ルリ先生の補習授業

金髪のキャラじゃないとナチ軍服は似合わない・・・

 「・・・・・・・」

 「・・・・・・・」

 「何の用だシャア。もう連邦に引き渡す時間か?」

 「ハマーン。今倒すべき敵はゲストだ。連邦ではない」

 「それはお前の敵だろう? わたしにとっては違うな」

 「今は同じ人類が争っている場合ではないのだ」

 「よく言う。ジオンの赤い彗星がよく言う」

 「・・・・・・・・・・・・・」

 「もっとも、敗者であるわたしには関係のないことだ。

このまま連邦に引き渡されれば、わたしはA級戦犯として処刑される・・・。

これから死にゆくものが未来など気にしてどうなるものでもあるまい」

 「ハマーン・・・」

 「・・・・・・・・で、お前は何の用だ? 逃がしてくれるとでもいうのか?」

 「望むのならそうしてもいい。お前は自由に選択してくれ」

 「! また、そういう事を言うのか・・・!

お前は・・・お前は決して他人に深く立ち入ろうとしない・・!あのときも・・・!」

 「・・・・・・・・・」

 「・・・女には、男に言って欲しい言葉がある。だが、それは求めるものではない」

 「・・・・・・・」

 「出て行け・・・。もう二度と会うこともあるまい。・・・先にあの世で待ってるよ、シャア・・・」

 「・・・・・・ハマーン、力を貸してくれ。共に戦おう」

 「・・・・・・・。待っておりました。その御言葉・・・。

今、私はあなたと同じ時を刻み始めました。共に未来を歩みましょう・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 「で、ハマーンも一緒に戦うようになったわけですか?」

 「ああ。最初はギクシャクするだろうが、彼女の腕は本物だ。俺やシャアよりも上かもしれない。

うまくやっていければいんだが・・・」

 「たしかに敵に回したらこれほどやっかいなヤツはいません。

それが味方になるなら心強い限りです。でも・・・」

 「でも・・・なんだ? やはりハマーンは信用できないと?」

 「いえ・・・。それはありません。今のハマーンは信用できます。できますが・・・・」

 「確かにな・・・」

 「シャア・・・」

 「ハマーン・・・。これは何だ・・・・?」

 「別に何でもないっ! た、ただちょっと料理の練習をしていたら多く作り過ぎてしまっただけだ・・・! 残飯処理を手伝ってもらおうと思っただけで・・・他に意味などないっ!」

 「・・・意味がないのなら、なぜ弁当箱に入れて持ってくる・・・?

しかも、ご飯の上にふり掛けで『LOVE♪』など・・・・」

 「気のせいだっ! わ、わたしがそ、そんな、貴様のためなどに弁当など作るわけがなかろう・・・っ! 恥を知れっ!」

 「・・・・・・・・」

 「・・・・・・・なんとかなりません、あれ?」

 「・・・・・・・困ったな」

 「今のハマーンからは、邪悪なプレッシャーは感じません。でも・・・・」

 「言うな。たしかにあの馬鹿っプルぶりは、見ていて殴りたくなってくるが・・・」

 「ハマーン。今は艦内待機中だが、四六時中見張る必要もあるまい。どうせどこにも行けんよ」

 「誰が見張っているものか・・・っ! わ、わたしはただ・・・・」

 「・・・・」

 「わたしは・・・・・。くっ! シャアのバカっ! もう知らんっ!」

 「ハマーン! ・・・行ってしまった・・・」

 「・・・・・・シャア」

 「・・・・アムロ。君からもなんと言ってやってくれ。

ハマーンがわたしを慕っているのはわかっているが・・・どうもこういう展開には慣れてないのだ」

 「クワトロ大尉。どうして逃げるんです?

あなたがハマーンの気持ちに答えてあげれば、全ては丸く収まるんですよ」

 「・・・大人は素直になれないのだよ、カミーユ君。

特に、わたしのような戦うことしか知らない不器用な男ならば尚更だ」

 「なんでぇなんでぇ。ここでもラブコメやってんのかよ」

 「ここでも?」

 「おうよ。まったくやってらんねぇぜ。

この艦には女はたくさんいる。・・・のにも関わらず俺にはまったく縁がない。

あー! もうムカツクっ!」

 「縁って・・・。ウリバタケさんは、たしか結婚してるはずじゃ・・・」

 「へっ! 女房なんざ10年経てば愛情も薄れるぜ。

結婚なんぞに幻想を抱くのは女がわかってないヤツだけだよ。

だからもっと恋愛がしたいんだよ! 恋愛!

お手手触っただけで「あっ、ごめん・・・!」とか、お互いが頬を赤め合うようなプラトニックなラブがしたいわけよ。

わかるか?」

 「・・・なんか、殺伐とした人生送ってますね」

 「放っておけ!

ったく、この艦の連中と来たらどいつもこいつも!

あっちでイチャイチャ、こっちでアツアツ・・・・。

だぁあああ!! 俺にも一人よこせっ!」

 「・・・アムロさん。やっぱり大人になるとみんなこうなんですか?」

 「俺に言われても・・・。人それぞれとしか答えられないな。

それよりクワトロ大尉。

男と女の関係に、あれこれと口出しする気はないが、どうにかしないと艦内の士気にも関わる。

ただでさえ艦長がああだからな。

ナデシコは軍艦ではないが戦艦であることには変わりない。

これは少佐としての命令だ。なんとかしろ」

 「・・・・・・。なんとか、か」

 

 

 

 「おのれ、シャア・・・。なぜわたしの気持ちに答えてくれない・・・!」

 「まぁまぁ。それにしてもハマーンさんもいろいろ苦労してんのね」

 「苦労ご苦労黒い服の人・・・・。くっくっく・・・」

 「でもさぁ。リョーコよりは楽だよね。ライバルいないしさ。これが泥沼の4角関係とかだったら、ハマーンさん、どうしようもないよ」

 「ば、バカ! 誰が4角関係だっ!」

 「えー? アキト君  でしょ、メグちゃん  でしょ、艦長  に、リョーコで4角関係」

 「違うっ!」

 「・・・・・・・。たしかにライバルがいないというのはマシな状態かも知れんな」

 「アンタも何勝手に解釈してんだよっ!」

 「照れてる、照れてる」

 「そう言えばクワトロさんってロリコンって噂があるよね。あれってどこから流れたのかしら?」

 「・・・・・・・・本当かその話」

 「まさか、ただの噂ですよ。でもあの人全然女に興味なさそうだから、ひょっとしたら本当だったりして・・・」

 「女に興味ないって言っても、あれくらいが普通なんじゃないの? ナデシコの人たちってあんまり普通じゃないし・・・」

 「そういえば・・・」

 「何か知っているのイズミ?」

 「わたし、大尉がルリルリと楽しそうに話してたの見たことがあるわ。というより、あの人が楽しそうに女性と話してるところなんてそれだけ・・・」

 「そういや、俺が見たときはエヴァチームの・・・なんだっけ? 無愛想で死人みたいな肌の色したあいつ」

 「綾波レイちゃん?」

 「そうそう、それ。そのレイとなんか話してたぜ」

 「ならあれもそうかなぁ。アスカちゃんとなんか話してたの見たことあるけど・・・」

 「でもそれってただ話してたってだけでしょ? それだけでクワトロさんがロリコンって証拠にはならないんじゃない? 

? ハマーンさん、どこ行くの?」

 「その噂の出所を確かめる。もしも虚言ならば噂を流した張本人を締め上げ、本当ならば・・・」

 「本当なら?」

 「・・・・・失礼する」

 「いっちゃった・・・・」

 「ふっ・・・。行動派ね、どこかの誰かとは大違い・・・」

 「たしかに。誰かさんもあれくらい積極的ならねー」

 「・・・なんで俺の方を見て言うんだよ?」

 「別に〜」

 「誰もリョーコのこととは言ってないわよ、ふふ・・・」

 「う、うるさーいっ!」

・・・・・・・・

 

 

 

 「ハマーンが艦内を聞き歩いている?」

 「そうなのよ、マモちゃん」

 「・・・誰がマモちゃんだ。それはともかく、一体何を嗅ぎ回っているんだ?」

 「どうやらクワトロ大尉=ロリコン説を広めた人を探してるみたいですよ。

そう言えばあの人がロリコンって噂、誰が広めたんですかね?」

 「・・・・・・・・」

 「どうしたんですアムロ少佐。顔が真っ青・・・」

 「い、いや何でもない」

 「それにしても、まさかネオジオンのハマーン=カーンがあんなに一途な女(ひと)だったなんてね。

敵だったときには想像もできなかったわ。人は見かけによらないとはよく言ったものね」

 (・・・・まずい。どうしよう。もし噂を流したのが俺だと知られたら・・・。何とかしなければ・・・)

 

 

 

 

・・・・・・

 「・・・ホシノ=ルリはいるか?」

 「はい、なんでしょう?」

 「単刀直入に聞く。シャア・・・クワトロ大尉とはどういう関係だ?」

 「―――― はい?」

 「男と女の関係なのかと聞いている。どうなのだ?」

 「どうと言われても・・・」

 「何? ひょっとしてクワトロ大尉の噂を調べてるってアンタだったの?」

 「そうだ。

クワトロが、ロリコンでマザコンでグラサンの肩むき出しのゲイ風味と、噂されれていることはわかっている。

で、心当たりは?」

 「あるわけないでしょ。

っていうか、それって噂じゃなくてただの悪口じゃないの?」

 「悪口ですよね、完全に。誰が流したんでしょうか」

 「つまり・・・。シャアがお前たちと肉体関係を持っているという噂は事実無根ということだな?」

 「当たり前よ。何が悲しくてあんなおじさんとそんな関係持たなきゃならないのよ」

 「そうですよ、アスカさんにはシンジ君という大事な人が――――」

 「だ、誰が大事なのよっ!誰がっ!」

 「・・・なるほど」

 「納得するなっ!」

 「噂がウソとわかれば用はない。邪魔をした。失礼する」

 「・・・わたし」

 「なんだ?」

 「わたし・・・クワトロ大尉と・・・」

 「おいおい何言ってるのよ・・・」

 「シャアと・・・何だ」

 「これ以上は言えない・・・。あとは本人に聞くといいわ・・・」

 「・・・・・・・・・・」

 「あーあ、いっちゃった」

 「・・・で、本当は何もなかったんでしょ?」

 「うん・・・」

 「やっぱりかい・・・。どうすんのよ。このままだとクワトロ大尉が危険じゃないのよ」

 「でも、こうでもしないとあの人ずっと逃げちゃいますよ。

いい年こいて腐ったラブコメされると、殴りたくなってくるじゃないじゃないですか?」

 「腐ったラブコメって・・・・・・・・」

 「まあ、それはそれでいいとして、ここまでの『檄!スーパーロボット大戦』のあらすじです」

 

木星蜥蜴の奇襲を回避したナデシコ。その戦闘で証明したナデシコの能力は、連邦軍に目をつけられ、ナデシコを引き渡すように要求される。これを断ったナデシコは半ば連邦軍から追われる形で地球を脱出。無事、火星への進路を取り始めた。

異星人の無人戦闘機を相手にしながらも順調に航海を続けるナデシコ。そこへ所属不明の人型戦闘機が現れ、彼らはナデシコに通信を送る。
「地球の皆さん!こちらはダバ=マイロード!緊急事態です!ポセイダル軍は地球に対して戦端を開こうとしてます!」

同時刻、外宇宙の太陽系ペンタゴナ・ワールドを支配しているポセイダル政府が地球に宣戦を布告。

「我がペンタゴナの正当な要望に対し、なんら誠意ある回答を示さなかった地球連邦こそ諸悪の根源である。我々の大使を監禁、殺害したこと。これは明らかに我々ペンタゴナに対する侮辱であり、挑戦だ。
事此処に至ってはもはや、我らの取るべき道はひとつしかないと断言できよう。
以上を持ってしても、我がペンタゴナの正義は万人の認めるところである。この戦いは地球連邦が自らの過ちを悔いるまで続けられることになる」

予期せぬ侵略者の出現により、地球全土規模でポセイダル軍と地球連邦軍の戦いが始まった。
しかし、地球連邦軍から追われる立場のナデシコは、地球に戻るわけにもいかず、初期の目的である火星へ進むことになった。途中、ジオン軍の奇襲攻撃を受け、コロニー「シャングリラ」へ緊急入航したりと問題を抱えつつ、無事火星へ到着する。だが、そこにあったものは残骸と化した火星のユートピアコロニーの無惨な姿だけだった。
火星のわずかな生き残りを連れて脱出しようとするところへ木星蜥蜴の無人兵器の大軍が現れた。総攻撃を受け、ナデシコは絶対絶命のピンチに陥るが、突如ナデシコは謎の光に包まれ火星から姿を消した。

再びナデシコが現れたのは地球だった。連邦軍とポセイダル軍の戦闘に突如として乱入する形となったナデシコ。そこへ謎の巨大生物が出現。グラビティブラストすら跳ね返す謎のフィールドを持つこの生物は『使徒』 と呼ばれることがわかり、ナルガル本社はナデシコに対し、ネルフへ協力するように通告。エヴァチームがナデシコに参加する。物量にモノを言わせた連邦の反 撃により、地球圏の異星人軍の勢いは弱まっていった。これを機に地球側はポセイダル軍と休戦条約を結ぶ。そんな中、南アタリア島で修理されていたマクロスが 突如として主砲を発砲、ゼントラーディと呼ばれる謎の異星人が現れる。マクロスは惑星間航法フォールドの失敗によりナデシコを巻き込む形で冥王星付近に飛 ばされてしまう。冥王星から帰る途中、木星蜥蜴の正体が百年前に月を追放された地球人であることがわかった。だが木星では講和に反対する勢力がクーデター を起こし、木星はポセイダル軍と同盟を結んでしまうのだった。そして反木星勢力であるクロスボーンバンガードがナデシコに協力することになり、事態は地球圏の誰もが予期せぬ方向へと進展していった。

その頃地球圏では、ポセイダル軍との講和を機にそれまで中立だったコロニー連合が独立を宣言した。それを地球の内戦に乗じてこれまで沈黙を守ってい たネオジオンが動き出す。一方、ナデシコはティターンズの「コロニーと戦え」という命令に背き、拿捕されることは避けられたものの、その立場は完全に孤立 していた。そのナデシコを受け入れていたのは、反地球連邦組織エゥーゴだっ た。ナデシコはエゥーゴに協力することになり、ネオジオン・ティターンズの両者と戦うことになる。ティターンズはネオジオンの独立を承認し、その見返りに ネオジオンはエゥーゴと戦うことになった。大局的に見てこれはネオジオンに不利な条約であった。ギレン総統には内密で進められたこの外交で、ネオジオンは エゥーゴとの戦いで大きくダメージを受けた。その責任は外相であるハマーン=カーンに押し付けられ、ハマーンはネオジオンを追い出される形でエゥーゴの捕 虜になったのだった・・・。

 

 「相変わらずマンネリなストーリーねぇ」

 「王道と言って下さい」

 「だってこれって「F」と「α」を足しただけじゃないの、ちょっと変わっているだけで基本的な骨組みはもうそのまんまだし・・・」

 「それは言わないお約束です」

 「だいたいこんなところで書くんならゲーム作ったら?

同人ゲームならフリーウェアで製作ソフトがあるでしょ。

あれで作ればいいじゃない」

 「面倒くさいんで嫌です」

 「面倒くさいって・・・。じゃあ、これは?」

 「これはこれ、あれはあれです。

だいたい、あなたはこのコンテンツをなんだと思ってるんですか?

