないといけないわね」

 「だからですね。

それは起こったがゆえに事実だったと」

 「イラクの毒ガス使用やクルド人弾圧自体は否定してないでしょう。

疑問が残るのは本当に軍事作戦としてイラク軍がクルド人を毒ガスで虐殺したのかどうかよ」

 「じゃあ無かったでいいです」

 「やけにあっさりじゃないの」

 「だって証拠が無いんでしょう?

興味もないですし」

 「をい…」

 「…本音を言ったわね」

 「さて、なんのことでしょうか?

ごほん、こうしてイラン・イラク戦争は、8年間続きましたが、圧倒的にイラクが有利でした。

所詮、イランのやり方は前時代的でして、近代化したイラク軍はイランを降伏直前まで追い詰めます。

しかし、イランが吸収されてしまうと他の国にとっても脅威になってしまうため、国連を通じて停戦を呼びかけました。

1988年、イラン・イラク戦争はその幕を閉じたのです」

 「「イラクがイランを吸収」って言っても、どーせバラバラになるんじゃない?」

 「いいえ。

それはあくまで平和的な解決を目指した場合。

イラクのやり方は、国内を見てもわかるように基本的には恐怖政治です。

だから逆らうものは次々と逮捕・拘束・処刑となっていくため、イラクのやり方ならばアラブ統一は可能です。

もしサダム=フセインがトルコの父・ケマルのような人物ならば、アラブを統一したあと、近代化をすすめ、アラブ合衆国を作ることもできるかもしれませんが、当のフセインにその意志はありません。

バース党本来の目的は失われ、フセイン政権のイラクは大フセイン主義とも言うべき方針を取っているのです。

イラン・イラク戦争が終わり、アフガン戦争も終結しました。

アメリカは弱ったソ連を核軍縮のテーブルに座らせ、INF(中距離核戦力)全廃条約を結ばせることに成功しました。

冷戦は終わった。

これで世界が平和になるだろう。

世界がそう思ったのですが、見ての通り、イラクの戦力はかなりアップしており、イランとの戦いで疲れていたのは確かですが、それ以上に力をつけていたのです。

そして冷戦終結によって、米ソのしがらみから逃れたい国がたくさん現れるだろう。

フセインはそう考えました。

これは本人が言っていたので、間違いないと思います。

1990年8月2日、借金だらけのイラクは隣国クウェートへ侵攻します。

その理由は「クウェートがイラクの石油を盗掘していたから」ということですが、ならば「日本の製品をコピーしまくって著作権を侵害している中国を日本が攻めてもいい」ということになってしまいます。

当然、そんな理由で国際社会が侵攻を認めるはずもなく、「クウェート盗掘」が口実に過ぎないのは誰の目にも明らかで、クウェートに侵攻したイラクは世界から叩かれることになるのですが―――」

キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン

 「・・・というわけで、次回は第一次湾岸戦争です。

おそらく読者の皆さんが小学生か中学生くらいだった頃のお話だと思います。

それでは休憩にしましょう」

 「じゃあ恒例の次回予告ですね!」

 「そう言えば、いつから恒例になったのでしょうか?」

 「いいんじゃないの? 今回のシリーズは一話ずつの読みきりだし」

 「というわけで、次回もサービスサービス――――」

 「してくれないと暴れちゃうぞ

 「そっちかい」

 「・・・ふぅ、すっきりした・・・」

次回の授業を受ける


おまけ:声の出演

機動戦艦ナデシコ 
ホシノ=ルリ(映画版) / 南央美 「犯人はこのハーリーくんですので」

トップをねらえ!  
タカヤ=ノリコ/ 日高のり子 「バスタァァァァァァァア!トマホゥゥゥゥゥゥゥク!ブゥゥゥゥゥゥゥメラン!」
オオタ=コウイチロウ(コーチ) / 若本規夫 「タカヤ・・・お前とアマノ一人一人では単なる火だが2つ合わせれば炎となる。炎となったガンバスターは無敵だ!」

新世紀エヴァンゲリオン   
惣流=アスカ=ラングレー/ 宮村優子 「あんた日本語で考えてるでしょ!?ちゃんとドイツ語で考えてよ!」
綾波レイ / 林原めぐみ 「肉・・・嫌い・・・」
葛城ミサト / 三石琴乃 「スープは少なめに入れるのがコツよん♪」
魔装機神サイバスター
 THE LOAD OF ELEMENTAL〜 
マサキ=アンド― /緑川光「生きていやがったとはな・・・だがここで会ったが百年目!今度こそ逃がさねぇ!」

 

重戦機エルガイム  
ダバ=マイロード / 平松広和  「あ、御亡くなりになったぞ」
ガウ=ハ=レッシィ / 川村万梨阿 「私だって女をやりたいのよ!軍人の前は女だったのよ!」


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