これは退屈な世界史をちょっとアレンジして―――」

 「ちょっと・・・?」

 「ええ、ちょっとです。

ちょっとアレンジして気楽に読みやすくなっていても、基本的には世界史なので、ゲームにはできません」

 「世界史・・・? どこがよ」

 「どこがって・・・。どこをどうみたらスーパーロボット大戦なんですか?」

 「どこをどう見たら世界史なのよ・・・。

前二作はまだしも、今回は半分が関係ないことで埋まってるじゃない・・・」

 「話が終わったようなので――――」

 「終わってねぇよ・・・」

 「終わったんです。

いい加減授業をはじめないと読者が飽きるんでちゃっちゃと進めましょう」

 「そうそう、こういう小説の方があたしの場合は出番が多いからね。

スパロボだと完全に脇役だし。まあ、パイロットじゃないから、仕方ないと言えば仕方ないけどね」

 「・・・それだけかよ」

 「気にしない気にしない。

アスカだって、ゲームだと二軍なんだからこっちの方がいいでしょ?」

 「二軍って言うなっ! あたしは悪くないっ! 弐号機が・・!ユニットの性能が・・!っていうか武装がもっと強ければ、あたしだって。あたしだって・・・!!」

 「・・・マウス・・・」

 「だからアレじゃ無理だって・・・」

 「さて、4時間目は中東戦争です。

中東戦争とは、イスラエル国防軍が中心となった戦争を意味します。

すなわち、イラン=イラク戦争や湾岸戦争はイスラエルが中心ではないので、中東戦争とは言いません。

もう一度ここで地図を確認しておきましょう」

 「ときは西暦1948年5月14日。

第二次世界大戦直後の中東パレスチナ。

世界各地に散らばったユダヤ人はイスラエル建国を宣言しました。

この地にはすでにパレスチナ人が住んでおり、かつてアメリカ合衆国がネイティブ・アメリカンを駆逐して建国したように、イスラエルもまたパレスチナ人を追い出して国を作りました。

誰がどう見てもテロ行為です。

1947年に国連総会で可決されたパレスチナ分割案は、ユダヤ側は受け入れ、アラブ諸国全体が反対したと言われていますが、パレスチナ人にしてみれば、自国の領土を勝手に分割されるなど認められるわけがありません。

はっきり言って、国連による多数決の暴力です。

国連は、連合軍連勝国が作ったもの。

ナチスドイツを徹底的に悪者にしたいがために、戦勝国はユダヤにどうしても甘くなってしまいます。

しかし、いくら国連の決議があったとしても、こんなものを認めてしまえばアラブ全体がイスラエルに支配される可能性があります。

さらにイスラエル建国によって、パレスチナ難民が周辺各国へ流出。

経済や治安に大きな影響を出し、アラブ国家の怒りが爆発。

元エジプト国防相サル・ハルプ・パシャがカイロの寺院前で2万人の聴衆に向かって、「我々に残されたものは、この銃とコーランだけだ」とジハード(聖戦)を訴えました。

これに応え、アラブ人3300万人が立ち上がり、イスラエル建国のその日、エジプト、シリア、ヨルダン、サウジアラビア、イラク、レバノンがイスラエルに侵攻しました。

これが第一次中東戦争の勃発です」

 「何よこれ? ユダヤ人が悪いじゃない」

 「そうですね。確かにそうです。

ですが、国際社会は、力こそ正義

どちらが悪いかなど追及しても、あまり意味がないことなのです。

ユダヤが悪いのは明らかですが「だから何?文句があるなら戦争だ」で終わってしまうのが現実の世界です。

ユダヤや国連の悪口を言うだけでは意味がないのです。

国連なんて言わばエゴとエゴのシーソーゲーム。

そんなものに絶対の正義を期待しているアホは世界で日本人だけです。

それに、旧約聖書の時代から続く戦いは、日本人の想像を遥かに超えた因縁を持っています。

そして、パレスチナ問題を語るとき、これだけははっきりしておかねばならないことがあります。

イスラエル建国は合法である

という点です。

悪法もまた法であります。

国際法は穴だらけで欧米超有利な悪法です。

それに関して議論の余地はありません。

しかし、どんなに法律が無茶苦茶でも、それが法として成り立っている以上、各国はイスラエル建国を認めなくてはなりません。

イスラエル建国が善か悪かは置いておいて、パレスチナ問題を扱う以上、イスラエル建国自体は国連承認の合法行為だという認識をもつ必要があるのです。

イスラエル側も建国場所を適当に選んだわけではありません。

旧約聖書に『アブラハムの子孫にパレスチナを与える』と書いてあるのです。

そしてイスラームの聖典であるコーランもまた旧約聖書を認めています。

つまり、「イスラエル建国は神の意志である」ということはアラブ諸国も認めざるを得ないのです」

 「でも、そこにはもう人が住んでいたんでしょ? 

いくら神様の言葉って言っても、そんな理由で建国が許されるわけないじゃない」

 「その通り。

聖書など、戦いの口実に過ぎないことは誰の目にも明らかです。

戦争なんてものは、相手が問答無用で攻めて来ることからはじまる

そういうことです。

だからこの際、中東戦争は宗教戦争ではなく、領土争いの民族紛争であると考えるのが普通でしょう。

しかし、これをただの民族紛争と考えてしまうのは愚策です。

なぜならば、イスラエル問題は、民族紛争ではなく欧米と中東の戦いであるからです」

 「欧米? なんで欧米が出てくるのよ?」

 「石油ですか?」

 「そうです。

世界のエネルギーが中東に依存しているがゆえに、イスラエル問題は欧米と中東の戦いの性格を持っています。

例えば、イスラエルが建国もせず、アラブが順調に力をつけていくとどうなると思いますか?」

 「当然、欧米と張り合えるわよね。石油資本をバックにすれば対等な関係を作れるわ」

 「対等? そんな甘いわけないわ。

欧米がアラブに頭を下げる新時代を作ろうとするでしょ?」

 「欧米が黄色人種に対等な付き合いをしてくれるなら、太平洋戦争の必要性はなかった・・・」

 「そういうことです。

所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ

もしアラブが仮に石油資本をバックに力をつけていくとしましょう。

それはつまり、欧米の経済が中東に支配されることを意味します。

中東が石油の値段を頻繁に上下させたら?

昨日はガソリン1リットル100円だったのが、今日になったら110円になってたら?

個人レベルなら大したことありませんが、企業レベル、国家レベルになればこれは深刻な経済危機です。

工場の燃料はもちろん、輸送用のエネルギーも石油なのだから、国内は深刻な不況に陥るでしょう。

そしてアラブは、金持ちの欧米から絞れるだけ絞ろうと考えるはずです。

だから欧米はイスラエルをけし掛けてアラブの力を削ごうとするのですね。

この、「資源国が輸入国に対して貿易封鎖を仕掛ける」という構図は、第二次世界大戦直前、日本がアメリカからやられたことと全く同じ構図です。

太平洋戦争は、日本が無謀な戦いを仕掛けたと思われていますが、あくまでアメリカを交渉のテーブルに座らせ、資源の輸入ルートを回復させようとする政治的な駆け引きの手段でした。

ようするに太平洋戦争の日本が欧米に、欧米が中東に変わっただけで、対立の構図自体はまったく同じです」

 「じゃあ、太平洋戦争で日本だけが叩かれるのはおかしいじゃない。

なんで「日本が悪かった。以上」で終わってるの?」

 「決まってるわ。

腰抜けのイタ公が足を引張ったからよ・・・」

 「結局、その結論かい・・・」

 「戦後になって、『日本が悪い』と言われる理由の最大の原因は、日本が負けたからです。

「太平洋戦争は、昭和日本が自国の主権を守るための防衛戦争だった」といくら日本が正論を唱えても、国際社会においてそんなものは全く意味を持ちません。

勝てば官軍、負ければ賊軍。

それ以上でもそれ以下でもありません。

日本は戦争に負けてしまった。

だから悪いのです。

そして日本が負けたのは、ドイツがソ連に負けてしまったからです。

日本は、はじめからアメリカに勝てるなんて思ってもいませんでした。

日本の目的は、ドイツがソ連に勝てば、その同盟国である日本への経済制裁を解いてくれるかもしれないと思っていたからです。

当時のアメリカは戦争に巻き込まれたくない国でした。

だからソ連を吸収し、ヨーロッパの覇王と化したドイツを敵に回すくらいなら、さすがのアメリカも日本とは仲良くしていきたいと思うだろう。

しかし、アメリカもただでは相手にしてくれないのは間違いない。

そこで持てる戦力の全てを結集し、短期間に大打撃を与え、アメリカを交渉のテーブルに座らせて経済制裁を解かせる。

それが真珠湾攻撃であり、ミッドウェー海戦であり、しいては太平洋戦争そのものの目的だったのです。

しかし、イタ公がバカンスを楽しんでいたせいでドイツのソ連攻略は失敗に終わり、講和するタイミングを失った日本は敗戦へ追い込まれてしまいました。

だから言っているでしょう?

『こうすれば日本は勝てた』という仮想戦記は、最終的にイタ公の悪口になってしまうって。

あの戦いから半世紀以上の時間が経ち、日本もアメリカも太平洋戦争当事者は、そのほとんどが天に召されました。

今、アメリカの政治家で太平洋戦争に参加していた人はほとんどいません。

というか、アメリカにとっては日本がどうこうよりも、ロシア・中国の方がよっぽど敵なのです。

アメリカ社会を実際に動かしている人たちが経験している戦場と言えば、第二次大戦ではなくベトナム戦争やアフガン戦争や湾岸戦争です。

そして日本もまたロシア・中国の脅威にさらされています。

軍事的にも、経済的にも、そして何より同じ民主主義国家として、現在のアメリカと日本の利害は一致しています。

現に2003年現在、ブッシュ政権のアーミテージ国務副長官は、日米同盟の強化こそアジアの安定と両国への利益をもたらすと考えています。

中国進出が激しい昨今の状況では、中国の力を押さえるために日本を対中国の防衛力にする必要があるというのがアーミテージ国務副長官の考え方です。

日本独自の情報衛星を容認する、日本の核保有を承認する、日本の常任理事国入りを提案するなどなど、明らかに中国を仮想敵国として日本の軍事力強化を望んでいるのです。

 「でも、このアーミテージ国務副長官は1980年代の新型戦闘機FSX開発の際、アメリカの代表として日本の計画を阻止したわよね」

 「同時期、イスラエルにも圧力をかけ新型戦闘機の開発をやめさせていますしね。

アメリカとしても、軍事支援している同盟国が独自の新型を持つと武器が売れなくなるから嫌なんですよね」

 「けど、日本やイスラエルには強くなってもらわないと困る。

要するに、米軍装備で強くなれってこと?」

 「そういうことですね。

こういうときこそ、大国のエゴに屈せず、交渉のテーブルで反撃に出るべきです。

世論を高め、国民の意志としてアメリカをブチのめせ!とアピールすれば、外交官も多少の無茶ができるはずです。

「日本が新型戦闘機を開発するのは対ソ連への防衛力のためである!

日本が強くなることはアメリカの国益にも反しないはずだ!

それを阻止するとはどういう了見か!

我々は同盟国ではなかったのか!

日本はアメリカの同盟国であるが、属国ではない!

アメリカには協力するが、アメリカも必要以上の干渉は不要である!」

・・・というようにアーミテージにKOパンチを食らわしてやるべきです。

ソ連が共通の敵である以上、アメリカとしても日米同盟を揺さぶることは良しとしなかったでしょう」

 「そんな上手くいくかしら?」

 「そこが外交官の腕の見せ所です。

外交とは、自国の国益を他国に認めさせること

そして、戦前の日本には無茶とも思われる外交を成功させた偉人たちがたくさんいます。

先祖にできたことが、子孫にできないはずはありません。

戦前の日本の外交官には日本人の誇りがありました。

かつて満州事変以降、アメリカのなりふり構わない挑発行為に対して、ぷっちーんとブチ切れたあげく、とうとう国連を脱退した日本ですが、「やっちまった・・・」と凹む外交官の予想に反して、日本の態度は日本国民に喜ばれました。

大国のエゴに屈せず、独立国家として当然のことをしたのです。

あの頃の日本国民はみんな誇り高かった。

他国との摩擦を恐れず、絶対者気取りのアメリカに勇敢にも立ち向かっていきました。

21世紀の日本人は、あの頃の誇り高かった日本人の精神を取り戻さねばなりません。

たとえアメリカが大国と言えど、日本は独立国家であり、日本の国益を守るために血を流さない戦争に対して真っ向勝負を挑むべきです。

最初はアメリカとも揉めるかも知れませんが、これを乗り越えれば米国も日本を部下ではなく、対等なパートナーとして認めてくれると思います。

国家も、個人も、逃げてばかりいる腰抜けは相手にされないのは同じです。

そして、超大国アメリカとも互角の立場でモノが言える黄色人種国家の存在は、マレーシアのマハティール首相が理想とする日本の姿でもあるはずです。

太平洋戦争で日本がアジアに対して申し訳ないことをしたと思っているなら、やることは一つ。

欧米との血を流さない戦争で勝利することです。

現に日本はすでに、『経済』という名の血を流さない戦争に勝利したことがあります。

21世紀の課題は、政治の場で欧米に勝つことです。

ただ問題なのは、日本のマスコミが日本が国際社会でその地位を上げることを由としないことなんですけどね・・・」

 「まー あんたみたいなタカ派なこと言ってるのは、現実世界じゃ石原慎太郎くらいだからね」

 「わたし、タカ派ですか?」

 「かなり。 読者の誰もがファナティックなタカ派だと思ってるのは間違いないわよ」

 「うーん、困りましたねー。

わたしは平和を愛するハト派な人間なのに・・・・

もちろん、武力行使承認派ですけど・・・」

 「だから武力行使承認している時点で説得力ゼロだっつーに・・・・・」

 「ファイナル・フュージョン承認!

 「関係ねぇだろ、ガオガイガーは・・・ ”承認”しか共通点ないし」

 「さて、新型機の開発をストップさせたり、技術をパクる行為から、アメリカは日本の軍拡を望んでいないと思われていますが、2003年現在では日本に対して独自の情報網を持つべきだと言っており、これはJapan-CIAのようなものを作れという意味です。

また、外交も独自路線を行くべきだとも言ってます。

つまり、アメリカにいわれたから協力するのではなく、独立国家の意志としてアメリカに協力すべきだということなのです」

 「となると、映画作らないといけませんね。

007みたいな世界中でヒットするカッコいい映画を」

 「もちろん主人公の使う銃はデザート・イーグルってことで」

 「うーん 日本人は実写よりもアニメ作った方がいいよーな気がするけど・・・」

 「アーミテージ国務副長官が日本との関係に求めるものは、日米同盟を米英同盟のレベルまで持ち上げることです。

欧州ではイギリス、アジアでは日本。

そして世界はアメリカと、日米英三国で世界をリードしていくのがアメリカ、というか共和党の戦略だと思われます。

これは日本の国益にも繋がることは間違いないでしょう。

日本にとっては、資源輸入ルートと製品輸出ルートが安定すれば、あとは独自でやっていけるのですから。

ここまで言えばわかるように、日米同盟は日本の国益になります。

だから太平洋戦争は思い出の中にしまい、アメリカを宿敵ではなく同盟国として見つめ、各国に対してアメリカに協力するように語り掛けるべきだと思うのですが・・・

当事者ならばまだしも、自分が生まれる前の話を未だに怨んでる病気な人がいるようですね。

そもそも日米戦争は、ソ連の陰謀なのでアメリカを怨んでもロシアと中国が喜ぶだけなのに。

何考えてんだか・・・」

 「ソ連? なんでソ連が出てくるの?」

 「大東亜戦争時のアメリカには、米共産党やソ連の秘密警察であるソ連人民内務委員会(NKVD)の工作員が、ホワイトハウス、国務省、財務省、司法省、CIAの前進である戦略情報局(OSS)、陸軍省等に100人以上いたことが判明しているのです。

彼らは巧妙な手口で日米戦争を誘導し、ルーズベルト政権の大統領補佐官ですらソ連のスパイだったことが冷戦崩壊の極秘資料公開によって事実確認されています」

 

 参考資料: ルーズベルト政権のソ連スパイ

ロークリン・カリー大統領補佐官 
真珠湾攻撃の7ヶ月前に日本を爆撃する計画「JB355」を作成

ハリー・デクスター・ホワイト財務次官 
ハルノート作成

 

 「国家の重臣がソ連のスパイならば、その部下にスパイが大量にいたことは簡単に予想ができます。

仮にスパイでなくても利用されていた連中はたくさんいるのです」

 

 参考資料: ソ連スパイに利用されたルーズベルト政権の重臣

ヘンリー・モーゲンソー財務長官 
米独戦争に起こすため、ルーズベルトに日米戦争を進言。ヘンリー自身はスパイではないが、彼に日米戦争案を吹き込んだのはソ連スパイのホワイト財務次官。なお、ヘンリーはユダヤ人。

中国国民党 蒋介石の政権顧問オーエン・ラティモア ・・・親中反日の学者。支那の偽情報を信じ、米国内の反日を高めた。こいつを推薦したのはソ連スパイのカリー大統領補佐官

 

 「何よこれ。

このメンバーだけでも、ルーズベルト政権はソ連のシンパそのものじゃない」

 「こーいう資料が公開されたおかげで、冷戦後のアメリカには、日米戦争は間違いだったって認めてる連中も少なくないのよね」

 

 参考資料: 「帝国でなく共和国を」より
著パット・ブキャナン(2000年の米大統領選に出馬した保守派の元テレビ・コメンテーター)
「第二次大戦で米国がドイツや日本と戦ったのは戦略的に間違っていた

 参考資料: 米国下院、共和党D・ショート議員の演説('94・11・28)
「真珠湾攻撃に関する全てのいきさつと真実が語られ、白日の下に曝け出されるならば、米国々民は衝撃を受け、激怒し、かつ悲嘆にくれるだろう。
彼等(米国民)の心は深い悲しみに包まれ、激しく傷つけられるだろう」

 

 

 「さらにソ連崩壊によって公開された資料によれば、第二次世界大戦すらもソ連が意図的に起こしたことが判明しています。

ソ連のスパイ組織『コミンテルン』は、第6回大会(1928年7月)で、「帝国主義戦争を自己崩壊の内乱戦たらしめ」、「戦争を通じてプロレタリア革命を遂行すること」と決議していました。

この大会の決議通り、ソ連の工作員は第二次大戦の10年以上前から動きだし、各国政府高官を裏から扇動し、見事に帝国主義間の最終戦争を自らの手で作り出したのです」

 「ちょっと待ってよ。それじゃマルクスの予言が当たっていうのは・・!」

 「ご名答。

マルクスの予言は当たったのではありません。

予言に伴うように戦争を勃発させたのです」

 「まあ、そんなことを言っても簡単に割り切れないでしょうね。

特にアメリカが絶対正義だと思ってる連中には受け入れ難い話だし・・・」

 「・・・・・」

 「日米戦争に対する認識の違いは人によって大きく違いますが、まあ、それも次の戦争までのこと

韓国や中国を問題外とすれば、たかが一度の戦争くらいで、永遠に怨み続ける国は日本くらいなものです。

マレーシアやインドネシアなどは、最初こそ叩いてましたが、今では日本が謝ると「半世紀以上前のことを謝るよりも、今は中国を何とかしろ!」と言ってます。

ヨーロッパなんて何百年と戦争し続けていたのに、今では仲良しです。

まぁ、ただ単に好きだ嫌いだ言ってる余裕がないだけですけどね。

隣りにデッカイのがあるから。

近い将来、日本が戦争に巻き込まれ、同盟国であるアメリカと共に戦うようになれば、日米の溝も自然に無くなるでしょう。

話がそれました。

とりあえずこの第一次中東戦争は、イスラエル側の勝利に終わります。

アラブの目的である『イスラエル建国の阻止』は失敗したわけですから。

さて、ここで質問です。

ユダヤ人の定義は何でしょう?」

 「たしか・・・。

ユダヤ教信者と、その信者を母に持つ子供だったっけ?」

 「それが一般的な見解です。

しかし、聖書では「アブラハムとその子孫にパレスチナを与える」とあります。

普通にいけば、「アブラハムの子孫=ユダヤ人」という図式が成り立つと思うでしょうが、本当に現在のイスラエル人はアブラハムの子孫なのでしょうか?

 「どういうこと?」

 「これはパレスチナ問題においてタブーとされている問題の一つです。

今回はそのタブーにちょっとだけ触れてみたいと思います。

興味がある人はもっと細かく説明してあるサイトや本が存在するので、そちらを参考にしてください。

さて、現イスラエル人を見ると、その多くが白人ですよね?」

 「そうよね。テレビとかだと金髪碧眼もよく見るし」

 「しかし、ゲルマン民族に代表される白人がヨーロッパに移動してきたのは、7世紀ごろの話です。

いわゆるゲルマン民族の大移動がそれです。

つまり、旧約聖書時代のパレスチナには白人などいなかったということになります。

個人レベルでは存在していたかもしれませんが、それが民族や国家レベルの話になると、ほとんど無視してもいいでしょう」

 「ちょ、ちょっと待ってよ! それじゃ今のイスラエルにいる白人系ユダヤ人は・・・・」

 「はい。

遺伝的にも、歴史的にも、彼らがアブラハムの子孫であるとは考えにくいということにあります。

ここで興味深い研究結果がありまして、白人と思われているイエス=キリストは、どう考えても黄色人種ではないか?ということなのです。

これはアメリカのCNNテレビで発表されたのですが、キリストさんの顔を復元したところ、どう見てもアラブ系だよなという顔が復元されたのです。

モーセも、ソロモンも、ダビデも、昔の有名なユダヤ人はみんなアラブ系、すなわちヘブライ人なのです。

パレスチナの位置からして、これは当たり前と言えば当たり前なのですけどね」

 「それなら、イスラエル建国の正当性はなくなるわね・・・・。

ん? じゃあ、その子孫ってのはどこにいるの?」

 「北アフリカですよ。

北アフリカにはアラブ系ユダヤ人が多く存在します。

いわゆるセム系ユダヤ人と呼ばれている人たちです。

そして歴史的にも、遺伝的にも、アブラハムの子孫は彼らである可能性が高いのです。

だから北アフリカのアラブ系ユダヤ人は、基本的に白人国家であるイスラエルの正当性を認めていません。

イスラエルは、勝手にアブラハムの子孫を名乗っているだけである

これが中東戦争を仕掛けているアラブ国家の言い分の一つでもあります。

もちろん可能性に過ぎないわけで、証明する手段はありません。

が、疑惑が濃厚な状態には変わりありません。

これは戦争の引き鉄になるので、世界中でタブーとなっている話題の一つです」

 「・・・そりゃタブーだわ。

もしこれが本当ならイスラエルは本当にただのテロ国家になっちゃうもの・・・」

 「今でも十分テロ国家ですけどね。

では、もう一つ質問です。

旧約聖書の時代には、白系ユダヤ人などほとんどいませんでした。

しかし、現在では白系ユダヤ人はとても多いです。

これは一体どうしてでしょうか?」

 「だんだん人数が増えたんでしょ?世界中に散らばったんだから」

 「それは日本人の持っている偏見です。

そんなことを言っている時点で「日本にパレスチナ問題を解決できる力はない」と、自分から世界にアピールしているようなものですけどね。

他の国にも解決できないとは思いますが、せめて足を引張らないくらいにはならないと、世界から舐められます

舐められると貿易取引などで痛い目に会うため、国家レベルで勉強する必要があるのです。

さて、歴史上、ユダヤ系白人は8世紀まではほとんど姿を表しませんでした。

しかし、9世紀になった途端、白人系ユダヤ人の数は爆発的な勢い増え、歴史の表舞台に登場します。

問題は、この8〜9世紀にかけて一体何が起きたのだろうか?ということなのです」

 「細胞分裂!

 「キングソロモンの秘宝かしら」

 「んなわけないでしょうが・・・」

 「ちょっと違いますね」

 「ちょっとだけなのかよ・・・」

 「褒めて伸ばすのがわたしの方針なんです。

「全部間違ってる」なんて残酷なことは言えません。

夢を見せてあげたいじゃないですか。

命令とか強制は嫌いなんです。

気づくときには自分で気づく。

自分で気づけばプライドも傷つかないし、争いも起きない。

それがわたしなりの優しさです」

 「・・・・優しさねぇ・・・。ただ単に面倒が嫌いなだけじゃないの?」

 「それは言わないお約束です

さて、この8世紀から9世紀の頃には、すでにヨーロッパは白人国家が出来ていました。

フランク王国の後を継いだフランス、ドイツ、イタリアなどの国が原型を作り始めた頃です。

8世紀から9世紀の場合、これらは神聖ローマ帝国と言った方がいいでしょう。

当然、これらの国はキリスト教です。

そして、中東にはイスラム帝国がありました。

当然、これらの国はイスラームです。

この二つの間にある国が存在していました」

 「7世紀頃、コーカサスからカスピ海北岸に、つまりトルコの少し北の位置に、総人口が100万の「ハザール汗国」という巨大王国が存在してました。

住民はトルコ系白人(コーカソイド)で、商人・職人・武人として優れてましたが、周囲の国とは違ってこれといった宗教を持ってませんでした。

さて、ラーメン屋の法則、すなわち「バランス オブ パワー(均衡戦略)」の理論からすれば、このような半端な国はどうなるでしょう?」

 「そりゃもちろん、両方から「俺たちに従え」って言われますよ。今と同じで」

 「その通り。実際、このハザール汗国・・・・なぜ「汗」なのでしょうか。

とりあえず誤字ではありません。文句があるなら1300年前のハザール汗国の建国者に言ってください。

ごほん、ハザール汗国は十字軍とイスラム軍の間で、板ばさみにあって困ってました。

どちらについても戦争に巻き込まれる。

あくまで中立を保ちたい。

でも、それができれば苦労しない。

ときの王は悩みました。

大国間に挟まれた弱小国の悩みはいつの時代も同じという歴史の証明です。

そして王は悩み、悩み、悩んで、悩んで、悩んだ結果、信じられない選択をしました。

さぁ、ここでクエスチョンです。ハザール汗国が取った選択とは一体何でしょう?」

 「なんかクイズ番組みたいね、これ」

ぴこーんっ!

 「カモ南蛮っ!

 「ぶー。違います」

 「・・・これはアメリカ横断ウルトラクイズか?」

 「時間の都合(?)がありますんで、ちゃちゃっと進めましょうか。

ときのハザール汗国王バデアは、あくまで中立を保つために、ある政策をとりました。

キリスト教も、イスラームも、その原点はユダヤ教であり、ユダヤ教徒になれば二つの勢力も中立を認めるだろうと思ったのです。

というわけでバデア王は、

ハザール汗国民100万を全てユダヤ教信者にしたのです

 「・・・・・」

 「・・・・・」

 「・・・・・」

 「・・・・・」

 「・・・・それホントの話?」

 「ええ。記録が残ってますし、歴史的な矛盾もありません。

こうして、8世紀から9世紀にかけ、突如として100万人の白系ユダヤ人が出現したのです」

 「・・・・・・・・・なんつーことを・・・」

 「さらにバデア王はこのとき、「自分たちはアブラハムの子孫である」と言ってました。

正統なユダヤ人であることを示すことで、なんとか国を守ろうとしたのでしょう。

まぁ、誰がどう見てもウソ八百なのですけどね。

なんだかんだ言って、このハザール汗国は、宗教的中立を保つことに成功します。

しかし、これはあくまで一時凌ぎに過ぎませんでした。

9世紀には回避できた宗教的対立も、地政学的な関係から戦いは避けられず、12世紀頃になると東ローマ帝国やモンゴル帝国の板ばさみにあって、ついにハザール汗国は滅亡してしまったのです。

勝ち馬に乗らないと国が滅びるという歴史の証明であります。

こうして12世紀に突如として、数百万人の白系ユダヤ難民が出現しました。

彼らは西へ西へと追いやられ、ヨーロッパに移住することになります。

白系ユダヤ人は基本的には白人なので、中国やモンゴルよりもヨーロッパの方が住みやすかったのでしょう。

しかし国家レベルの難民が入ってきたことにより、ヨーロッパの経済は混乱につぐ混乱を迎え、よそ者である白系ユダヤ難民は、ユダヤ教徒の烙印も相成り、世界各国で迫害されてしまうことになったのです。

この迫害された歴史を持つ白系ユダヤ人、一般にアシュケナジー系ユダヤ人と言いますが、21世紀現在のイスラエル人の多くを占めています。

一説によれば、イスラエルの60%、全世界のユダヤ人のうち90%が本来のパレスチナユダヤ人(セム系ユダヤ人)とは血統的には全く関係ない、言わば偽ユダヤ人だそうで、これは一時期、イスラエル本国も認めていました。

しかし、この説を認めてしまうとイスラエル建国どころか、世界のユダヤ人の歴史そのものが根底からひっくり返ってしまうため、イスラエルは証拠や証言を抹殺しはじめました。

しかし、それは西側では黙認されていました。

世界各国でユダヤ人は、経済や政治、はたまた民族問題までも左右する力を持っているため、『触らぬ神に祟りなし』ということなのでしょう。

以上の理由から、この手の話題は世界中でタブーとされているのです」

 「・・・・・はい」

 「何でしょう?」

 「じゃあユダヤ人迫害ってのは、あいつらが自分からユダヤ人を名乗ったから起きたことなの?」

 「そうなりますね。

結論から言うと、

何勘違いしてんだ?お前らユダヤじゃねぇだろ

ということになります」

 「おいおい・・・。何のためにユダヤ人は迫害されてきたのよ・・・?」

 「でもユダヤ迫害の理由の根底は、宗教よりも、ユダヤ人が難民だったことにあるわけでしょう?

ユダヤ難民のせいでヨーロッパの経済がボロボロになったから、彼らスケープゴートにされちゃったわけだし。

ナチスのユダヤ迫害も、根本的な原因は貧困だしね。

第一次大戦後のドイツは失業率が70%以上で、賠償金による増税+ユダヤ人高利貸しが暴れまくったって背景があるし。

21世紀現在でもドイツでネオナチが活動してるのは、外国人労働者、特に旧ソ連難民がドイツ人の生活を壊してしまってるせいだし」

 「ユダヤだろうが、ユダヤでなかろうが、彼らが難民である以上、迫害されるのは歴史の必然だった・・・」

 「『難民=ユダヤ』という構図が成り立ってしまったことが、どれほどの影響を及ぼすのかによって、違いますね。

仮に『難民=ハザール人』という構図に成ったとしても、あんまり歴史は変わらないのではないでしょうか?

『難民=経済難=迫害』の方程式が成り立つ以上、ユダヤの烙印なんてものはただの口実と考えるのが妥当と思います。

さらにヨーロッパ史を見てみると、ユダヤ人虐殺はどこでもやってたりします。

だいたいドイツだけがユダヤを迫害していたなら、イスラエルなんて作る必要はありません。

ドイツ以外の欧州各国でも迫害されていたからこそイスラエルを作ったのです。

だから第二次大戦だけ見ても、占領下のフランス人の方がドイツ人よりノリノリでユダヤを迫害してましたし、ソ連でもユダヤ人はドイツに負けず劣らず迫害されてました。

むしろユダヤ虐殺の本場はロシアの方だったのです。

ユダヤ虐殺の専売特許がナチスドイツのものというのは、日本人の偏見以外の何者でもないのですが、そんなことを言うとユダヤの鎖に縛られたアメリカや左翼が五月蝿いのでいえないのですけどね」

 「でもユダヤ人抹殺って600万でしょう?

たしかに共産革命は桁が違うけど、ナチスだってかなり殺してるじゃない。

「いつものこと」で済ましてしまうのはどーかと思うわね」

 「その数字はイスラエルの情報操作だというのは公然の秘密だったりします」

 「情報操作?」

 「ユダヤ人虐殺で有名な刑務所を知ってますか?」

 「アウシュヴィッツとか有名ね」

 「そう。ポーランドにあるアウシェヴィッツ刑務所の毒ガスはかなり有名なお話です。

このアウシェビッツ刑務所で何百万人ものユダヤ人が殺されたといわれています。

しかし、この数字すら各国によって違うのです。

ポーランド政府の発表によれば、このアウシェビッツ刑務所で死亡した人数は、当初400万人でしたが、後に100万人に減少しました。

1990年7月18日付けのワシントン・ポストでは150万人説を掲げています。

あまりに人数が多すぎて数えられない。

そう思うのが普通でしょう。

しかし、ここは刑務所です。

刑務所ならばそれ相応の書類があるはずです。

それを見れば書類大好きドイツ人のことですから、かなり正確な数が割り出せるでしょう。

そしてそれの書類は実在したことがわかってます」

 「そんなものがあるなら、なんでこんなに数字がいい加減なのよ」

 「ソ連が持ち去ったのです。

ソ連はナチスが可愛く見えるほどの大虐殺を行っています。

さらにポーランド侵攻や、フィンランド侵攻などの国際法違反。

やってることはドイツと同等か、それ以上です。

それを人々の目から逸らすために、ドイツを徹底的に悪者にしたい。

だから書類を隠してドイツを人類史上最大の悪党にすることにしたのです。

効果は絶大でした。

戦後、ドイツは一貫して「悪いのはナチであり、ドイツ軍とドイツ国民に責任はなし」という理屈を唱えていますが、ナチの強烈なイメージによって、『ドイツ=悪』という偏見は今でも残ってます。

ときは流れ、冷戦末期の1989年になるとソ連の力が弱まり、ゴルバチョフはポーランドの要請に答えて書類を公開しました。

書類には、アウシュヴィッツで死んだ人々の出生地・住所・死亡時刻・死亡原因などが細かく記載されており、そこから恐るべき事実が判明したのです。

かつて何十万、何百万という数が虐殺されたアウシェビッツ刑務所の死亡リストにはたったの7万4千人しか載っておらず、ユダヤ人は約3万人、ポーランド人も約3万人、その他が1万7千人。

なお、このリストは収容所の運営期間の半分だけで正確な数字ではありません。

足りない分を赤十字の記録から補うと、アウシュビッツで死亡した人間は約13万人。

この13万人はユダヤ人と非ユダヤ人を足した数なので、ユダヤ人だけで何人なのかはわかりません。

現在見つかっている名簿はユダヤ人と非ユダヤ人を区別してないからです。

その死亡原因のほとんどは餓えと病気によるもので、ガス殺で殺されたユダヤ人の死体は一体も確認されていません。

それどころかナチスの収容所運営はむしろ人道的だったという一般人の想像するようなものでは決してなかったという研究結果が出てきました

イスラエル内部でもこの研究結果は議論を巻き起こし、「認めざるを得ない」という人たちも無視できない数で存在します。

もちろん、聞く耳を持たないという人もいますけどね」

 「ちょっと待ってよ。

400万人のユダヤ人が虐殺されたはずだったのに、実際は非ユダヤ人を合わせてもたったの13万人だったわけ?

全然事実と違うじゃない」

 「その通り。

死者13万人という数は決して少なくありませんが、それでも400万と13万では10倍以上も数が違います

アウシェビッツ刑務所には書類公開前から矛盾が指摘されてました。

例えばアウシェヴィッツ刑務所のガス室は5つありますが、これらには毒ガスの換気孔がありません。

これでは毒ガスが充満した部屋を空けることはできません。

毒ガスを使用したならば、必ず換気装置があるはずです。

『毒ガスで死んだ死体は灰になるまで燃やして川に流した』という説も怪しいものがあります。

戦車の燃料がなくて使える戦車も捨てざるを得なかったほど燃料不足のドイツ軍に、そんな余裕があったでしょうか?

それに、わざわざ殺すよりは、米ソの大量生産に対抗するために労働力として使った方がはるかに現実的です。

さらに毒ガス室というのは非常に高価で、管理も難しい。

安楽死させるためだ、という説もありますが、それだけではあまりに現実味のない話です。

24時間休まず死体を燃やしたという説もそんなフル活動したら建物が持たないでしょうし、ましてや一日に何千人もの数の死体を灰まで燃やすことなど現在の火葬場でも到底不可能。

『死体に火をつけたら燃えつづけた』という説にいたっては、100%ウソです。

人体の7割は水分ですから、ある程度人体の油が燃えたら火は勝手に消えます。

それは肉料理をしたことがある人なら誰でもわかることです」

 「たしかに牛肉や豚肉を焼いても燃えつづけることはないわね」

 「さらに、イスラエル建国のためのユダヤ人移動は、ナチスとユダヤの利害の一致が見られます。

方や欧州からユダヤ人を追い出したいナチス、

方やイスラエルにユダヤ人を集めたいシオニスト(=イスラエル建国支持者)

1937年2月にナチス将校のアイヒマンはパレスチナのシオニスト組織・ハガナ司令官とベルリンで会談し、2人は合意に達しました。

アイヒマンは書面で「ドイツのユダヤ人を代表する組織はドイツを去るユダヤ人がパレスチナにのみ移住するように圧力をかけるものとする」と約束したことがわかってます」

 「イスラエルは否定してるけどね」

 「ま、当然よね」

 「1937年、アイヒマンはパレスチナに招待されました。

ナチスドイツに感謝するためです。

ゲシュタボのおかげでパレスチナのユダヤ人の人口は増加したのですから、これはシオニストにとっては嬉しい限りなのは言うまでもありません。

当時のシオニストらがナチスのユダヤ政策に喜んでいたことは、彼の報告書にも書かれていることです」

 「うーん、恐るべきは歴史の闇の部分ね」

 「このアイヒマンは戦後になっても生き延び、名前を変えて南米アルゼンチンに亡命してました。

当時のアルゼンチンはファシスト政権で、親ドイツ派でした。

もし、このアイヒマンの口から ユダヤとナチスが手を結んでいたことがわかれば、ユダヤ特権消滅の危機です。

何せイスラエルが嫌いな国はたくさんいます。

アラブ各国はもとより、ソ連もアメリカよりのイスラエルは邪魔な存在です。

アメリカ国内でさえ、ユダヤが嫌いな人間はたくさんいます。

いつアイヒマンが反ユダヤ勢力に利用されるかわかりません。

さて、こういう場合はどうなるでしょうか?」

 「決まってるじゃない。暗殺でしょう? 死人に口無し、つまりは口封じよ」

 「ところが、世界一優秀と言われるユダヤの特務機関モサドは、暗殺よりもさらに難しい拉致に成功しました。

アルゼンチン政府に気づかれず、アイヒマンを殺さずに掴まえイスラエル本国へ輸送したのです。

イスラエルは間髪いれず、アイヒマンを軍事裁判にかけ、戦犯として処刑しました。

証人は消え、証拠の書類は反ユダヤ勢力の捏造と言い張り、イスラエルは亡国の危機を乗り越えたのです。

そして、ユダヤ特権を絶対のものにするために、モサドは世界各国に情報戦を仕掛けます。

アンネの日記、ピカソのゲルニカなどなど、日本人にユダヤ特権を認める人間が非常に多いのは、まさにイスラエルの情報戦の勝利と言えるでしょう」

 「生きるために必死なのはわかるけど・・・えげつないわねぇ・・・」

 「そうやって一つ一つの矛盾を模索していくと、ホロコーストの犠牲者は多く見積もって30万〜40万人というのが実状だと思われます。

とにかく、この手の話題は口にするだけでタブーなので、誰も止められないのです。

調べれば調べるほど、ナチスが人道的だったり、ユダヤ人の行動にこそ問題があったりと驚くべき資料がたくさん出てきます。

もちろん、ナチスがユダヤ人を収容所にぶち込み、その過程で財産や生命を失ったユダヤ人がいたことは否定しません。

ただ「ユダヤ特権」はおかしいと言っているのです。

ユダヤ人が迫害にあったことは事実ですが、ユダヤ人だけが特別に迫害されたわけではないのですから」

 「でも、それ言ったら国際社会から抹殺されちゃうわよね」

 「その通り。

パレスチナでイスラエルが何千人ものアラブ人を殺しても、「ユダヤはナチスに数百万人虐殺されたんだ!おまえらにユダヤ民族の哀しみの歴史がわかるのか!」とか言われれば、誰も彼らを止めることはできません。

これが中東問題の大きな課題の一つにもなってます」

 「偽者だったり、数字を捏造したり・・・ユダヤって実はかなり悪党ね」

 「ユダヤ人は朝鮮人と同じくらい嘘つきだと思います。

その根拠であるユダヤの捏造については、『第二次????先生の補習授業』で語られているので、隠しシナリオの方へどうぞ。

どこにあるのかは秘密です」

 「隠しになってないような気がするのはあたしだけ?」

 「隠しシナリオなんてそんなもんですよ。

さて、脱線してユダヤ問題をだらだらと語ってしまいましたが、結論から言えばそんなことはどうでもいいのです。

ユダヤ人が本物だろうが偽者だろうが、虐殺されようがされまいが、「だから何?文句があるなら戦争だ」で終わってしまうことなので。

問題なのは、戦争に負けることで一つの民族が国家レベルの難民になると、1000年先まで迫害されてしまうという歴史の証明にあります。

もし、日本が戦争に負け、日本民族一億二千万人がまるごと難民となってしまったら、第二のユダヤ人になってしまう。

その上、一方的に攻められたのに、歴史を捏造されて徹底的に悪者にされてしまうことも確実である。

ようするに、日本人が日本人でいられる場所は、日本以外には在り得ないということです。

これは他の国にも当てはまり、仮に北朝鮮が崩壊して数百万人の難民が日本や韓国に流れ込んできたとき、日本がナチスもどきの民族至上主義に走らないことを祈るばかりです。

黄色人種の日本人にはナチスの軍服は似合いませんから」

 「なんか問題が違うような…」

 「もし北が崩壊したら、やっぱり難民の受け入れを拒否するんでしょうか?」

 「わたしが政治家ならば断固拒否します。

もし北朝鮮難民が仕事につくとすれば、アルバイトなどの単純な仕事でしょう。

しかし、そんなことになれば今の日本人アルバイターの生活が破壊されます。

アルバイトの多数を占める日本人の若者たちが国家レベルで失業者になる。

その上、言葉も話せない朝鮮人が日本の都市を徘徊するようになるのです。

当然治安は悪くなるでしょう。

盗難、強盗、詐欺、殺人が社会を傾かせることも、イギリスやドイツなどを見れば否定できません。

イギリスやドイツでは、旧ソ連崩壊などで多くの難民や外国人労働者がいます。

しかし、あまりに受け入れすぎたために自国民が失業してしまうケースが多発。

暴徒と化した難民や失業者を鎮圧するために特殊部隊が投入されるケースも無視できない数になっているのです。

日本がそうなるのは、わたしは嫌です。

だから「北朝鮮難民100万人を受け入れて、日本人失業者が一万人増える」のならば、わたしは受け入れない方を支持します。

冷酷かも知れませんが、自分の生活を守るためには仕方ありません

かつての明治日本が李氏朝鮮にしたように、彼らが自立できるよう長期的に支援すべきだと思います。

そのためには、恐怖政治もやむを得ません。

犯罪を起こす輩は徹底して取り締まり、改革に口を挟ませないことも必要だと思います。

内政干渉だろうが、なんだろうがそんなものは無視あるのみです。

特に韓国には絶対にやらせません。

どうせあいつらに単独で北朝鮮を統一することはできないので、やるのはアメリカでしょう。

ならばアメリカにGHQ支配の再現をやってもらうべきです」

 「第二の韓国ができたら最悪だからそれはいい考えね」

 「半島に持って欲しいのは自浄能力です。

政府批判ができないで何が民主主義国家でしょうか?

手伝うなら日本が主導で。

手伝わないなら全く手伝わない。

中途半端な支援など愚の骨頂。

当然難民など受け入れません。

安易に難民を受け入れても、社会が混乱してしまい、最終的に追い出す結果に終わってしまうことは少なくないからです。

結論が同じなら、犠牲は少ない方がいいと思います。

だいたい彼らは難民じゃありませんし、なんで日本が受け入れなきゃならないんでしょうか?」

 「それは言い過ぎなんじゃないの?いくら韓国が嫌いだからって・・・」

 「いいですか?

北朝鮮の脱北者というのは、『北の方に住んでいる貧しい韓国人』ですよ。

韓国の法律では、朝鮮半島に住む朝鮮民族は全て韓国人です。

日韓基本条約で、日本の立場は「北朝鮮は国家ではない」ということになってます。

半島で唯一の国家は韓国なのですから北朝鮮は国家ではないのです」

 「そうなの!?」

 「連中の狙いは、西ドイツの二の舞を踏まないことですよ。

半島が統一なんてしたら、韓国の経済はボロボロになります。

だから日本を食い物にしようとしているんです。

韓国は、中国の朝鮮族にも容赦しませんからね。

国籍が違えば、もやは同じ民族じゃないってのが連中の考え方です」

 「というわけで、韓国に住む韓国人を勝手に日本に受け入れたら、それこそ強制拉致になります。

人道的とか、援助とか、難民受け入れ、なんて甘い言葉に騙されて脱北者を受け入れた日には、

「日本は韓国人を拉致した、賠償と謝罪を要求する」とか言われるに決まってます。

というか、もう言われてますし。

いくら日本が援助しても韓国では情報操作で一般人にはほとんど伝わってませんから無意味だし、日本に感謝などすれば逮捕されます。

韓国人のほとんどは日本が技術協力したり、資金援助したりしていることを知りません。

援助した資金や物資、技術のリストを見せても、『それは日本の捏造』と言い張る連中です。

だから韓国人の中では「今でも日本は謝ってない」ということになってます。

それは北朝鮮も同様。

日本人の常識など一切通用しない。

北も南も半島はのような国家です。

今まで普通の国だと騙されていた日本人が朝鮮半島のことを知れば知るほど嫌いになるのは当然の感情だと思います」

 「人種差別はいけないわ。

中東や南米の外国人労働者と同じように、普通の外国人として扱うべきよ」

 「うーん、こーいうのって学校じゃ教えないから、マスコミが流せばいいのに・・・どうして流さないのかしら・・・」

 「・・・だって工作員だもの・・・」

 「だからマスコミ=工作員って断定するのはやめなさいって」

 「そうよ。何も考えてないだけかもしれないし」

 「そっちも酷いわよ」

 「北朝鮮の強引な近代化の途中、仮に米軍が民間人を武力で押さえつけるとしても、わたしは彼らを支持します。

北朝鮮が自立できるようになり、北朝鮮の不正入国者が減ることは、日本の国益にも繋がるからです。

雲の上の話かもしれませんが、日本国は主権が国民にあるので、こういう話を個人レベルで考えることも必要だと思います。

このように、究極の選択を迫られたとき、先人や余所の国のやり方を参考にすることも歴史を学ぶ意味の一つであると思うのですがどうでしょう?」

 「こういうときに必ずでてくるのが、「隣人を見捨ててお前ら人間かっ!?日本は大量の難民を受け入れるべきだ!」とか言う政治家よね。

人気取りしか能のない政治家が当選すると、だいたい失敗に終わるのよね」

 「人気取りしか能のない政治家は、大半が公約を破ります。

というよりは、最初からそんなものは実現不可能なんです。

言うはやすし、するは難し。

この小説ではやたらと『世界征服』とか言ってますが、それが実現不可能なのは読者の誰もがわかってるでしょう。

もちろん書いてる方も99%無理だとわかってます。

だから本気にする読者はいないでしょう。

それと同じく、現実的に見て、実現不可能なことを言っている政治家が、いざ政権を取っても無理なものは無理なので、公約が破られてしまうのです。

例えば、「私が当選したら一年以内に完全失業率を3%減らす!」と言う政治家がいれば、誰もが支持するでしょう。

しかし、そんなことがすぐにできるわけがありません。

厳しい現実から見れば、高すぎる理想は最初から実現不可能なのです。

明治政府だって、その主力メンバーは元々は攘夷派の連中だったでしょう?

けど、いざ政権についたら一気に開国派になりました。

このようなことは日本だけではありません。

1991年のクリントン米国大統領も「キューバ難民を2万人受け入れる」と公約したものの、実行すると社会が大混乱になるので途中でやめ、票が足りなくなるとやっぱり復活したりして、キューバ系米国人の票狙いをしていたりしてます。

歴史が証明しているように、政治家が公約を破棄するのは伝統なので、別に珍しいことではないのです。

ようするに、政治家が嘘つきというよりは、そんな見え見えのウソに騙される国民がアホなだけと考えるのが妥当だと思います」

 「あらキツイ御言葉」

 「まぁ、あれですね。

国のトップが変わっただけで問題が解決するならば、誰も苦労しないということです。

ローマは一日にして成らず。

千里の道も一歩から。

継続は力なり。

気長にいきましょう。

何十年という長い目で見守る根気が大切だと思います。

少なくとも、外交でミスらなければ国は滅びません。

逆に言うと、外交のミスは命取りということです。

これは歴史が証明しています。

例えば、クウェートやフィリピンは「外交<内政」で国が傾きました。

クウェートの場合、外交をミスったせいで、イラクに侵略されてしまいました。

このように、弱小国は、外交超重視の政権でないと国が滅びます

トルコは極度のインフレや難民問題で内政がボロボロ状態にありますが、それでも国として存在しているのは「外交>内政」という方針で政府が動いているからです。

昨日まで安全だった国が、突如として戦場になることはいつものことなので、『日本だけ特別』という考えは捨てた方がベタ―です。

だから政治家を選ぶときは、「外交>内政」の視点で選ぶべきだと思います。

国際情勢を、というより『軍事力=抑止力』ということを理解している政治家が政権を取らないと、フィリピンみたいに、最後はアメリカに泣きつく結果に終わってしまうのです。

そうなってからでは遅いのです。

ノアはいつ箱舟を作りましたか?」

 「雨が降る前です!」

 「そして軍事力を理解している人間が政治家になれるような社会を作るには、一般人である我々が世論を高め、現実的な意見を言っても変人扱いされない雰囲気を作る必要があります。

どんなに軍事力を理解している政治家が登場しても、「同盟」とか「参戦」とかいう単語に拒絶反応を起こすような社会では、誰も発言できません。

たとえば、「奇襲攻撃」とか「侵攻」とか「核」とか「絶滅」などと言った単語は、現在の日本ではタブーになっています。

しかし、いざ有事のときにはタブーどころか日常会話です。

このギャップを少しでも埋めるためには、政府よりも、まず先に国民が変わらねばならないと思うのですがどうでしょう?」

 「大丈夫ですよ。

ミサイルの一発でも飛んできて、自分の家族や友人が目の前で肉片(ミンチ)にでもされれば、誰だって変わりますって」

 「そうなってからでは遅いと言っているのですが・・・」

 「だって、言って聞くなら誰も苦労しないでしょう?

ドイツと同じで、日本人は思い込んだら一直線な民族だから。

米英みたいな柔軟な発想ゼロだし。

どーせ話し合いじゃ決着なんてつきませんよ」

 「・・・・・。

そうですね。

話し合いでは決着がつかないから、みんな戦争するんですよね。

悲しいことですが、やっぱり一度は血を見ないと何も変わらないでしょう。

さて、話を元に戻します。

第一次中東戦争はイスラエルの勝利に終わりました。

もともと、イスラエルが国連からお墨付きをもらったのはパレスチナの一部だったのですが、この戦争の勝利によってパレスチナのほとんどを制圧してしまったのです。

そしてイスラエルが制圧していない残りの地域にいるのが、PLO(パレスチナ解放戦線)の皆様方ということですね」

 「アラファトさんがトップのあれね」

 「そういうことです。

見ての通り、アラファトさんは寄せ集めのリーダーに過ぎず、それもイスラエルが勝手にリーダーに指名したに過ぎません。

だから、パレスチナは一枚岩じゃないですし、アラファトさんが和平を望んでも過激派が勝手にテロを起こすため、ある意味どうしようもないのです」

 「じゃあ何? 過激派とアラファトは無関係なの?」

 「そうですよ。パレスチナが一枚岩だったらイスラエルだって楽なんです。

が、それができないから泥沼なんですね。

もともとアラブは遊牧民。

近代国家の概念自体が欧州産なので、中東にはそんなものは最初からないのです。

さて、第一次中東戦争において、イスラエルの軍事力はアラブ諸国を圧倒し、あと一歩でエジプトに侵攻するところでした。

しかし、ここでイギリスがエジプト側につきました。

イギリスは、イスラエルに対して「これ以上やるならイギリスが相手になる」と通告。

その理由は簡単で、もしこのままイスラエルがエジプトを占領してしまえば、エジプトにおけるイギリスの利権が脅かされてしまうからです。

エジプトが弱くなるのは構わないが、倒れてしまうと大損。

しぶしぶイスラエルは停戦を受け入れることになります」

 「相変わらずイギリスも悪さばかりしてるわねぇ。

もともとイスラエル建国はイギリスお得意の二枚舌外交が原因だったんでしょ?」

 「そうなの?」

 「説明しましょう

 「なんで説明おばさん?」

 「わたし、少女です。

イスラエル建国にはイギリスが関わっています。

ときは第一次大戦中の1916年、トルコと戦うことになったイギリスは、対トルコの構えから、アラブ系民族に「戦後になったらアラブ王国の建国を支持する」と約束しました。

しかし、1917年になるとユダヤ系パレスチナ人に「戦後になったらイスラエル建国を支持する」と約束しています。

その見返りとして「トルコと戦え」というのが、両者にイギリスが持ちかけた取引でした。

見ての通り、これはイギリスお得意の二枚舌外交です。

中東戦争ではイギリスは飛び火するのが恐いため、イスラエルに置いた英軍は動かさず傍観。

「すでに英国は植民地統治者ではない。彼らには彼らの方針がある。英国が独立国に口を挟むのは内政干渉だ」ということでイギリスは第一次中東戦争には参加しませんでした」

 「相変わらずイギリスは、外交が上手いですね」

 「恐るべしは大英帝国の手腕・・・。日本もこれくらい外交が上手ければ勝てたのに・・・」

 「またそれかい」

 「第一次中東戦争におけるイスラエル軍の強さは、その士気の高さにあります。

神が与えたもうた約束の地パレスチナ。

神に選ばれし国イスラエル。

第二次世界大戦では、アメリカ、イギリス、ソ連などに所属して戦った歴戦の猛者がイスラエル国防軍の中心になっていました。

兵士一人一人の練度は、近代化できないアラブ諸国とは桁違いです。

さらにアラブ諸国は、お互いが敵同士でもあるため、イスラエルを倒したあとの支配をめぐって意見がバラバラ。

ほとんど連携が取れていませんでした。

もしも、アラブが一枚岩となって作戦がスムーズにいけば、数において劣勢のイスラエルは負けていたかもしれません」

 「結局、アラブもヨーロッパと同じラーメン屋なのね」

 「その通り。

ヨーロッパもアラブも、頭の中は基本的に同じです。

ただヨーロッパと違い、アラブは歴史を学ばないため同じ失敗を繰り返しているだけです。

歴史を学ぶ習慣は近代化の必修条件。

しかし、学校で習うのはコーランの暗記ばかり。

政教分離ができていない国の教育は、現代では通用しません。

そしてそのような国では、宗教を否定するような発言はできません。

言うなれば、宗教ファシズム国家なのです。

それまで奴隷としか存在を許されなかった国が、いきなり民主化運動をしても失敗に終わってしまい、絶対王政に逆戻り、もしくは軍事独裁政権になるというお約束のパターンです。

このようなアラブ諸国が、トルコのような柔軟な発想を持つには、まだまだ時間がかかるということです」

 「やっぱりケマルさんは偉大ですね」

 「そして、そのトルコの父が模範とした国である日本もまた偉大である、と日本人は日本を誇っていいと思うのですが、残念なことに現在の日本の歴史教科書ではとてもそんなことはできない状況にあります。

悲しいことです。

それは国家レベルで行われているため、個人ではどうすることもできません。

何の権力もないわたしのような一般人ができることといえば、この小説のようにエンターテイメントにメッセージを盛り込んで、読者の皆さんに読んでもらうことだけです」

 「それって ハリウッド映画のパクリですけどね」

 「どうしてそういう単語だすかなぁ、せっかくのまじめなセリフが台無しじゃない・・・」

 「えー? まじめな部分って前フリじゃないんですか?」

 「前フリって、アンタ・・・・・・」

 「ではオチがついたところで、次の前フリへ行きましょう」

 「認めるんかい」

 「ご想像にお任せします

それにハリウッド映画やロボットアニメに見られる「エンターテイメントにメッセージを入れる」という方法は効果的なんですよ。

そして、それは「学問のすすめ」でも証明されています。

福沢諭吉は友人の新聞記者に「君は誰に対して文章を書いている?わたしは天下の賢人に向けて書いているぞ」と言われたとき、

 「わたしは猿でもわかるように書いている

と、鼻を穿りながら答えたそうです。

・・・・・・・・どうやら頭が痒くなる一歩手前だったわたしは猿並だったようですね。

それはともかく、当時の明治日本は、ほとんどの人が読み書きができ、その織字率は英仏米を凌いでおそらく世界一だったと言われています。

しかし、そうは言ってもほとんどの人々は簡単な文しか読めず、少し難しい話に突入すると、

お、お、お・・・おべりばっ!!

となってしまうので、『国民の政治的な感心を高めるには、誰にでもわかるような文章で書かねばいけない』というのが福沢諭吉の結論でした。

これを新聞記者の友人は笑いました。

「お前は、そんな幼稚な文章しか書けないのか?」

しかし、結果を見ればどうでしょう?

福沢諭吉は誰にでも読んでもらえるように書いたため、学問のすすめは日本人の10人に一人に読まれ、日本史上に残る名作となり、彼の思想は皆に伝わったのです。

誰も読んでくれない文章など何の意味もない。

「愚民には俺の文章が理解できないのだ」というのは負け犬の遠吠えに過ぎない。

読者が読まないのは、読者が読みたくなるような文章が書けない作家がダメなだけ。

読者に読んでもらうには、作家の方も工夫する必要がある。

それが福沢諭吉の結論でした。

しかし、それは140年前の話。

21世紀現在の生きる現代人が140年前の技術をそのまま使う、というのでは先人の皆様方に「まるで進歩がないじゃないか!お前ら140年間も何をやってたんだ!?」と怒られてしまいます」

 「・・・・で、これがその発展形というわけ?」

 「はい。

140年前、福沢諭吉は簡単な文章で書くことで読者の支持を得ました。

しかし、それだけでは芸がない

というわけで、従来の簡単な文章をさらに簡単にし、キャラクターの会話形式を導入。

なおかつ登場キャラクタ―には美少女キャラを登用。

肩がこらないようにギャグを取り入れ、軽いノリで気楽に読めるエンターテイメント風味に仕上げたつもりです。

これが21世紀版「学問のすすめ」のあるべき姿だと思っているのですが、どうでしょう?」

 「・・・・・・・・・・・。福沢諭吉が読んだら泣くわね、きっと・・・」

 「昔は昔、今は今です。

同人の神様を尊敬するものとして、彼の意志を継ぐ必要があります。

福沢氏が、コ●ケで自分の顔が使われている紙幣が飛び交っていることを知れば、きっとお喜びになられるでしょう」

 「喜ぶかなぁ・・・・。

きっと、泣くんじゃないの?」

 「いいえ、きっとお喜びになられるはずです。

なんせ同人の神様ですから」

 「だから、その称号そのものが嫌がるんだって」

 「同人を制するものは世界を制す

歴史がそれを証明しています。

わたしもまだまだ修行が足りません」

 「・・・・・なんつーか、末期?

 「よろしいですか?

宣伝とはその対象とする最下層の知識層に理解できるようにしなければならないのです。

感情に直接訴える言葉を繰り返すことで熱狂と興奮を呼び起こし、繰り返される言葉はやがて大衆にとっていずれ真実になります。

偉大な嘘つきは偉大な魔術師なのです。

人々が考えないことは権力者にとってどれほど都合がいいことでしょうか?」

 「…それは福沢諭吉じゃなくてヒト――――」

 「さて!

第二次世界大戦が終わり、「黄色人種でも白人と戦えるのだ」と日本が世界に示したため、世界各国で反白人運動が高まっていました。

はっきり言って、日本の間接的な煽りのせいで中東は動乱になってしまったのですが、当の日本は「俺が悪かったんだ〜!ごめんなさい〜!うわああん!」という自虐状態に陥っていたので、世界のことなんて知らん振りです。

「日本の行動が世界の植民地国を勇気づけた」というのは、当事者たちが言っているので間違いないのですが、そうなると『第二次大戦における日本の正当性を証明してしまう』ので、日本の教科書には載っていません。

載せたい人もたくさんいるのですが・・・大陸と半島と平和ボケの末期患者がうるさくて・・・。

まあ、『第二次世界大戦は日本が悪かった、以上』という左翼の説が間違いだらけ矛盾だらけなのは歴史が証明していますね。

日本が本当に侵略戦争しただけなら、誰も勇気付けられたりはしません。

中東からも好かれたりしません。

ところが、今でも「日本は悪かった。以上」で終わっている日本人は日本各地に腐るほどいます。

何考えてんだか・・・」

 「暇なだけでしょ? 

他に生き甲斐が無いだけだから放っておけばいいのよ。

好きにさせとけば?

中国や韓国みたいなファシズム国家と違って、日本は自由の国だしね」

 「昼間っからコンビニの前で座ってる暇人と同じですよ。

ただ単に『燃え』るものがないだけじゃないんですか?

人生がつまらないだけですよ、きっと」

 「趣味や仕事に熱中している人たち、目が濁って超素敵・・・・」

 「なんつーか、身もフタも無い言い方よね。いつものことだけど・・・」

 「まぁ、左翼の中には、韓国や中国の工作員が確実に紛れ込んでいるので同情するだけ損です。

人の優しさにつけ込むのは、詐欺の基本。

情報戦は平時の常。

「嘘は100回繰り返せば嘘ではなくなる」という毛沢東の戦略を愚直に繰り返しているだけなので、人間性がどうこうの問題ではなく、単なる情報戦と見るのが妥当です。

というか、あんなミエミエのウソに騙される方が悪いだけです。

どっちかというと、騙される方に問題があるような気もしますけどね」

 「言うわねぇ」

 「日本はお人よし過ぎるんですよ。

まあ、それが中東から好かれる理由でもあるのですけどね。

それにこの手の内部工作はどこの国だってやってますし、安土桃山時代には戦国大名が忍者を使ってよくやってました。

それと同じです。

これが冷戦時代の西ドイツやアメリカ、イギリスならば、スパイ狩りは日常茶飯事でしたし、21世紀現在の韓国でも共産主義肯定は法律で禁止されているのですが、残念ながら今の日本には、敵国の内政干渉工作を規制する法律がないため、どうすることもできません。

ヘタに規制すれば、こちらが訴えられてしまいます。

それに、彼らにとって反日運動はお仕事ですから、営業妨害はいけません。

要はこちらが騙されなければいいだけの話です」

 「国家公務員はどこの国でも大変ですね」

 「公務員って、をい・・・」

 「まさか民間企業がやってると思ってるの?」

 「そりゃ民間じゃやってないとは思うけど・・・だからって公務員って・・」

 「だって労働者ってのは、公務員と民間企業の二つに別れるし。

仮にフリーのエージェントが実行してても、依頼者は国なわけでしょ?」

 「国がやらせているなら公務員・・・。

暗殺者(アサシン)だろうが、テロ屋だろうがやっぱり公務員・・・。

市役所の役員も、中学校の先生も、CIAも、KGBも、武装ゲリラを教育する特殊部隊もやっぱり公務員・・・」

 「なんかなぁ・・・・・・・・」

 「さて、第一次中東戦争で痛めつけられたアラブ国家は、単なる敗北以上に自分たちの国が『古い』ということを実感しました。

いくら伝統の生活がいいとはいえ、それは貧富の差が激しく、一般国民の多数が抑圧されている社会のことを示します。

戦争に負け、各国では近代化を求めるナショナリズムがさらに活発になりました。

これに該当する国のいい例がエジプトです」

 「第一大戦後のトルコみたいね」

 「第一次中東戦争時、すなわち1948年頃のエジプトは、独立国家とはいえ国王が支配者でした。

しかし総人口の0.5%が国民所得の50%を手にするという貧富の差が非常に大きい社会だったのです。

その上、独立国家と言えど、行政の主導権は駐在イギリス大使が握ってました。

エジプト王室からすれば、イギリスに支配されることで王室の保身を存続したのでしょう。

やはりトルコ皇帝と同じで、『王室>国家』という構図です。

エジプト貧困の原因は悪しき伝統にあり。

歴史の必然とも言いましょうか、エジプトは近代化を求め、1952年7月23日にナセル中佐率いる自由将校団により無血クーデターが起こりました。

翌53年6月に王制を廃止。

トルコの歴史をそのまま辿るような形でエジプトは近代化を進めていきます。

クーデター後のエジプトでは、ネギブ将軍が首相兼臨時大統領となり、ナセル中佐は副首相兼内相となりました。

ところがこのネギブ大統領は旧支配者層との関係を強めます。

ようするに、「問屋と悪代官」の関係です」

 「どこの国もやってることは同じというわけね」

 「こうなってくるとネギブ大統領が邪魔に思うのは、近代化を進めようとするナセル副首相です。

邪魔者は消すに限る。

お約束といえばお約束の展開というわけで、クーデターの翌年の1953年、ナセルを暗殺する計画が立てられました。

しかし、これは失敗に終わります。

ネギブ臨時大統領を政界から追い出したナセル副首相は、エジプト近代化のために自ら指揮を取ることを決意。

こうしてナセルはエジプト共和国初代大統領となり、エジプトの独立戦争がその幕を開けます」

 「くぅう!燃え―――っ!

 「アンタはそれしかないんかい?」

 「ロボットアニメオタクはこの手のストーリーに弱いわ。キモ・・・」

 「それ前回もやったわよ・・・」

 「エジプト王政があっさりと終わった理由は簡単です。

不平不満もありますが、それ以前の問題としてエジプト国王はエジプト人ではないからです。

エジプトの王室の血筋はマケドニア(ギリシャの北)の傭兵が起源となっており、言わば余所者。

つまりピラミッドを作った古代エジプトのファラオと、20世紀のエジプト王はまったく無関係であるということです」

 「無関係の人がなんで王様なの?」

 「それはナポレオンの時代まで遡ります。

1776年のアメリカ独立戦争後、イギリスの力が弱まった隙を狙い、フランスではフランス革命が起きましたが、そんな簡単に民主化が成功するはずもなく、結果としてナポレオンの帝政が始まります。

ナポレオンはイギリスを倒すため、インドとイギリスの補給路を潰そうとしてエジプトに遠征しました。

というわけで、英仏の争いの戦場がオスマントルコになったのです」

 「またあいつらかい・・・」

 「しょうがないじゃない。伝統だから」

 「ナポレオンに対抗する力を求め、トルコはイギリスと手を組みます。

当時のエジプトは、オスマントルコの一部だったのです。

このエジプトに派遣されたのがトルコのムハンマド・アリーというやり手の軍人さんです。

さて、このムハンマドさん。

自分が任せられたエジプト軍のみ近代化を促進させます」

 「はい?」

 「ムハンマドはトルコ本国の腐敗に失望していました。

たしかに侵略する白人は悪い。

しかし、オスマントルコの方も、そりゃ侵略されるわという結論を出していたのです」

 「どこぞの塾の先生が出した結論と同じね」

 「そうですね。

さて、このムハンマドは、エジプトだけでも白人の支配から救いたいと思ったのかどうかは知りませんが、ナポレオン軍を追い出したエジプトは、今度は宗主国であるオスマントルコに対して兵を上げます。

事実上の反乱です。

トルコもイギリスも、このエジプトの反乱は失敗すると思ってました。

ところがこのムハンマド率いるエジプト軍は、オスマントルコの首都コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)まで迫る勢いでした。

このままではトルコ全域が近代化して強くなってしまう!

そうなれば困るのは、ここを植民地にしていたイギリスです。

危機感を募らしたイギリスはトルコ側に立って参戦。

さすがのエジプト軍も、大英帝国軍に勝てるはずもなく、しぶしぶエジプトは講和することを決定します」

 「なんかどこかで聞いたような話ね」

 「歴史は同じことの繰り返しですよ。

この講和で、エジプトは占領したオスマントルコの領地を返却することを迫られました。

その代わり、エジプトをオスマントルコから独立させることに成功します。

これが近代エジプトのはじまりでした。

この近代エジプトは、ムハンマドが王となり、ムハンマド・アリー王朝と呼ばれています。

ここまで言えばわかるように、エジプトの王はエジプト人ではなく、余所から派遣された傭兵の末裔だったのです。

ムハンマドの死後、エジプトは第二次中東戦争の原因ともなったスエズ運河を建設し始めました。

しかし、これはイギリスの甘い罠でした」

 「『これを作ればエジプトは豊かになる』とか言って、エジプトの財政を破綻させようしたとか?」

 「正解です。なかなか鋭くなってきましたね」

 「まぁね。

ずっとイギリスのやり方を見てきたから、だんだんあいつらの思考回路が読めてきたのよ」

 「それがすなわち―――」

 

 「愚かものは経験に学ぶが、我輩は歴史に学ぶ」

 

 「――ということです。

このスエズ運河は、たしかにエジプトを豊かにしました。

しかし、短期間に無理をして作ってしまったため、エジプトは財政難に陥り、イギリスとフランスの援助を受けざるを得なくなります。

相手の弱点につけ込むのは戦術の基本

「弱ったエジプトを各国が狙っている」とか「ここを他に占領されたらどうする?」とか「エジプトだけでは持たんぞ?んん〜?」などというプレッシャーに押され、エジプトはオスマントルコの植民地からイギリスの植民地へ移ってしまいました。

1922年、第一次大戦後のナショナリズムの波に押され、エジプトは形だけイギリスから独立しますが、実質の権力者はイギリスでした。

そして第一次中東戦争後の1952年のエジプト革命で、ナセル率いるエジプトは本当の意味でイギリスから独立をしようとします」

 「何から何までトルコと同じね・・・」

 「独立運動は高まったものの、ただ「独立を宣言した」では独立などできないのが現実の世界。

ナセルは、エジプト政府の腐敗ぶりを一掃しなければならないことを知っていました。

第一次中東戦争当時、ナセルは陸軍中佐としてパレスチナの最前線にいました。

彼の率いるエジプト陸軍部隊は、近代兵器で武装したイスラエル軍から激しい攻撃を受け、ナセルはイスラエル軍との質の差を実感します。

しかし、それ以上に愕然としたのはエジプト軍司令部の行動です。

イスラエルに対抗できないことを知ると、エジプト軍司令部はナセルら前線の部隊を見捨てて撤退をはじめました。

必死で戦った味方を平気で見捨てる・・・・。これが今のエジプトのやり方なのか・・・!

ナセルはこのとき、「現エジプト政権を倒さねば、エジプトに未来は来ない」と確信しました。

ナセルの理想に共感し、彼は西にも東にも属さない第三世界のヒーローとして、中東の期待の星となっていったのです。

さて、中東期待の星ナセル率いるエジプトが独立を成功させようとする最大の障害は、アラブにとっての『悪の帝国』であるイギリスです」

 「やっぱりイギリスなのね」

 「エジプトからイギリスの影響を排除することが、エジプト植民化脱出のテーマとなります。

イギリスは、エジプトのスエズ運河に8万の兵を駐留していました。

これを追い出すために策を練ることになります。

外交を成功させるのに必要なのは、言葉ではなく力です。

明治日本しかり、トルコしかり。

まずは兵力を増強しなければ、大英帝国を交渉のテーブルにつかせることはできません。

弱小国が正論を言っても相手にされないからです。

またイスラエルへの対抗手段としても国防軍の近代化は必要不可欠です。

イギリスなしではイスラエルに対抗できない。

されどイギリスがあってはいつまでもエジプトは植民地のまま。

自国防衛ができない弱小国は、大国の餌食になるしかない。

そういうことです。

当初エジプトは西側諸国に武器輸出を頼みましたがこれは断られてしまいます。

当たり前と言えば当たり前ですね。

植民地体制を崩壊させようとするなど、自分で自分の首を締めるだけから。

そんなモノ好きは、この時点では日本くらいしか例がありませんでした。

ときは1950年代、米ソ冷戦の真っ只中。

当初、エジプト独立にはアメリカが協力を申し出ていました。

アメリカはできるだけ自分の陣営にアラブを引張りたかったのです。

つまり、経済援助の見返りとしてアメリカに従えということでした。

これに賛成していたのは、日本、トルコ、ギリシャなどソ連の脅威に立たされていた弱小国です。

しかし、エジプトはこれを断りました。

イギリスの支配から逃れるために、アメリカの支配を受けるなど冗談ではない!

血気盛んなエジプトのナセルは、米英仏を同時に敵に回してもエジプトの独立を守ると徹底してアメリカの傘下に入るのを断りました。

そのうえ、エジプトの宿敵イスラエルに武器を売るアメリカをアラブの敵と見なし、反米感情は高まりを見せます。

これがナセルをソ連へ接近させました。

ソ連製兵器の供与を見た西側はエジプトの会社への融資停止による圧力をかけて、エジプトがアカに染まるのを防ごうとします。

アメリカは、エジプト近代化の象徴であるアスワンダムの建設費用を断ち、エジプトを屈服させようとしました。

ここが西側の甘いところですね。

これがソ連ならば即行で侵攻するところです。

しかし、だからと言ってエジプトも西側に屈するわけにはいきません。

1956年7月26日、エジプトはスエズ運河の国有化という対抗措置に出ました。

今まで英仏が株式を保有する会社に渡っていた利権を、エジプトが引き継ごうというものです。

当時において、スエズ運河は航海から地中海へと向かう西欧向け石油の7割が通過してました。

つまり、ヨーロッパ経済の生命線です」

 「じゃあ、ここを取られたらイギリスだけじゃなく他の国もやばいじゃないの。

自国のピンチを黙って見過ごすヨーロッパじゃないわ。

とりわけ利権を持ってたイギリスとフランスはぷっちーんといくわね」

 「その通り。

日本がアメリカによる貿易封鎖を解こうとして戦争を仕掛けたと同じく、イギリスもエジプトに戦争を仕掛けます。

しかし、ここで問題なのは国連です。

第二次世界大戦までは外交の一手段として戦争行為は合法でした。

というより、規制する法律が明確に存在していなかったのです。

しかし、戦後になると戦争は御法度になってしまいます。

国連で「外交問題を戦争で解決しちゃだめ」という法律が作られたからです。

こんなものは建て前に過ぎないのは誰の目にも明らかですが、ここで無理に戦争を仕掛ければ、イギリスは国際社会から孤立してしまいます。

イギリスを叩きたい国は世界中にゴロゴロいるのは言うまでもありません。

イギリスがエジプトに侵略戦争を仕掛ければ、エジプトに協力する国が世界中から現れるでしょう。

それは避けねばなりません。

されども、このスエズ運河のエジプト国有化を見過ごすこともできません。

さて、ここで問題です。

エジプトを合法的に叩くために、イギリスがしたことは何でしょう?」

 「ソ連侵攻!

 「んなわけあるか」

 「似たようなものですね。

エジプトを叩くため、イギリスはイスラエルをぶつける工作に出ます」

 「似てるか?」

 「ナセル大統領は、元々スエズ運河を通行できないイスラエルがインド洋にぬける唯一のルートであるティラン海峡を軍艦で封鎖していました。

ここを封鎖されるとイスラエルは困ってしまいます。

イスラエルは、ユダヤ特権で戦争をしてもあまり叩かれない国です。

『イスラエル批判=ナチのレッテルを貼られてしまう』という状態なので、西側諸国はイスラエルを避難できないのです。

とにかく第二次世界大戦を『連合軍=絶対正義』にしたい国際世論なので、イスラエルの行動を非難するのは不可能です。

ここがイスラエルの外交上手なところですね。

被害者であることを最大に利用しています。

だからユダヤは嫌われるんですが、無能と思われるよりは、悪人と思われたほうがマシなので、それはそれでいいのでしょう。

君主論で有名なマキャベリも似たようなことを言ってます。

無能の烙印を押されれてしまうと、どこぞの極東の島国のように、いつまでも謝り続けなくてはならなくなりますから。

どんなに好かれても、国が滅びて難民になったら迫害される。

どんなに嫌われようとも、国が滅びなければ迫害されない。

過去の歴史がそれを証明してますので、イスラエルは最初から国際世論なんぞ気にもしていないのです。

屈折した強さ、とでも言いましょうか。

歴史上、日本は国家レベルで迫害されたことがないので、日本人は彼らの思考回路が理解できないのですが、世界規模で見ればイスラエルの方が普通なんです」

 「だからイスラエルは強いんですね。いつも背水の陣だから」

 「こうして利害が一致したイギリス・フランス・イスラエルは手を組みます。

イスラエルが侵攻し、英仏は『平和維持』の名目で軍事介入。

両軍が引かないのならば、『平和維持』の名目でスエズ運河を国際社会、すなわち英仏の管理下に置こうという作戦です。

お人よしの日本人には想像すらできないやり口。

満州事変でミスった日本とは、レベルのが違いすぎます」

 「・・・要するにイギリスは相当のワルってことね」

 「しかしイギリス・フランスの行動は、個人レベルならば最低最悪の行動ですが、あいにく国家とはそういうものです。

そして、自分の物差しでしか世界を測れないような視野の狭い人は「人間は愚かだ、以上」という結論で現実逃避してしまいます。

思想は個人の自由だから止めはしませんが、それでは何の解決にもなってないこともまた事実です。

それを平然と行う人を敗北主義者と言います。

それに、これらも一見すると英仏が我がままなだけに見えますが、彼らもまた必死なのです。

仮に国有化を認めてしまえば、英仏では多くの失業者が発生し、悲しむ家庭が増えます。

職を失い、路頭に迷う人間も出るでしょう。

それを防止するために全力を尽くす。

国家はそのために存在します。

『自国民>他国民』はいつの時代も国家の原則です。

程度の差はあれど、これは絶対です。

これに異論を唱える人を売国奴と言います」

 「相変わらずはっきりと言うわね」

 「わたしは政治家じゃありませんし、プロの作家でもありません。

権力の影響を受けない中立な立場から好き勝手言えます。それがアマチュアの最大の強みです」

 「またまた〜 カッコつけちゃって〜」

 「物は言いようよね、ホント」

 「いいじゃないですか、少しくらいカッコつけたって」

 「痛・・・

 「痛いとか言わないで下さい

さて、英仏が必死だとは言いました。

しかし、英仏・イスラエルが手を組むとエジプトは窮地に立たされてしまいます。

エジプトも必死なのです。

そこでエジプトはこのピンチを凌ぐため、策を練りました。

外交の基本である『敵の敵は味方、だけど敵の敵はやっぱり敵』という法則からいけば、要するに英仏が嫌いな大国と手を組めばいいのです。

イスラエル・英・仏の3列強を同時に敵に回しても平気な大国。

そのうえ、英仏が嫌いな大国となると、どこの国がリストアップされますか?」

 「もしかして・・・ソ連?

 「正解です。

ケマル率いるトルコが悪魔と手を組んだように、ナセル率いるエジプトも悪魔と手を組みます。

それが先ほど言ったソ連への接近でした。

チェコスロバキア経由でソ連製兵器を入手したエジプト軍は戦力を拡大することに成功したのです。

1956年10月29日、イスラエルは、作戦どおりスエズ運河へ侵攻。

エジプトとイスラエルが交戦し、第二次中東戦争が勃発。

英仏は作戦どおり、『平和維持』の名目でこの戦争に介入します。

イスラエルの軍事力はエジプトを圧倒し、スエズ運河は英仏の管理化になると思われたところへある国が停戦を呼びかけました。

エジプトから嫌われているアメリカです」

 「怪しいわね。なんで自分に従わないエジプトのピンチをアメリカが救うのよ?」

 「要するにソ連が嫌いだからですよ。

第二次中東戦争の起こった1956年は、東欧ハンガリーで「ハンガリー事件」が起こっていました。

当時のハンガリーは東側だったのです」

 「枢軸国だったんですけどね・・・。負けちゃったから占領されちゃったんですよ」

 「まあソ連は解放って言ってたけどね」

 「占領=解放・・・・。これ世界の常識・・・」

 「そのハンガリーで自由を求めるデモが起こりました。

当初、その勢いをハンガリー政府は止められなかったため、これを機会にハンガリーも民主化するか?と思われましたがソ連の軍事介入で挫折していたのです。

アメリカの狙いはここで国際社会の目をハンガリーに向けさせることで、東側の力が広がるのを防ごうというものでした。

ところが似たようなことをエジプトで西側がやっている。

イギリス・フランスのやり方はソ連と同じである。

これでは中立のアジアやアフリカ、中東の国々を西側に加えることはできない。

国際社会が「西も東も同じだよ。どっちも白だろ?」なんて雰囲気になってしまえば、世界が真っ赤に染まってしまうのは時間の問題です。

アメリカはそれを恐れました。

第二次大戦では、ノルマンディー上陸作戦の指揮を取ったアイゼンハワー大統領は英仏に対して撤退を要求。

アメリカは味方になってくれると思っていた英仏はこれに驚き、国際社会の批難を浴びてスエズ運河から手を引くことになります。

このとき、すでに植民地支配が肯定される時代は終わっていたのです。

なお、植民地支配が法律で禁止されるようになったのは、第二次中東戦争のわずか3年後の1960年のことでした」

 「要するに、「ソ連が喜ぶだろがボケ!」って感じにアメリカが怒ったオチなわけね」

 「・・・そんな言い方、身もフタもないです・・・」

 「そんなもん元から無いクセに何言ってんのよ」

 「さりげなく凄いこと言ってますね」

 「まあそういうことです。

またアイゼンハワー大統領は、WWUにおいて、米英仏加の連合軍を指揮してノルマンディー上陸作戦を成功させた歴史的な英雄。

当然国民の人気は高く、ユダヤ系アメリカ人の票を狙う必要がないので、イスラエルにはそれほど甘くはありません」

 「また汚い話ね」

 「世の中なんてそんなものですよ。

アイゼンハワーは第二次大戦直後、ナチ戦犯を逮捕するとともに、彼らを西側へスカウトすることもやってます。

ドイツ軍の優秀な人材は連合国にとっては貴重な戦利品だったのです。

元ナチでもっとも有名なアメリカ人はウィルナー・フォン・ブラウン博士ですね。

この人は元ナチですが、アポロ11号を打ち上げて月面着陸を成功させた米国の英雄です。

まさか米国の英雄が元ナチとは表立って言えないため、教科書などには載ってませんけどね」

 「アイゼンハワーは、自分が元ナチをスカウトしているのをユダヤ系に知られたらどうするつもりだったのかしら…?」

 「さあ? とりあえずアイゼンハワー大統領の任期中はばれなかったから結果オーライでしょう。

アメリカという国は共和党、民主党の二大政党がそれぞれ与党と野党に分かれています。

基本的に共和党がタカ派で、民主党がハト派です。

共和党は、「強いアメリカ」を方針とする保守的な党。

逆に民主党は、「暮らしやすいアメリカ」を方針とする革新的な党です。

共和党は、軍事産業や軍関係者、裕福な白人層などに支持が高く、民主党は一般庶民や有色人種に支持が高いです。

アメリカという国は自由だ平等だと言っても基本的にWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)の国。

言わば余所者であるユダヤ系の人たちの多くは、自分たちが住みやすい社会を作ろうとする民主党を支持しています。

しかし、アイゼンハワー大統領は共和党なので、イスラエルに協力することはむしろ逆効果なのですね」

 「民主党が政権取ると、内政は上手く行くだろうけどねぇ・・・」

 「アメリカがタカ派でないと日本が困ってしまいます

なんせ、民主党の中には「日韓の米軍基地を撤去」とか「冷戦はもう終わっている」とか理解不能な言辞を連発する連中が2003年現在でさえ、無視できないほど勢力を持っています。

2万7千発もの核弾頭を保有するロシアや、フィリピンと事実上の戦争状態にある中国が未だに存在するというのに、「世界は平和」とか「アメリカが軍縮すれば世界は平和になる」とか言っているのです。

とても世界最強の軍事帝国アメリカの政治家とは思えません。

まるで70年代にタイムスリップしたような発言です」

 「おめでたい頭ですね」

 「まあ日本と違って、アメリカは平和ボケしてないので大丈夫でしょう。

なお、WWUで日本を挑発しまくって戦争を仕向けた史上最低の合衆国大統領ルーズベルトは民主党でした。

ルーズベルトの前任者であるハーバート・フーバー元米国大統領やハミルトン・フイッシュ上院議員などの共和党の政治家たちは、日本よりソ連の方がよほど危険だと知っており、なんとか戦争を止めようとしていたのです。

それをアカの手先のオ●ェラ豚どもが日本を挑発しまくった挙句、降伏勧告に等しいハルノートを突きつけ、それの譲歩の話し合いのテーブルにすら応じなかったために太平洋戦争は起きてしまいました」

 「うわ、下品・・・・」

 「要するに、WWUにおいて、民主党が政権を取ると日本が困ることはすでに経験済みだったということですね」

 「GHQはアカのシンパの巣窟だったしね。

ソ連に都合のいいように日本を改造しやがってからに・・・。

結局、それが原因で朝鮮戦争じゃマッカッサーが苦労したのよね」

 「そしてマッカーサーは理解したんです。

大陸の共産主義から日本を守るためには戦前の日本と同じことをしなくてはならない。

当時の朝鮮半島は日本ですから朝鮮半島を最前線にするわけにはいかないから、必然的に満州が最前線になる。

満州を押さえることは日本の生命線を押さえることになる。

日本の戦争は自衛戦争だった、と米国議会で証言したわけですね」

 「そーなんだ」

 「朝鮮戦争が勃発し、日本を守る立場に置かれたGHQ最高司令官ダグラス=マッカーサー元帥が、大東亜戦争肯定派になったのは当然と言えば当然の話です。

アカどもから日本を守るためには、あれしかなかったのですから。

満州を共産主義防波堤にする大日本帝国の戦略は極めて有効であると、マッカーサー自身が米国議会で発言し、議会もそれを認めざるを得なかったほどです」

 「マッカーサーがそういう認識を持ってくれたのは、日本人にとって救われた気分になるわね」

 「ところでこのマッカーサー元帥ですが、朝鮮戦争中、「北京とモスクワに原爆を投下すべし」という案を提出したことがあります。

しかし、その案が議会で読み上げられたら、トルーマン大統領が激怒してマッカーサーはクビになってしまいました。

・・・・・・・・。

ちっ・・・

 「最後の舌打ちは何?」

 「ご想像にお任せします

 「便利な言葉ですね、それ」

 「さて、冷戦時代の歴代の米国大統領は、ソ連と戦う度に、日米戦争を引き起こしたフランクリン・ルーズベルトを反面教師としているフシがあります。

それはアイゼンハワー大統領も例外ではありません」

 参考資料: アイゼンハワー大統領
昭和三十年(1955年)一月十七日当時の上院外交委員長ウオルター・ジョージ民主党上院議員と交わした会話の録音テープより
「私は非常に大きい間違いをした、ある大統領の名前を挙げることができる。ルーズベルトは自分の信念や行動しか認めない、極めて自己中心的な人物である。」

 

 「これはジョン・F・ケネディにも当てはまります。

ジョン・F・ケネディ政権は、キューバ危機をパール・ハーバーの再来と思っていたという証拠があるからです」

 参考資料 : 元米国司法長官ロバート・ケネディ(ジョン・F・ケネディの実弟)
キューバ危機時の国家安全保障会議執行委員会において、ケネディ弟がケネディ兄(大統領)に渡したメモより

真珠湾奇襲を決断した時の、(日本の)東条首相の気持ちがよく分かる

 参考資料 : 元米国司法長官ロバート・ケネディ(当時36歳)
兄が東条になってしまう

 

 「ケネディ大統領が秘密録音していた会議記録「ケネディ・テープ」によると、21回の会議で「パールハーバー(真=珠湾)」という言葉が13回、出席者の口から出ていることがわかってます。

キューバ危機当時の米国首脳部は、キューバ危機当時のアメリカの立場が、太平洋戦争直前の日本の立場に極めて酷似していることを理解せざるを得なかったのです。

ところが、それを現代の日本人が理解していないので、アメリカの行動が大日本帝国のそれとほとんど同じだということに気づかないのですね。

さて、スエズ動乱と呼ばれた第二次中東戦争において、注目したいのはイギリスの方針転換です。

すでに植民地時代は終わった。

この状況で、いつまでも植民地にこだわっていたらイギリスは世界から叩かれてしまう。

ならば新たな道を探るしかあるまい。

と、柔軟な発想でイギリスは全ての植民地を捨てることを決意します。

大英帝国の栄光を捨て、福祉国家として新たな時代の舵取りをすることにしたのです。

一方のフランスはやはりナポレオンの栄光が忘れられないのか、何かあるとアメリカに反発し、西側の結束を乱しては叩かれ、目立たない大国になっていくのです」

 「フランスがねぇ・・・」

 「歴史を見る限り、フランスよりイギリスの方が外交上手です。

とにかくフランスはプライドが高くて自爆します。

植民地政策万歳の態度を叩かれて自爆します。

何かあるたびにプライドが高くて自爆します。

なんつーか、プライドが高くて自爆するのです」

 「イギリスが『一番よりナンバー2』なら、フランスは『一番狙うの失敗してナンバー3』って感じよね」

 「しょうがないわ・・・。だってプライドが高いんだもの」

 「しょうがないんかい」

 「偉大でなければフランスではないというのがフランスの方針ですからね。

自らの存在感をアピールすれば、たとえ自爆に終っても半分目的は達成されたようなものですから、それはそれでいいのでしょう。

なお、戦後のイギリスは日本を高く評価してます。

第二次大戦で本土が灰にされたのに、たった数十年で世界トップの経済大国にまでなったことに敬意を払っているのです。

恐らくトミィどもの思考回路からすれば、『日本は凄い!その凄い日本に勝った俺たちはもっと凄い!』という思考回路なのでしょうが、それでも日本が高く評価されていることには変わりありません」

 「なんつーか。あいつらが敵を褒めるのって、遠回しな自慢なワケ?」

 「当然ですよ。プライドが高いんですから」

 「ジョンブルはプライドが高いからねー。

『ザコに苦戦した』なんて言えないでしょ? やっぱり『強敵だから苦戦した』って言いたいじゃない」

 「プライドが高いのは伝統だし」

 「そうそう。何百年前から続く民族文化にケチをつけちゃいけませんって。

だって伝統ですから」

 「・・・なんか伝統ってなんだろう?とか考えちゃうわね・・・」

 「そして日本を評価したイギリスは、アメリカに従うことでのし上がる日本の外交手腕を評価していました。

あれだけボコボコにされ、なおかつ原爆まで落とされたのに、戦後の日本はアメリカのやることには素直に従い、それは確実に実を結んでいる。

感情や目先の利益に流されず、アメリカの相棒として着実に国力を上げている日本に「恐るべし日本」と評価していたのです。

特に「鉄の女」と呼ばれた英国サッチャーは、『イギリスとアメリカが対立すれば喜ぶのはソ連だよ』という方針の元、無理にナンバー1を狙わずナンバー2として西側の結束を強めていました。

現在でも続いているイギリスの外交方針は、戦前の日本外交が参考の一つにもなっています」

 「したたかね、イギリスは」

 「はい。

しかし2003年現在のホワイトハウスでは、「アメリカがヨーロッパでもっとも信用できる国はポーランド」と言っています。

つまり、アメリカは、イギリスを全面的に信用していないということです。

あくまでイギリスがアメリカに従っているのは、イギリスにとってアメリカと同盟を組むことが国益に繋がるからです。

それ以上でも、それ以下でもありません。

つまり、イギリスはアメリカを利用しているだけに過ぎません。

アメリカもそれがわかっています。

国家に真の友人はいない

そういうことですね」

 「結局、今も昔も基本は同じ・・・ってことか」

 「中東国家の独立承認は、ただ単にアメリカの経済を揺さぶるだけではなく、ソ連の力を強めてしまうことが明らかになってしまいます。

1957年1月アメリカのアイゼンハワー大統領は、

「中東諸国から要請があれば、中東に対するソ連の侵略を阻止するためにアメリカ軍を出動させ、中東諸国に対する経済援助・軍事援助を与える」

というアイゼンハワー=ドクトリンを発表しました。

これはつい最近までアメリカの方針になっており、ベトナムの敗戦で一時は衰退したものの、レーガン政権のストロング・アメリカに受け継がれるものです。

レーガン政権時代の国務長官キッシンジャー国務長官は、「もしサウジが米国に禁輸処置を取ったらどうする?」という質問に対して、

「もしそういう事態になれば、米国はサウジアラビアの油田地帯に海兵隊を派遣して占領する」

という答えを出しています。

しかし、これらは米国だけの専売特許ではありません」

 参考資料: フィデロ・カストロ 国連創立五十周年記念の国連特別総会において
「経済封鎖とは老若男女を死に追いやる残忍な、静かな原爆である。」

 参考資料: ムッソリーニ 1935年の国連への発言
「禁輸は、イタリアに対する戦争を意味する」

 参考資料: 北朝鮮代表の国連大使  平成十五年一月初旬、外国記者団との会見の席において
「国連安全保障理事会による経済制裁がおこなわれた場合には、北朝鮮に対する宣戦布告とみなす」

 

 「歴史を知っていれば、資源は資源国が全てを管理運営すべきであるという『資源ナショナリズム』の思想は、資源依存国への宣戦布告以外の何者でもないことが簡単に理解できるのですが、それがわからない連中が多くて・・・。

この犯罪的無知が肯定されているような状況はなんとかしなくてはいけません。

資源ナショナリズムを完全肯定してしまえば、日本だって困るというのに、それを正当なものと認めるなど正気の沙汰ではないと断言できます。

もし、それらを認める代わりに自分が失業したりしたら納得できるのですか?

ちょっと考えればわかることだと思うのですが・・・」

 「言っても無駄。戦争以外に解決策なし

 「だから戦争に勝てばいいんですって。

 「話はそれからよね。

戦争に勝つことが大前提だし」

 「うーん 結論はその結論なのね」

 「さて第二次中東戦争で、イスラエルはエジプトから戦利品を確保し、戦車の重要度が改めて再認識されました。

『すでに戦車は時代遅れの兵器である』と言われていた当時において、この経験は貴重でした。

この経験が世界最強の戦車と言われるメルガバシリーズを形作っていくことになるのです。

一方、エジプトは多くの犠牲を出しましたが、初期の目的であるスエズ運河の国有化には成功し、英仏を倒した英雄としてアラブ期待の星となっていきます。

このエジプトの強さに接近したのがイスラエルの宿敵であるシリアです。

1948年に独立したシリアはクーデターの連続で国内は不安定で、第二次中東戦争直後は汎アラブ主義と国家社会主義を掲げるバース党(アラブ復興社会主義党)が政権を取っていました。

ようするに、アラブ全体でひとつにまとまろうという考え方です。

基本的に宗教というものは『欲』を捨てることが大切だと説いてます。

金欲を肯定しているのはメジャーなものではプロテスタントくらいなものです。

当然、古き時代のイスラームに縛られたアラブ社会では、貧富の差が大きいことが問題になっていたので、お互いを支えあおうという社会主義が台頭してきたのですね」

 「ややこしい話ね」

 「ようするに社会主義というのは、若い人が税金を納めて老人を支えようという年金制度を社会全般に広める考え方です。

これに対して共産主義は思想の自由を認めないとか、人権を認めないとか、全体主義とか、情報規制とか、ようするに「見たまえ!人がまるでゴミのようだ!」という思想になります」

 「なんでムスカ?」

 「社会主義と共産主義は似ているようで全く別物です。

しかし多少は被る点もあるため、社会主義は共産主義と近づきやすいのが問題なのですね」

 「でもこの頃には共産主義の危険性はわかってたんでしょ?なんでそんなになびきやすいのよ?」

 「簡単ですよ。西が嫌いだから

 「結局それかい」

 「西にも問題があったのは事実ですけどね。

とにかく米英が言っても説得力がないのがネックです。

ですが、なぜそこでロシアの言葉には騙されるのかがよくわからないのですが、アラブ情勢は日本人にはなかなか理解しにくいということですね。

さて、シリアで権力を握っていたバース党はエジプトと併合してアラブ連合共和国を作ります。

これはシリア内も決して一枚岩ではなく、シリア共産党やイギリス寄りの保守派の力を削ぐためでした。

共産主義において宗教は鬼門です。

しかし、「アカに染まっても宗教の自由を保証する」という甘い言葉に騙された連中が後を絶ちません。

話し合いは平行線を辿ってしまうので強硬手段に出たというわけですね」

 「でも併合なんて簡単にできるの? エジプトはエジプト文明、シリアはメソポタミア文明。

同じアラブでも、民族も文化も違うんでしょ。

日本だって韓国とはスムーズには併合できなかったのに。

失敗するんじゃない、これ?」

 「ご名答。

その通り、このアラブ連合共和国はたったの3年で崩壊しました。

理由は簡単で、エジプト主導ということは、シリアがエジプトの植民地になることです。

エジプトが政治の中心となり、シリアが冷遇される国家形態のため、アラブ連合共和国は1961年シリアでクーデターが起きたことをきっかけに崩壊します。

なお、このアラブ連合共和国にはイエメンも参加していました。

が、エジプトとイエメンだけでは欧米には敵わない。

これではまずいということでエジプトのナセル大統領は再びアラブ結束を呼びかけました。

この頃イラクでは革命が起きてバース党が政権を握っており、エジプト・シリア・イラクが結合して再びアラブ連合共和国連邦を作ろうとします」

 「ややこしいなぁ・・・」

 「共和国とは王様がいない国のこと。

さらにややこしいことに、イエメンでは王政派とナセル派が内戦を繰り返し、ナセル派を支援するイラク・シリア・エジプトと王政派を支援するサウジアラビアらとは犬猿の中になってしまいます。

サウジアラビアは王政ですからね。

さらにナセル派は反米、サウジアラビアは親米なんで、ここでも米ソが介入してくるという状態に突入します。

さらにアラブ連合共和国連邦は、イラクとシリアが手を組んでエジプトの権力を落とそうとするため、正式に発足される前にエジプトが自ら崩壊させてしまいました」

 「うわ・・・わかりにくい」

 「つまりあれですか。ラーメン屋

 「はい。

つまり『アメリカがいるから中東は泥沼である』というのは明らかに間違っており、事態はそんなに簡単ではありません。

そんな単純な理由ならば誰も苦労しないのです。

歴史を見る限り、中東は外世界の干渉を受けなくても泥沼の東部戦線なのはほぼ確実でしょうね。

イスラエルがなければないで、勝手にドンパチすることは歴史が証明してます。

なにせある状態でもドンパチしているのですから。

同じ頃のアフリカの国々はやっぱり民族紛争が絶えず、中東と似たような状態でした。

石油がない、イスラエルがない。

それでもやはりドンパチしているのです。

なんか見ていると、中東情勢は、イスラエルがあろうと無かろうとあんまり変わらないと思うのですが、気のせいでしょうか?」

 「昔のヨーロッパと同じ・・・」

 「もっと性質が悪いわよ。武器は近代化してるし、石油はあるし。

頭の中身は何百年前と変わらないのに、技術だけは近代化しているんだから」

 「ようするにアレですよ。伝統

 「伝統じゃ仕様がないわよね」

 「仕様がない、で済めばいいのですが・・・・」

 「いいのかい」

 「ところがこの辺が動乱になると、日本経済の生命線である石油の値段が上がったり下がったりして、日本人の生活が破壊されてしまいます

それは欧米も同じです。

だからアメリカは日本に「日本はアメリカを支援しろ、アメリカが困るときは日本も困るときだ」と言っているのですが・・・。

どうも『アメリカと日本の利害は一致している』という現実から目を背けるのが生き甲斐な人が多いようで・・・。

困ったものですね」

 「しょうがないですよ。プライドが高いんですから。

アメリカナイズされるのが嫌なんですよ」

 「コンプレックス持ってるだけじゃないの?」

 「どうして『次で勝てばいい』とか、『勝てない喧嘩を売るのはやめよう』とか、『どうせやるなら勝てる喧嘩をしよう』という発想がゼロなのでしょうか?

アメリカが嫌いな気持ちはわかりますし、日本万歳という気持ちもわかります。

西にも東にもつかないで、独自の道を歩きたいという気持ちもわかります。

しかし、なにゆえ勝てない喧嘩を売ろうとするのかは理解不能です。

米・中・ロの三大帝国を同時に敵に回して本気で勝てると思っているのでしょうか?

太平洋戦争は、挑発されただけで、自分から仕掛けたわけじゃないのですよ?」

 「男には、負けるとわかっていても戦わねばならないときがある!

 「なぜキャプテン・ハーロック?」

 「つまり漫画の読みすぎってこと?」

 「ドイツと同じで、滅びの美学が好きな民族なんですよ」

 「サクラの花が散るのを見て『美しい』と思うのは日本人だけ・・・・」

 「本当かよ・・・」

 「民族文化はともかく、日本が国際社会でアホなことばかりやっている最大の原因は、「日本は弱小国」だということを理解していないことですね。

敵を知り、己を知れば百戦危うからず。

自分を知らないから理解不能な結論に出てしまうのです。

たかが経済大国になった程度で、軍事大国に対抗できるわけありません。

札束で戦車は倒せないからです。

そんなことにも気づかないから、経済大国クウェートは軍事大国イラクに侵略されたのです。

日本もそうならなければいいのですが・・・。

さて、勝てない喧嘩を売ってはイスラエルにブチのめされてきたアラブ世界では、反イスラエルが高まっていました。

正攻法では勝てないので、パレスチナ難民はテロを起こします。

そしてテロリストは民間人の中に逃げ込むというゲリラ戦を展開。

ところがこの犯人を地域でかくまってしまうため、イスラエルは索敵殲滅(サーチ アンド デストロイ)戦法を取ります」

 「ベトナム戦争みたいね」

 「ゲリラ戦というのは味方殺しの卑劣な戦法です。

旧日本軍もこれには苦戦しました。

日中戦争のときの中国兵も、日本軍と戦うとすぐに民間人の家に逃げ込み、服装を変えます。

そして日本兵が国際法の「民間人は殺してはいけない」というルールを守ると、その隙を狙って民間人に変装した中国兵が攻撃を仕掛けて来るのです。

おまけに情報操作や捏造によって、それを無かったことにしたり、先にゲリラ戦を仕掛けて来たことを棚に上げ、一方的に虐殺されただのなんだのと世論を操作するということを繰り返します」

 「勝つために手段を選ばないとは言っても・・・酷い話ね」

 「ベトナム戦争で米兵が民間人を虐殺しまくったのも、それは北ベトナム軍が民間人に化けて攻撃してくるというゲリラ戦を仕掛けて来たことが理由の大半を占めています。

民間人だと思って油断していたら突然銃を撃ってくる。

これでは兵士たちは自分の身を守るために関係のない民間人も殺さなくてはならない。

最大の問題はゲリラ戦を行っている連中が、自分たちが国際法違反だという自覚がないことにあります。

まあそれは上の連中がやらせていることなのですけどね。

ベトナム戦争も、WW2のドイツ軍や旧日本軍のように正規軍だけが戦っていれば、多少の犠牲はあったとしてもあそこまで民間人の被害は広まらなかったでしょう。

しかし、これがソ連や中国を相手にしたときになると全く違ってきます。

共産主義国家相手にゲリラ戦はあまり意味がないのです。

なぜなら、連中は民間人も軍人も区別なしで大虐殺するため、「民間人は殺さない」いう国際法なんて誰も守っていません。

「みんな平等」とはよく言ったものです。

「みんな平等に価値が無い」ということなら、確かに看板にウソ偽りはないですね」

 「じゃあ、共産主義国家にテロは通用しないってわけ?」

 「そうですよ。

テロリストが人質をとっても、人質ごと抹殺するのが東側の常套手段です。

2002年にモスクワの劇場でチェチェンのゲリラが人質を取って立て篭った事件があったときも、ロシアは人質を無視して神経ガスを投入したじゃないですか?

「人命尊重」とか、「犯人の疲れを待つ」なんてことが警察の常識と思ってるアホは日本人だけです。

あくまでそれは日本国内限定の常識に過ぎません。

そしてテロが政治問題を帯びてくると、もはや警察の手には負えなくなり、やはり索敵殲滅(サーチ アンド デストロイ)作戦でしか解決できなくなってきます。

地域社会が協力してくれないからです。

さらに中東が反米・反イスラエルになれば自分たちの権力が強くなりやすいので、テロ支援をする国家が現れます。

ロシア、中国、シリア、リビア、イラン、イラク、北朝鮮、キューバ、エトセトラ、エトセトラ・・・

まあだいたい反米国家がそのほとんどですね。

彼らは、難民キャンプに行っては家族を失ったり、家を失って世界に絶望している若者にアラーのために死ねば両親には安息な暮らしが、お前には天国で70人の処女と黄金の宮殿が与えられる」とかなんとか言ってダイナマイトを体に巻きつけて映画館に行かせたりします。

世論や情報を操作し、「自爆テロ=神様への奉仕」などと思わせ利用したりするのです。

アメリカやイギリスはテロ支援国家の政権を倒したいのですが、そこに石油の利権などが絡んでくるとスムーズに解決せず、事態は泥沼へ突入してしまいます」

 「なんていうか・・・中東の人たちって利用されてるだけなのね・・・」

 「そういうことですね。

わざと攻撃されることで敵愾心を煽るというのは、よくある戦術です。

病院や文化遺産の中に軍事基地を作り、わざと攻撃されることで政治的に団結するというのはイラクの十八番だったりします。

欧米もそれを見抜いているから問答無用で爆撃するわけですが・・・」

 「どっちもどっちよね・・・」

 「戦争に卑怯もクソもない、と言ってしまえばそれまでですけどね。

悲しいことですが、現在の戦争は民間人を巻き込む虐殺戦になっているのは事実です。

そしてそれすらも政治の道具にする連中が権力を握っていることも事実です。

困ったものですね。

さて、第二次中東戦争以来、パレスチナ難民はシリアの中にも入り、クーデターで政権が代わったことも相成ってシリアの反イスラエル色はさらに色を濃くしていきます。

中東の紛争は「欧米とアラブの戦い」とは言いましたが、その構図になると有利になるのは実はアラブの方がです。

反イスラエルでまとまることができるのでね。

アラブの結束は砂漠の砂のようなもので、手で握っている間はまとまりますが、力を抜くとバラバラになってしまう。

反米・反イスラエルを唱えておかないと、アラブ同士で戦争が始まってしまうのです。

というわけで第二次中東戦争後の1964年、パレスチナではPLO(パレスチナ解放機構)が発足し、アラブ諸国は対イスラエル包囲網を形成していきます。

緊張張る中東情勢。

そんな中、イスラエルの特務機関モサドにはアラブが奇襲攻撃を準備しているという情報が入ります。

実際、エジプトがシナイ半島に軍を派遣していたからです。

これには様々な説があり、エジプトの行動はKGBが「イスラエルがシリアに奇襲攻撃を準備している」と情報を流したからとかなんとか。

ようするに、

殺られる前に殺れ

というわけで、1967年6月7日イスラエル軍がアラブに奇襲攻撃を仕掛けました。

これが第三次中東戦争(イスラエルVSアラブ連合軍)の勃発です。

イスラエルの相手はシリア、エジプト、ヨルダン、イラクなどのアラブ連合軍。

戦力だけならアラブの方が上なのですが、やはり連携が取れないことと質の差でイスラエルが連戦連勝。

この戦争でイスラエルはヨルダン領だったヨルダン川西岸(ウエストバンク)エジプト領だったガザ地区とシナイ半島全域、シリア領のゴラン高原を占領。

親米国家であるイスラエルの力が強くなりすぎることを危惧したソ連は国連に上申し、第三次中東戦争は6日間で終了します」

 「なんか国連って、大国の言いように使われてるわね」

 「国連なんてそんなもんですよ。

国連の常任理事国にトルコでも入ってればいいのですが、拒否権を持っている大国の中にアラブ国家が一つもないため、中東は最初から国連なんて相手にしていないのです。

国連とは第二次大戦の連合国が戦後の世界を自分が有利に進めるために作ったもの。

当時、独立国家としてまともに機能していた非白人国家がほとんどないことを考えれば必然的に欧米超有利な組織になる。

さらに国連主要国は元々アラブ国家を支配していたばかり。

これでは国連に期待ができないのは当然のことなのです」

 「それにしても、中東戦争ってすぐに終わっちゃいますね」

 「はい。基本的に米ソの利害が一致しない戦争は長引き、利害が一致した戦争は短期で終わるのが近代戦の特徴です。

近代戦は物量戦なのですが、中東戦争は例外で、石油利権が絡んでくるため戦争が起きてもすぐに鎮圧化されてしまいます。

同時期のベトナム戦争が10年以上の長期戦なのに対して、中東戦争はすぐに終わってしまうのが特徴ですね」

 「でもさあ、言い方を変えるとやっぱり泥沼の東部戦線よね。

戦争、講和、また戦争と、何十年も続いているんじゃ十分長期戦よ、これは」

 「そうですね。

さて、第三次中東戦争に敗北し、ナセル主義は各地でその勢力を失っていきます。

アラブ国家をまとめることもできず、イスラエルに勝つこともできず、夢を見るたびに欧米の介入を招くエジプトの支持は急激に失われ、代わりにアラブをまとめようとするイラクやシリアなどが目立ちはじめていました。

シリアは汎アラブ主義から、シリア主導でアラブをまとめようとする汎シリア主義へ。

イラクは汎アラブ主義から、イラク主導でアラブをまとめようとする汎イラク主義へと、それぞれが力づくで中東を統合しようとする動きを見せ始めます。

こうしてかつてはアラブ統一の夢を見せたエジプトは、単独でアラブ連合を名乗りつづけていましたが、1970年にナセル大統領が死去。

アラブの星は志半ばで天に召されることになります」

 「革命未だならず、か・・・。まるでどこぞの中国人みたいね」

 「エジプトでは、サダト大統領が政権をとることになり、彼によってエジプトは従来の反米・反イスラエルの方向を大きく変えることになるのですが――――」

キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン

 「というわけで、次回は1973年、エジプトとシリアがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けた第四次中東戦争からイラン・イラク戦争に移ります。

次回、「ルリ先生の補習授業 第5話」に――――」

 「努力と根性ぉおおおおおお!!

 「なんじゃそりゃ?」

 「幻のテレビ版「トップをねらえ!」の次回予告ですよ」

 「トップってテレビでやってたんだ・・・」

 「とりあえずわたしも叫んじゃいます!

うああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!

バスタァアア!ホォオオムラン!!

 「バカばっか・・・」

次の授業を受ける


おまけ:声の出演

機動戦艦ナデシコ         

              
ホシノ=ルリ(映画版) / 南央美 「それなら正規の軍人さんは使わないほうがいいですね」
テンカワ=アキト(テレビ版) / 上田祐司 「俺は好きで戦っているわけじゃない!」
ミスマル=ユリカ(テレビ版) / 桑島法子 「アキトのバカバカバカバカ!」
メグミ=レイナード(テレビ版) / 高野直子 「でもちょっと勉強になったよね、バイバーイ」
スバル=リョウコ(テレビ版) / 横山智佐 「どうせ何もないんなら、丸ごと無くなってもいいさ!」
ウリバタケ=セイヤ(テレビ版) / 飛田辰夫 「リアルさと現実の区別はつけてるつもりだぜ?」
ミナト=ハルカ(テレビ版) / 岡本麻弥今時言わないわよね。スパイのことを間諜(かんちょう)だなんて」
アマノ=ヒカル(テレビ版) 菊池志穂  「テンカワ〜?テンカワ、テンカワ、テンカワ、テンカワ、テンカワ」
マキ=イズミ (テレビ版)/ 長沢美樹 「ホウメイじゃない方めい?」

機動戦士ガンダム    
アムロ=レイ(逆襲のシャア版) / 古谷徹 「見える!」
クワトロ=バジーナ(Zガンダム版) / 池田秀一 「やってみるさ!」
カミーユ=ビダン(Zガンダム版) / 飛田辰夫 「暗黒の世界に帰れ!ハマーン=カーン!」
ハマーン=カーン(ZZガンダム版) / 榊原良子 「こんなところで朽ち果てる己の身を呪うがいい」

トップをねらえ!  
タカヤ=ノリコ/ 日高のり子 「バスタアアアアアアアア!ミサイルッ!」
オオタ=コウイチロウ(コーチ) /  若本規夫 「こぼれた水はまた汲めばいい。それだけだ・・・」

新世紀エヴァンゲリオン  
惣流=アスカ=ラングレー / 宮村優子 「何よこれ!?パンティ丸見えじゃない!」
綾波レイ / 林原めぐみ 「ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ・・・」
葛城ミサト / 三石琴乃 「いいんじゃないの?若いんだから」 


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